訂正有価証券届出書(参照方式)

【提出】
2016/06/24 16:49
【資料】
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届出の対象とした募集(売出)金額、表紙

普通株式 その他の者に対する割当 288,811,661,336円
C種種類株式 その他の者に対する割当 99,999,996,800円

新規発行株式


種類発行数内容
普通株式3,281,950,697株完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。
なお、単元株式数は1,000株となっております。
C種種類株式11,363,636株(注)3に記載のとおりです。

(注) 1 平成28年2月25日(木)開催の当社取締役会(以下、「平成28年2月25日取締役会」という。)及び平成28年3月30日(水)開催の当社取締役会(以下、「平成28年3月30日取締役会」という。)において、平成28年6月23日(木)開催の当社第122期定時株主総会(以下、「本定時株主総会」という。)並びに同日開催の普通株主による種類株主総会、A種種類株主による種類株主総会及びB種種類株主による種類株主総会(以下、「本種類株主総会」という。)において普通株式及びC種種類株式の発行に係る議案並びに普通株式及びC種種類株式の発行に伴い必要となる定款の一部変更に係る議案について承認(特別決議)が得られることを条件として、本有価証券届出書に係る第三者割当(以下、「本第三者割当増資」という。)を決議しております。
2 当社は、普通株式と異なる種類の株式として、A種種類株式及びB種種類株式についての定めを定款に定めております。普通株式の単元株式数は1,000株としていますが、A種種類株式及びB種種類株式については、普通株式と各種種類株式の発行価額の差異等を勘案して、各種種類株式の単元株式数は1株としています。
A種種類株式及びB種種類株式については、当社が剰余金の配当を行うときは、各種種類株式を有する種類株主に対し、普通株主に先立ち、優先配当金を支払うこととされています。また、当社が残余財産を分配するときは、各種種類株式を有する種類株主に対し、普通株主に先立ち、一定の金銭を支払うこととされています。なお、剰余金の配当及び残余財産の分配については、B種種類株式はA種種類株式に優先します。
また、A種種類株式及びB種種類株式には、各種種類株式を有する種類株主が、各種種類株式と引換えに普通株式の交付を当社に請求することができる取得請求権が、A種種類株式には、当該種類株式を有する種類株主が、当該種類株式と引換えに金銭の交付を当社に請求することができる取得請求権がそれぞれ付されています。A種種類株式及びB種種類株式には、当社が、金銭と引換えに各種種類株式を取得することができる取得条項が付されています。
A種種類株式及びB種種類株式について、各種種類株式を有する種類株主は、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会において議決権を有しません。これは、普通株式との関係でA種種類株式及びB種種類株式は剰余金の配当や残余財産の分配について優先権を持つ代わりに既存株主への影響を考慮して、議決権がない内容としたことによるものです。
A種種類株式及びB種種類株式について、各種種類株式を譲渡により取得するには、当社の取締役会の承認を受けなければならないとしています。
また、A種種類株式及びB種種類株式には、会社法第322条第2項に規定する定款の定めはありません。
3 C種種類株式の内容は、以下のとおりです。
(1) 剰余金の配当
