有価証券報告書-第61期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 11:39
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当期のわが国経済は、金融及び財政政策などの経済対策を背景に、企業収益や雇用環境の改善傾向が続き、緩やか
な回復基調にあるものの、消費税率引上げに伴う個人消費の低迷や急激な円安による原材料価格の高騰等の景気回復
に対する懸念材料もあり、先行きは不透明な状況で推移しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理関連事業に係る国内公共投資や、水処理関連事業及び化
学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資は低水準で推移しましたが、廃棄物処理関連事業に係る国内公共投
資は老朽化施設の更新工事や改良工事などが見込まれ、回復してきております。また、震災復興関連予算の執行や放
射能除染・廃棄物処理関連需要が本格化していることに加え、平成24年7月に施行された再生可能エネルギーの固定
価格買取制度に伴い、バイオマス発電を含む関連需要も顕在化しております。
このような状況のもと、当社グループでは、平成32年度ビジョンで掲げた連結売上高1,200億円、連結経常利益80
億円の実現に向け、平成27年度を最終年度とする中期経営計画の基本方針「①業界でのレベル向上」、「②海外にお
ける成長機会の追求」、「③モノだけの価値から、サービスも含めた価値による事業形成への転換」、「④新規メニ
ュー、新規事業の創出」に沿って、諸施策を着実に実施してまいりました。
水処理関連事業及び廃棄物処理関連事業においては、当社グループ内の役割分担を見直し、メンテナンス事業を連
結子会社である神鋼環境メンテナンス株式会社から当社に事業移管し再編しました。市場ニーズを踏まえた提案力や
技術力の更なるステップアップを図り、メンテナンス事業の更なる強化、並びに、運転事業を含めたアフターサービ
ス分野の収益力向上に取り組むこととしました。化学・食品機械関連事業においては、製造技能や商品開発力の向上
をはじめとする「ものづくり力」の強化に引き続き注力してまいりました。
海外展開としましては、引き続き、ベトナム、欧州において事業活動を推進してまいりました。
ベトナムにおいては、設立5年目を迎えた現地法人が、ベトナム国内案件の受注による水処理メニューの領域拡大
やグラスライニング製機器製造工場の生産体制構築により、事業基盤の構築は着実に進展しております。欧州におい
ては、ガス化溶融炉等の先進技術を利用した発電が優遇される英国において、廃棄物発電案件への当社技術の提案活
動に取り組んでまいりました。
また、事業基盤の強化に向けたアフターサービス分野の拡大としまして、西秋川衛生組合(東京都)向け「西秋川
衛生組合ごみ処理施設整備・運営事業」、及び、芳賀地区広域行政事務組合(栃木県)向け「広域ごみ処理施設整
備・運営事業」において、各々、昨年4月より、20年間に亘る長期包括運営事業を開始し、順調に稼働しておりま
す。
新規メニュー、新規事業の創出につきましては、福井県大野市における木質バイオマスを原料とした6,000kW級
(一般家庭約1万世帯分に相当)の発電事業への進出を決定し、施設建設、原料の事前調達など、平成28年度の営業
運転開始に向け準備中であります。また、ユーグレナ(微細藻類)に関しては、当社技術研究所内に閉鎖型の1㎥培
養槽を設置し、従属栄養培養方式(生育に必要な炭素を有機化合物の形で生物に与える培養方法)による本格的な培
養を開始しました。これにより、ユーグレナ由来のバイオマス等のサンプルをキログラム単位で提供する体制が整っ
たため、食品・化粧品、化成品等の商品化検討を開始しました。
当期の連結業績につきましては、受注高は前期に比べ1,924百万円減(2.7%減)の69,931百万円(内、海外3,636
百万円、前期比158.2%増)、受注残高は前期に比べ1,797百万円増(3.8%増)の49,030百万円(内、海外3,534百万
円、前期比77.2%増)となりました。また、売上高はほぼ前期並みの68,133百万円(内、海外2,096百万円、前期比
32.6%減)、営業利益は前期に比べ373百万円増の3,022百万円、経常利益は前期に比べ397百万円増の3,004百万円と
なり、当期純利益は、前期に比べ339百万円増の1,656百万円となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(水処理関連事業)
受注高は前期に比べ3,228百万円増の35,145百万円、受注残高は前期に比べ2,385百万円増の16,956百万円となりま
した。
また、売上高は前期に比べ872百万円増の32,759百万円となり、経常利益は案件コストの改善効果等により、前期
から1,269百万円改善し356百万円となりました。
(廃棄物処理関連事業)
受注高は前期に比べ5,299百万円減の27,904百万円、受注残高は前期に比べ246百万円減の28,441百万円となりまし
た。
また、売上高は前期に比べ1,764百万円減の28,151百万円となりました。経常利益は売上高の減少や案件構成の変
化等の影響により、前期に比べ926百万円減の2,642百万円となりました。
(化学・食品機械関連事業)
受注高は前期に比べ146百万円増の6,884百万円、受注残高は前期に比べ341百万円減の3,632百万円となりました。
また、売上高は前期に比べ865百万円増の7,226百万円、経常利益は売上高の増加やコストダウン効果等により、前
期に比べ242百万円増の254百万円となりました。
(注)上記金額には消費税等を含んでおりません。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、短期借入金の減少、短期
貸付金の増加による支出要因はありましたが、売上債権の減少、仕入債務の増加等の収入要因があり、前連結会計年
度末に比べ571百万円増(59.7%増)の1,530百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの
状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、13,755百万円(前年同期は3,788百万円の支出)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益3,004百万円、売上債権の減少6,673百万円、仕入債務の増加3,335百万円によ
るものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、5,472百万円(前年同期は393百万円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出2,149百万円、短期貸付金の増加による支出3,130百万円によるものであ
ります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、7,934百万円(前年同期は4,160百万円の取得)となりました。
これは主に短期借入金の減少による支出6,912百万円、配当金の支払額725百万円によるものであります。