有価証券報告書-第102期(平成29年3月21日-平成30年2月28日)

【提出】
2018/05/30 10:12
【資料】
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【項目】
124項目

研究開発活動

当連結会計年度は、中期経営計画「Dash 25」3年間の2年目に当たり、グローカル開発体制によるスピーディな製品開発、および新規事業・新分野のコア事業化の実現に向けて研究開発を加速しております。
また、新製品の開発・市場投入を通じ主力事業の受注拡大を進めるとともに、新たな産業自動化革命の実現に向けた当社の新コンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を掲げて、次世代のものづくりの支援を目指した研究開発活動を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費は190億72百万円であり、各分野におけるその状況は、以下のとおりです。
[モーションコントロール分野]
IoT(Internet of Things)やAIを活用したものづくりに向け、フィールドネットワークではMECHATROLINK-4により、高度な制御・伝達効率の向上を可能に、また機器レベルでの高機能化に不可欠なセンサ情報とエンコーダ情報の同期送受信が可能な画期的な機能を追加したΣ-LINK Ⅱを開発しました。
サーボモータでは超小型ACサーボミニシリーズや中空型の拡充で多様なものづくりの形態に対応可能としました。インバータでは独自の制御技術により特別なハードウェアを追加することなく種々の課題解決を可能としました。
また、入間事業所内に建設中の、i3-Mechatronicsコンセプトを実証する最新の次世代工場「安川ソリューションファクトリー(仮称)」は、2018年度上期中の稼働開始を予定しております。
当分野の研究開発費は69億5百万円です。
[ロボット分野]
新型ロボットコントローラ YRC1000に対応した中大型可搬質量の新規29機種をリリース、ロボットのラインアップの充実を加速しています。YRC1000は2016年度にリリースされ、新たな制御方式により大幅な動作軌跡の改善を実現し、世界各地で異なる電圧へ対応すると同時に、標準機種で電源回生も可能な新型ロボットコントローラです。YRC1000に接続されるロボットのラインアップ拡大により多様な生産ライン構築への包括的なソリューションを提供します。
また、今後の製造形態の変化に対応すべく、業界最小・最軽量のロボットMotoMINI、人協働ロボットの製品化や動作域を大きく広げ多用途に対応可能なロングリーチアームのロボットなど製品シリーズの拡大を図りました。
当分野の研究開発費は44億87百万円です。
[システムエンジニアリング分野]
環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、大型風力・太陽光発電関連機器の開発など、Clean Powerのコア事業化を進めました。
当分野の研究開発費は22億86百万円です。
[その他分野]
拡大するレーザ加工分野に適用される、高速、高自由の制御が可能なガルバノスキャナ製品において、作業時間の革新的な短縮を目的に位置センサ等の他機器との同期が可能な制御機能を開発しました。
当分野の研究開発費は2億44百万円です。
[研究開発分野]
新長期計画「2025年ビジョン」の実現に向け、本2017年度は当社の新ソリューションコンセプトi3-Mechatronicsに基づく研究開発へと集約した取り組みを開始しました。また、IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるためのオープンイノベーションはさらに強化して進めています。
当分野の研究開発費は51億48百万円です。