当社は、ある事業年度に属する日を基準日として剰余金の配当をするときは、当該剰余金の配当の基準日(以下、「配当基準日」という。)の最終の株主名簿に記載又は記録されたC種種類株式を有する株主(以下、「C種種類株主」という。)又はC種種類株式の登録株式質権者(C種種類株主と併せて以下、「C種種類株主等」という。)に対し、当該配当基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された普通株式を有する株主(以下、「普通株主」という。)又は普通株式の登録株式質権者(普通株主と併せて以下、「普通株主等」という。)と同順位で、C種種類株式1株につき、普通株式1株当たりの配当金に下記(4)②に定める取得比率を乗じた額の金銭による剰余金の配当(かかる配当によりC種種類株式1株当たりに支払われる金銭を、以下、「C種種類配当金」という。)を行う。なお、C種種類配当金に各C種種類株主等が権利を有するC種種類株式の数を乗じた金額に1円未満の端数が生じるときは、当該端数は切り捨てる。
(2) 残余財産の分配
当社は、残余財産を分配するときは、C種種類株主等に対し、普通株主等と同順位で、C種種類株式1株当たりにつき、普通株式1株当たりの残余財産の分配額に下記(4)②に定める取得比率を乗じた額の金銭による残余財産の分配(かかる分配によりC種種類株式1株当たりに支払われる金銭を、以下、「C種残余財産分配金」という。)を行う。なお、C種残余財産分配金に各C種種類株主等が権利を有するC種種類株式の数を乗じた金額に1円未満の端数が生じるときは、当該端数は切り捨てる。
(3) 議決権
C種種類株主は、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会及びC種種類株主を構成員とする種類株主総会において、議決権を有しない。
(4) 普通株式を対価とする取得条項
① 当社は、平成29年7月1日以降、当社の取締役会が別に定める日が到来することをもって、法令の許容する範囲内において、C種種類株式1株当たりにつき、下記②に定める取得比率を乗じた数の普通株式を交付するのと引換えに、C種種類株式の全部又は一部を取得することができる。なお、C種種類株式の一部を取得するときは、比例按分その他当社の取締役会が定める合理的な方法により、取得すべきC種種類株式を決定する。
② C種種類株式の取得比率は100とする。
(5) 株式の併合又は分割、株式無償割当て等
① 当社は、株式の併合又は株式の分割をするときは、C種種類株式につき、普通株式と同時に同一の割合でこれを行う。
② 当社は、株式無償割当て又は新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。以下同じ。)無償割当てを行うときは、C種種類株主に対し、C種種類株式の株式無償割当て又はC種種類株式を目的とする新株予約権無償割当てを、普通株主に対して行う普通株式の株式無償割当て又は普通株式を目的とする新株予約権無償割当てと、それぞれ同時に同一の割合(新株予約権における行使の目的たる株式数を同一にすることを含む。)で行う。
③ 当社は、株主に株式の割当てを受ける権利を与えて行う募集株式の発行(自己株式の処分を含む。以下同じ。)又は株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて行う募集新株予約権の発行(自己新株予約権の処分を含む。以下同じ。)を行うときは、C種種類株主に対し、C種種類株式又はC種種類株式を目的とする新株予約権の割当てを受ける権利を、普通株主に対して与える普通株式又は普通株式を目的とする新株予約権の割当てを受ける権利と、それぞれ同時に同一の割合(新株予約権における行使の目的たる株式数を同一にすることを含む。)で、実質的に公平な払込金額又は新株予約権の行使に際して出資される財産の価額により与える。
④ 前各号に定める場合を除き、当社は、C種種類株式について株式の分割若しくは併合又は株式無償割当て若しくは新株予約権無償割当てを行わず、また、C種種類株主に募集株式の割当てを受ける権利又は募集新株予約権の割当てを受ける権利を与えない。
(6) 譲渡制限
C種種類株式を譲渡により取得するには、当社の取締役会の承認を受けなければならない。
4 振替機関の名称及び住所
名称:株式会社証券保管振替機構
住所:東京都中央区日本橋茅場町二丁目1番1号

