有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:26
【資料】
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【項目】
166項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 原材料の調達及び生産について
当社グループは製品原価において調達部品の比率が比較的高いため、素材需要の逼迫による原材料価格の高騰が、原価高を生じ経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、仕入先企業の部品や資材の供給不足、状況変化等により予期せぬ調達難が生じ、生産に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、仕入先企業とのコミュニケーションを強化するとともに、仕入先企業とともに原価低減活動を推進することなどにより、納期の確保、安定的な供給体制の構築、最適な価格の維持に努めています。また、リスクの高い調達部品、調達に長期の日数を要する部品などについては特に在庫管理の徹底を図っております。
(2) 各国の規制等について
当社グループの製品は、日本をはじめ輸出先各国の様々な法令、規制等の適用を受けます。特に、環境保全のための排出ガス規制やクレーン関連及び自動車関連の法規制などがあります。また、その他にも、各国の政策による輸入制限等の可能性もあり、これらが業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、それら規制等の情報の入手に関して規程に定め、対応できる体制を構築しております。
(3) 製品の不具合等について
当社グループの製品は、ISO9001の品質マネジメントシステムを取り入れて製造しておりますが、将来において予期せぬ不具合が発生しないとも限りません。大規模なリコールや製造物賠償責任が生じると、多額の費用が必要になるとともに、当社グループの信用にも重大な影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、品質保証部門が中心となり、お客様により安心・満足していただける製品を提供するため、品質マネジメントシステムの継続的改善・品質の維持向上に努めております。また、製品事故による賠償責任が発生した際の損害の軽減として、製造物責任賠償保険による保障を図っております。
(4) 為替レートの変動について
当社グループは、為替レートの変動による影響を最小限に止めるよう留意しておりますが、為替変動による影響をすべて排除することは困難であり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社は、為替の変動リスクを回避するため、円建てによる輸出取引や、外貨建債権に係る為替予約取引を部分的に行っております。また、輸出取引において回収した外貨にて、輸入取引の決済を行う事により、為替変動によるリスクを相殺しております。
(5) 海外事業について
当社グループは、海外販路の拡大を図っており、中国、アジア、欧州、北米においても生産・販売の事業活動を展開しております。これらの地域では、政治または経済の著しい変化や、労働環境の違いによる労働争議等の発生、紛争・テロ・自然災害の発生による影響を受けた場合は、需要の減少や、操業の中断などを引き起こし、当社グループの事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクを回避するために、海外子会社に対してその独立性を保ちつつも、当社より適切な管理者の派遣を行うとともに、定期的に所在国・地域のリスク分析及びモニタリングを実施するなど一定の管理・統括を行うことによりリスク管理を図っております。
(6) 自然災害・事故、感染症等について
地震等の自然災害あるいは火災などの事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱の発生によって、当社グループの製造拠点等の設備が重大な被害を被った場合、また、主要取引先の事業活動の停止、事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、自然災害等の被害の最小化と早期の復旧を図るため、災害時対応マニュアルを策定し、定期的に地震等に備えた訓練や、必要に応じて対策本部を設置する事としております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしており、その収束の時期も不透明な状況です。当社グループの事業は、国内外でその影響を受けることが予想されるため、当該事象が長期化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
(7) 資金調達等について
当社グループでは、資金調達の機動性及び安定性を向上するために金融機関との良好な関係を維持しながら、銀行借入に加え社債の発行などによる資金調達手段の多様化やコミットメントライン契約の締結を行っております。コミットメントラインの総額は前連結会計年度4,000百万円、当連結会計年度7,500百万円であります。これらの借入債務の一部には財務制限条項が付されており、特定の条項に抵触し、返済請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
(8) 債権管理
当社グループでは、建設機械等の販売を行うにあたり、取引先の信用状態を継続的に確認し、与信設定を行い、債権管理にあたっておりますが、取引先の予期せぬ財政状況の悪化等により貸倒れリスクが発生し、追加的な引当の計上が必要になる場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、債権状況のモニタリングなどの管理体制を強化しております。これにより、個別の貸倒引当金を適切に見積り、計上することで、信用リスクの高まりに対する業績への急激な影響を防いでおります。また、カントリーリスクが大きい国との取引では、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクの低減を図っています。
(9) 在庫管理について
当社グループでは、原材料及び完成品等棚卸資産について、過去の実績などから需要予測を行うことによって在庫水準の適正化に努めています。しかしながら、需要の減少、販売価格の下落や在庫期間の長期化が生じ、評価損の計上を余儀なくされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 設備投資について
当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力向上を目指し、当連結会計年度において横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転するとともに、国内各工場の部品供給機能を集約した坂東工場を新設し、生産・部品供給体制の再構築を行いました。また、生産及び物流の効率化を図るため、完成品の組立作業等を行う拠点として常陸那珂工場を建設中であり、大規模な設備投資を継続的に実施しております。今後、市況や事業環境の悪化により想定しているような生産規模拡大を図れない場合には、減価償却費を主とした製造固定費の負担による利益率の低下等が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、既存設備や賃貸等不動産の稼働率の低下及び遊休化等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 経済、市場環境等の変動について
当社グループの事業は、景気循環の影響を強く受ける産業であり、先進国市場でのインフラへの公共投資、民間設備投資の動向や新興国市場での原油価格、通貨価値の急激な変動等のコントロール不能な要因が当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。 また、世界的規模で経済・市場環境が急激に悪化した場合には、取引先からの受注の減少、キャンセルの増加及び滞留在庫の増加等が当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、スローガンとして“Progress To The Next Stage”「次なるステージに進化」を掲げるとともに、3ヵ年の「中期経営計画2019-2021」を策定し、グループ一体となって取り組んでおりますが、国内外の経済・景気動向、顧客企業の需要、政治・社会情勢、テロや地域紛争、天災やパンデミックなど様々な要因により、目標に向けた施策が計画どおりに進まない可能性や、期待される効果の実現に至らない可能性があります。
当社グループは、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、目標達成に努めてまいります。