有価証券報告書-第87期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 14:47
【資料】
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【項目】
127項目

研究開発活動

(1) エンジニアリング事業
当社の研究開発活動は、ビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでおります。
①ガス・石油・環境分野
②再生可能エネルギー分野
③新化学・バイオ・水分野
④エンジニアリング力強化
<ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、DMEなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商業化を進めております。本技術はCO2を原料として利用することから、化学メーカーからも注目され、国内商用機への触媒交換に採用され、順調に稼働しております。現在、国内2号機案件について取り組んでいる他、海外新規プロジェクト案件の打診もあり、今後が期待されております。
・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒は、商用1号機が昨年2月から順調に稼働しております。国内別顧客向け2号機案件についての事前評価試験も開始するなど、営業展開が始まっております。
・既に商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置CT-121®は、石炭種の低品位化、微量成分の規制強化に対する技術改良・技術強化を進めており、触媒酸化法排煙脱硫装置CASOX PROCESS®は、システムの簡便性、ゼロエミッションという利点を生かしビジネス化を図っております。
<再生可能エネルギー分野>・太陽熱と高温溶融塩(Molten Salt)を利用した次世代型太陽熱発電システムの開発と商業化プラントへの展開を目的に、伊ASE社(アルキメデ・ソーラー・エナジー社)へ出資、イタリア国内でデモプラントを建設し、平成25年7月の運用開始後、順調に各種試験を実施しております。
・4年目の取り組みとなるメガソーラー発電所の受注実績も35件で累計192MWを超え、引き続き当社のシステム
インテグレーションによる高い発電量と建設コスト競争力が高い評価を頂いております。
・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しております。子安の研究開発センターに設置したデモンストレーションプラントは、10,000時間の運転を達成しました。また、実証事業の検討を進めております。
<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ペトロブラス社石油化学(UNF-IV)コンプレックス案件向けライセンサーパッケージ作成作業を完了し、今後の建設に向けて引き続き対応してまいります。また、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結し、今後KBR社の販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めてまいります。
・非在来型水処理技術開発では、膜メーカーとセラミック膜を用いた油田の随伴水処理について実液ラボ試験により基本技術の構築を進めております。
<エンジニアリング力強化>・エンジニアリング力強化では、プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる高度解析技術(特に3Dやダイナミックシミュレーションを中心とした高度解析技術、複数技術統合など)や各種検査/センシング技術・IT技術、レーザースキャンによる3Dモデル化技術の開発を進めることにより、高度な診断技術を提供し、当社のPLE(プロジェクト・ライフサイクル・エンジニアリング)の事業を様々な分野に展開しております。また、国土強靭化法に沿った製油所の耐震診断を遂行中で、我が国の要となる石油エネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国の安全保障に貢献しております。
なお、研究開発業務に従事している人員は研究開発センターを含む技術開発ユニットを中心に約80名であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 24億56百万円であります。
(2) その他の事業
該当活動はありません。