有価証券報告書-第74期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/12/19 9:32
【資料】
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【項目】
116項目

研究開発活動

当社グループは、多様化・高度化を続ける顧客ニーズに的確に応えていくため、研究開発拠点を持つ日本並びに欧米の連結子会社が連携して積極的に情報交換を行うとともに、各々の拠点が持つ技術的特長を活かしながら、グローバルかつ斬新な新製品・新技術の創成、生産システムの最適化、既存製品の改良など、幅広い研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は9億2千3百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
1 粉体関連事業
当事業に係わる研究開発費は7億2千9百万円であります。
当社グループの基幹事業である粉体関連事業においては、高機能材料を生み出す粉体処理装置並びにシステムの開発やその効率化を目指した研究開発を推進しております。例えば、近年需要が急増し高品質化している二次電池や電子部品の材料、トナー、医薬品、食品などの粉体処理では、微細化・省エネルギー化・省スペース化が強く求められており、当連結会計年度は、これらのニーズを満足する衝撃式微粉砕機ACMパルベライザF型を開発し、新製品として発表するなど、独創的な新技術を生み出す努力を続けております。
また、粉砕機や分級機等の装置に取り付けた動力計、温度計、振動計などの計測器からのデータをインターネットを通じて遠隔地で確認したり、クラウド上での解析によるシステムの自動運転、最適な運転条件の設定、部品の交換時期の見極めに活用するなど、産業用IoT(Internet of Things)技術の構築と実用化を進めております。
さらに当社は、機能性ナノ粒子を使った新しい材料製品の開発にも力を入れており、ナノパーティクルテクノロジーを用いた材料事業展開の一つとして、生体適合性ナノ粒子のPLGA(乳酸グリコール酸共重合体)に薬物を封入する医薬技術をベースに、機能性化粧品ナノクリスフェアや育毛剤ナノインパクトなどのオリジナル製品を開発し、日本国内だけでなく中国をはじめとするアジアへの事業展開を進めております。当連結会計年度は、顧客ニーズに具体的に対応する形で、PLGA技術を応用したエタノール不使用の低刺激タイプ育毛剤薬用ナノインパクト アルコールフリーや目元のしわを改善する機能性化粧品アイクリームなどを新たに開発し、販売活動を開始いたしました。
2 プラスチック薄膜関連事業
当事業に係わる研究開発費は1億9千3百万円であります。
当社グループのプラスチック薄膜製造装置は、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルから噴出して冷却し、最大11層までの円筒状の積層フィルムを連続的に製造する世界最高レベルの技術を有しており、産業資材、食品包装、電子関係などの多くの分野で使用されています。
近年は、先進国だけでなくアジア諸国においても、耐候性と強度に優れた多層多機能フィルムの需要が伸びており、省エネルギーを訴求できる冷却システムや生産効率を向上させるプロセス制御など最新技術の開発により、顧客ニーズに対応しております。