募集の方法

(1) 【募集の方法】
a. 普通株式
区分発行数発行価額の総額(円)資本組入額の総額(円)
株主割当---
その他の者に対する割当3,281,950,697株288,811,661,336144,405,830,668
一般募集---
計(総発行株式)3,281,950,697株288,811,661,336144,405,830,668

(注) 1 第三者割当の方法によります。
2 発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上の増加する資本金の額の総額であります。また、増加する資本準備金の額は、144,405,830,668円であります。
b. C種種類株式
区分発行数発行価額の総額(円)資本組入額の総額(円)
株主割当---
その他の者に対する割当11,363,636株99,999,996,80049,999,998,400
一般募集---
計(総発行株式)11,363,636株99,999,996,80049,999,998,400

(注) 1 第三者割当の方法によります。
2 発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上の増加する資本金の額の総額であります。また、増加する資本準備金の額は、49,999,998,400円であります。

募集の条件、株式募集

(2) 【募集の条件】
a. 普通株式
発行価格
(円)
資本組入額
(円)
申込株
数単位
申込期間申込証拠金
(円)
払込期日
88441株平成28年6月28日(火)から
平成28年10月5日(水)まで
-平成28年6月28日(火)から
平成28年10月5日(水)まで

(注) 1 第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。
2 発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。
3 申込みの方法は、総数引受契約を締結し、払込期日に後記払込取扱場所へ発行価格(会社法上の払込金額)の総額を払込むものとします。
4 払込期日までに、普通株式の割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、本第三者割当増資は行われないこととなります。
5 本第三者割当増資の払込は、関連する競争当局の許認可等を得ることを条件としております。
6 本第三者割当増資に関しては、平成28年6月28日(火)から平成28年10月5日(水)までを会社法上の払込期間として決議しており、当該払込期間を払込期日として記載しております。この期間を払込期間とした理由は、上記(注)5に記載のとおり、関連する競争当局の許認可等を得ることを払込の条件としており、当該許認可等が得られるまでは割当予定先は払込みを行うことができず、また、本有価証券届出書提出日時点では当該許認可等が得られる時期が確定できないためです。
なお、本第三者割当増資に係る総数引受契約及び払込については、有価証券届出書の効力発生日以降となりますが、有価証券届出書の効力発生日は平成28年6月29日以降となる見込みです。
7 本割当予定先(下記「第3 〔第三者割当の場合の特記事項〕 1 〔割当予定先の状況〕 e. 株券等の保有方針」で定義します。)は、本第三者割当増資の実行の確実性を高めるため、締結する予定の株式引受契約において、1,000億円のデポジットを提供すること及び本割当予定先が引受額を支払う義務を履行しなかった場合等には当社が当該デポジットを予定損害賠償額として没収することができることを合意する予定ですが、当該デポジットが予定損害賠償額として没収されなかった場合には本第三者割当増資の払込金に充当されることがあります。
b. C種種類株式
発行価格
(円)
資本組入額
(円)
申込株
数単位
申込期間申込証拠金
(円)
払込期日
8,8004,4001株平成28年6月28日(火)から
平成28年10月5日(水)まで
-平成28年6月28日(火)から
平成28年10月5日(水)まで

(注) 1 第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。
2 発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。
3 申込みの方法は、総数引受契約を締結し、払込期日に後記払込取扱場所へ発行価格(会社法上の払込金額)の総額を払込むものとします。
4 払込期日までに、C種種類株式の割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、本第三者割当増資は行われないこととなります。
5 本第三者割当増資の払込は、関連する競争当局の許認可等を得ることを条件としております。
6 本第三者割当増資に関しては、平成28年6月28日(火)から平成28年10月5日(水)までを会社法上の払込期間として決議しており、当該払込期間を払込期日として記載しております。この期間を払込期間とした理由は、上記(注)5に記載のとおり、関連する競争当局の許認可等を得ることを払込の条件としており、当該許認可等が得られるまでは割当予定先は払込みを行うことができず、また、本有価証券届出書提出日時点では当該許認可等が得られる時期が確定できないためです。
7 本割当予定先は、本第三者割当増資の実行の確実性を高めるため、締結する予定の株式引受契約において、1,000億円のデポジットを提供すること及び本割当予定先が引受額を支払う義務を履行しなかった場合等には当社が当該デポジットを予定損害賠償額として没収することができることを合意する予定ですが、当該デポジットが予定損害賠償額として没収されなかった場合には本第三者割当増資の払込金に充当されることがあります。

申込取扱場所

(3) 【申込取扱場所】
店名所在地
シャープ株式会社大阪市阿倍野区長池町22番22号

払込取扱場所

(4) 【払込取扱場所】
店名所在地
株式会社みずほ銀行 大阪法人支店大阪市中央区今橋四丁目2番1号
株式会社三菱東京UFJ銀行 大阪営業部大阪市北区堂島浜1丁目1番5号

新規発行による手取金の額

(1) 【新規発行による手取金の額】
本第三者割当増資に係る手取金の額は下記のとおりとなっております。
払込金額の総額(円)発行諸費用の概算額(円)差引手取概算額(円)
普通株式 288,811,661,3364,284,315,495284,527,345,841
C種種類株式 99,999,996,800-99,999,996,800

