有価証券報告書-第68期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 10:43
【資料】
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【項目】
69項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度の経済情勢は、米国や欧州では底堅く推移する一方で、中国やその他の新興国では減速が顕在化して全体的にも影響が及び出した。国内では上期は円安などで景気拡大の兆しであったが、不透明感を脱することができず本格的な回復には至らなかった。
この様な環境下で、当社製品の主要な需要元であるサンデングループ(サンデン株式会社は平成27年4月1日より持株会社体制に移行した。)の自動車機器事業は、グローバルで捉えて概ね堅調に推移した。当社においてはその需要に機会損失なく応えるため、常に新しい製品の取込みと生産切換えを進めながら、前期大幅に回復することができた売上高の継続的な確保を目指して活動した。当社の新しい柱となった鋼板プーリについては、継続して推進した開発・製品化により、前期比14.5%増の年間100万個超の納品を達成した。また今後も安定的な需要の見込めるPX型コンプレッサ用斜板ボス生産ラインの増強施策、SDV型用シリンダブロック生産設備のPX型用への変更などを社内技術力の活用で推進した。加えて中期的な視点でCO2を冷媒としたコンプレッサ用のパーツ開発活動を継続して行っている。これらの活動の結果として、これまでSDV型コンプレッサの需要動向に大きく影響を受けてきた経営体制を変革すると共に、コスト競争力と生産技術力でサンデングループ内生産拠点における当社の重要性を向上させることができたと考える。
主力のコンプレッサ部品関係の売上高は、従来品の減少と新規品立上げの狭間で大幅な受注減が懸念されたが、新規取込み品の垂直立上げと従来品の受注戻りなどで落込みを最小に抑えられ、3.6%減の13億41百万円を確保できた。カーエアコン取付部品関係の売上高はほぼ終息となり前期比60.4%減の1百万円、またその他の売上高はショーケース売上の影響で前期比53.3%増の1億62百万円であった。これらを合計した当事業年度売上高は、前期比0.3%増の15億5百万円となった。
損益面では、受注の減少は回避できたものの開発費や立上げ活動の費用など先行的な支出の増加で、営業利益24百万円(前期比51.1%減)、当期純利益21百万円(前期比51.0%減)となり、前期に比べて利益率が大幅に低下する結果となった。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれていない。なお、「2.生産、受注及び販売の状況」における記載金額についても同様である。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金の返済、有形固定資産の取得による支出などに対して、減価償却費、短期借入金の借入れなどがあったが、前事業年度末に比べ31百万円減少し、当事業年度末には1億8百万円となった。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローは次の通りである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は前年同期に比べて1億57百万円減少し87百万円となった。
これは主に減価償却費71百万円、仕入債務の増加20百万円及び税引前当期純利益22百万円などと、棚卸資産の増加18百万円、未払消費税の減少18百万円等との相殺によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は前年同期と比べて20百万円増加し36百万円となった。
これは主に有形固定資産の取得によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は前年同期に比べて88百万円減少し83百万円となった。
これは主に長期借入金の返済による支出1億26百万円と、短期借入れによる収入45百万円との相殺によるものである。