有価証券報告書-第110期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/20 13:46
【資料】
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【項目】
116項目

研究開発活動

当社では企業理念に基づき、ステークホルダーの「安全と安心」「環境保全」のために力を尽くす事を研究開発活動の主要方針とし、環境負荷低減に繋がる高信頼性の新製品・新技術開発を推進しております。
軽量化自動車部品の開発においては、近年特に欧州の自動車メーカーを中心にフューエルインジェクションレール、燃料配管やフィラーパイプ、その他パワートレイン系・燃料系部品の樹脂化が加速しており、最新の技術動向を掴む為にドイツの樹脂成型メーカー ガイガー オートモーティブ GmbHを2013年10月に買収し、欧州に樹脂製品の営業・開発拠点を設立しました。欧州、日本の2つの軸を持ち技術開発のベースを世界に広げる事により、最新の技術を逸早く取り込み各国の市場に最適技術を展開する事が可能となりました。また、現行の鉄製品を、機能を損なう事なくより軽量な樹脂やアルミニウムなどの材料に置き換える為に、強度や振動、流体の挙動のコンピューター・シミュレーションの実施、各種評価・計測機器を拡充し、解析能力の強化にも注力しております。
省エネルギー新工法開発においては包括的なLCAの観点から生産工程におけるエネルギー使用量の大幅な削減を目指し、高効率・高信頼性・低コストな金属接合技術、より簡素で工数の少ない金属加工技術や樹脂成形技術を研究し製造ラインに取り入れております。
高付加価値の新製品開発に関しては、世界の自動車産業の傾向として、エンジンのダウンサイジングと燃焼効率の向上、HEV/EV/PHEV/FCV の車種と生産数量の増加、プラットフォーム・アーキテクチャーの標準化と部品共通化が推進されており、また各国市場で進む環境規制に対応するためにも、当社では直噴エンジン用の高圧フューエルインジェクションレール、ディーゼルエンジン用超高圧燃料噴射管、インバーターやバッテリー周辺の熱交換製品、燃料配管の樹脂化、そしてエンジン冷却システム、EGRシステム等の複合部品の開発・量産を推進しました。また、自動車の電動化の加速を見越して、次世代二次電池を初めとするパワー・マネジメント製品の開発に一層注力するとともに、新たに自動運転対応技術、エネルギー回生技術の開発にも着手しています。
これらの研究開発活動を加速させるために人財と開発体制の強化を進めています。国内外の産学連携活動は3年前と比較して5倍に増加し、さらなる拡大を続け世界各国での先進技術・先端開発情報を逸早く拾い上げ研究に反映させる体制を敷いています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は15億95百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
セグメントの名称研究開発費(百万円)
日本1,595
1,595