(注) 1 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
2 発行諸費用の概算額の内訳は、登記費用(約1,362百万円)、弁護士及び財務アドバイザー費用(約2,651百万円)及びその他(約271百万円)です。発行諸費用の概算額は普通株式及びC種種類株式に係る諸費用の合計額です。

手取金の使途

(2) 【手取金の使途】
上記差引手取概算額384,527,342,641円(内訳:普通株式284,527,345,841円、C種種類株式99,999,996,800円)の具体的な使途については、次のとおり予定しております。
なお、以下の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金等で保管する予定です。
具体的な使途金 額(百万円)支出予定時期
OLED事業化に向けた技術開発投資、量産設備投資等200,000平成28年7月
~平成31年6月
ディスプレイデバイスカンパニーにおける中型液晶領域を中心とした高精細化・歩留り改善投資、次世代技術開発投資、その他増産・合理化投資等60,000平成28年7月
~平成30年9月
コンシューマーエレクトロニクスカンパニーにおける、IoT分野の業容拡大等ビジネスモデルの変革に向けた研究開発・金型投資、新興国向け事業拡大に向けた研究開発・金型投資、その他増産・合理化投資等40,000平成28年7月
~平成30年9月
エネルギーソリューションカンパニーにおける、既存事業からの業態転換に向けたソリューション分野での研究開発・販路開拓投資等8,000平成28年7月
~平成30年9月
電子デバイスカンパニーにおける、車載・産業・IoT分野を中心とした成長分野への研究開発投資、販路開拓投資、その他増産・合理化投資等10,000平成28年7月
~平成30年9月
ビジネスソリューションカンパニーにおける、既存MFP事業の販路開拓投資、ロボティクス、ソリューション事業等の成長分野における研究開発投資、その他増産・合理化投資等40,000平成28年7月
~平成30年9月
日本・アジア・中国を中心とした重点地域におけるブランド価値の向上のための宣伝投資等一般経費、新規事業分野の拡大に向けた要素技術開発・基礎研究投資等一般経費26,527平成28年7月
~平成31年6月

当社は、下記「第3 〔第三者割当の場合の特記事項〕1 〔割当予定先の状況〕c 割当予定先の選定理由」に記載のとおり成長投資を抑制せざるを得ない状況にありましたが、本第三者割当増資により、手取金を当社の各事業の成長に向けた設備投資等及び当社のブランド価値向上・新規事業分野拡大のための経費(運転資金)に充当いたします。
上記①から⑥は当社の各事業の成長に向けた設備投資等であり、合計で358,000百万円を充当します。上記⑦は当社のブランド価値向上・新規事業分野拡大のための運転資金であり、26,527百万円を充当します。なお、平成28年2月25日提出の有価証券届出書の開示内容と比較して、上記②から⑦の投資対象につき手取金を充当する額及び期間を短縮するとともに、社債の返還については手取金を用いないこととして削除する旨の変更を行っております。
手取金の使途は、具体的に以下のとおりです。
A 当社の各事業の成長に向けた設備投資等
a ディスプレイデバイスカンパニー(ディスプレイデバイス事業)
OLED(Organic Light-Emitting Diode)分野は、バックライトのある液晶ディスプレイに比べて薄く、輝度が高く、色彩が鮮やかなディスプレイを作ることができることから、液晶ディスプレイに続いて、今後、スマートフォン、車載向けディスプレイ、薄型テレビ向けの先端ディスプレイとして期待される分野です。OLEDを用いたディスプレイは既に競合他社が携帯電話向けに量産しており、今後は液晶ディスプレイに代わり、ディスプレイ製品におけるシェア拡大が見込まれています。具体的にはOLEDの市場規模は平成32年までに439億ドル1(2014年対比年平均成長率16%)まで拡大する見通しです。
1 MarketsANDMarketsレポート “OLED Market by Display Application (Type - AMOLED & PMOLED, Panel-Size - Small, Medium & Large, Product - Smartphones & Others, Geography), Lighting Application (Type - Traditional & Flexible, End-User, Geography), & Geography - Global Forecast to 2020”(2015年4月)
世界の主要なスマートフォンメーカーは、平成30年までに現在主に使われている液晶ディスプレイの代わりにこのOLEDディスプレイを使用した製品の投入を計画しており、このトレンドがディスプレイ市場を変革すると見ております。当社は既に液晶ディスプレイ向けに活用している独自のIGZO技術と高精細を実現するLTPS(Low Temperature Poly Silicon 低温ポリシリコン)技術を有しております。携帯電話向けの小型ディスプレイにおいてはIGZO技術とLTPS技術を組み合わせて活用することで、今までのOLEDディスプレイでは実現できなかったさらなる低消費電力を低コストで実現することが可能になります。また、中大型ディスプレイにおいても、IGZO技術を活用したOLEDディスプレイはアモルファスシリコンを用いた液晶ディスプレイに比べて低消費電力であり、性能面で優位性があることから市場拡大が見込まれます。当社は長年培ってきた液晶ディスプレイ技術を最大限に活用し、世界の主要なOLEDディスプレイサプライヤーとなることを目指しております。
今後、OLEDディスプレイ市場は急速な拡大が見込まれ、また当社が強みを持つ液晶ディスプレイも長期にわたって共存するものと考えております。今後は高価格帯のスマートフォンやタブレットを中心に紙のように丸めたり、折り曲げたりすることのできるフレキシブルOLEDディスプレイが普及する一方で、低~中価格帯の携帯電話市場においては引き続き液晶ディスプレイが使用されると考えております。
上記①「OLED事業化に向けた技術開発投資、量産設備投資等」により、平成29年中ごろまでを目標に有機ELディスプレイの試作ラインの立ち上げのために必要となる技術開発、量産設備の取得等を行います。これにより、量産技術確立を図り、平成30年初頭にも量産開始できるよう取り組みを進めて参ります。投資金額や生産能力は今後の設計次第ではありますが、具体的には以下のとおり想定しております。
OLED量産に向けて、研究開発ライン、パイロットライン及び量産ラインを新たに亀山工場内に立ち上げます。これらのラインでは現在他社が量産しているOLEDのみならずフレキシブルOLEDの生産を目指します。各ラインの投資額はそれぞれ280億円、480億円、1,240億円を見込んでおります。また、各年の投資額内訳として、平成28年に50億円、平成29年に750億円、平成30年に1,000億円、平成31年に200億円を見込んでおります。こうした投資を通じて平成31年までに月産5.5インチパネル(縦68.5ミリメートル×横121.5ミリメートル)約1,000万枚相当の生産能力実現を目指します。この結果、年間5.5インチパネル約9,000万枚相当のスマートフォン向けOLEDディスプレイを生産し、年間2,600億円の売上高を目標として参ります。
研究開発ラインは研究開発段階の製品の生産方法や製造装置を検証し、改善することを目的として立ち上げます。生産技術を開発する中で、必要に応じて研究開発にフィードバックすることでより良い製品、最適な生産技術の確立に取り組みます。研究開発ラインではFMM(Fine Metal Mask:有機薄膜を蒸着する際に薄膜と同一パターンに整列させる金属マスク)及びFHM(Fine Hybrid Mask:有機薄膜を蒸着する際に薄膜と同一パターンに整列させる金属及び樹脂フィルムの混合物を用いたマスク)蒸着技術を用いた第4.5世代ガラス基板(縦730ミリメートル×横920ミリメートル)を用い、月産5.5インチパネル約65万枚相当の生産能力を目指します。具体的にはポリイミド基板製造装置、マスク蒸着装置、有機薄膜蒸着装置、カプセル化装置等の製造装置や各プロセスにおける検査装置及び洗浄装置等に200億円、製造設備を設置するクリーンルームの導入に80億円を充当し、平成29年前半にラインの立ち上げを開始し、平成29年後半を目途に本格的な生産開始を予定しております。
パイロットラインは本格的な量産に向けた生産ノウハウの蓄積や歩留り向上等の生産技術開発を目的として立ち上げます。また、パイロットラインにおいては小規模な生産を実施し、実際に顧客へ製品を出荷いたします。パイロットラインではFMM及びFHM蒸着技術を用いた第6世代ガラス基板(縦1,500ミリメートル×横1,850ミリメートル、ハーフサイズを使用)を用い、月産5.5インチパネル約230万枚相当の生産能力を目指します。具体的にはポリイミド基板製造装置、マスク蒸着装置、有機薄膜蒸着装置、カプセル化装置等の製造装置や各プロセスにおける検査装置及び洗浄装置等に360億円、製造設備を設置するクリーンルームの導入に120億円を充当し、平成29年後半にラインの立ち上げを開始し、平成30年前半を目途に本格的な生産開始を予定しております。
量産ラインはパイロットラインと併せて、本格的な需要増に対応するための量産を実施する事を目的として立ち上げます。具体的には、パイロットラインと同様のラインを3ライン増設します。パイロットラインで蓄積した生産ノウハウや歩留り向上技術を移植することで、生産開始初期から高い生産効率の実現を目指します。量産ラインではパイロットラインと同様にFMM及びFHM蒸着技術を用いた第6世代ガラス基板(ハーフサイズを使用)を用い、月産5.5インチパネル約690万枚相当の生産能力を目指します。具体的にはポリイミド基板製造装置、マスク蒸着装置、有機薄膜蒸着装置、カプセル化装置等の製造装置や各プロセスにおける検査装置及び洗浄装置等に1,060億円、製造設備を設置するクリーンルームの導入に180億円を充当し、平成30年後半にラインの立ち上げを開始し、平成31年前半を目途に本格的な量産開始を予定しております。
また、液晶ディスプレイ分野においては、スマートフォン用液晶パネル市場の需給バランス悪化・売価下落を受け、当社はPC・タブレット等の中型液晶領域における市場獲得を目指しており、液晶ディスプレイ分野での収益安定、コスト競争力強化を進めています。
上記②「ディスプレイデバイスカンパニーにおける中型液晶領域を中心とした高精細化・歩留り改善投資、次世代技術開発投資、その他増産・合理化投資等」により、これらの中型液晶領域において、主として高精細の製品開発・増産のための技術開発投資・設備投資、歩留りの改善(不良品率の低下)のための技術開発投資・設備投資を行います。
具体的には、亀山工場における高精細中型液晶生産能力の増強に向けたカラーフィルター工程装置の増強その他プロセス装置の改造、三重工場における新規プロセス導入に向けたスパッタ装置の改造等、更には中国工場における後半工程効率化投資等を企図しており、300億円の充当を予定しています。また、表示領域に合わせた自由な設計が可能なFFD(フリーフォームディスプレイ)を中心とした高付加価値アプリの創出に向けた技術開発投資や量産化に向けた後半実装工程設備の導入、高精細モデル向けを中心としたフォトマスク投資についても積極的に行う方針であり、その他の合理化・更新投資等も含め300億円の充当を予定しています。
上記はいずれも現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資であり、本第三者割当増資の実行後すみやかに支出を開始する予定です。これら投資の実行により、商品力・コスト競争力の強化を図り、より高収益な事業ポートフォリオへのシフトを実現して参ります。
b コンシューマーエレクトロニクスカンパニー(コンシューマーエレクトロニクス事業)
コンシューマーエレクトロニクスカンパニーは、当社の液晶テレビを中心とするデジタル情報家電事業、スマートフォン等携帯電話を中心とする通信システム事業、当社独自のプラズマクラスターイオン技術搭載商品を中心とする健康・環境システム事業からなるコンシューマー向け事業を統合したものであり、当社の持つ幅広い技術を活用して、新しい商品・事業の創出に取り組んでいます。特に、本格的なIoT(Internet of Things)時代を迎え、さまざまなモノがインターネットにつながり、利用され、利便性が高まっていくことが期待されており、このような製品について新たな市場成長が見込まれています。当社はハードウェアだけでなく、クラウドサービスをセットで提供することにより、付加価値と利便性の高い「人と家電の新たなつながり」を提案することを目標としています。
上記③「コンシューマーエレクトロニクスカンパニーにおける、IoT分野の業容拡大等ビジネスモデルの変革に向けた研究開発・金型投資、新興国向け事業拡大に向けた研究開発・金型投資、その他増産・合理化投資等」は、このようなIoT製品の研究開発、製造に必要となる金型等の開発・作成のための投資、主として新興国における事業拡大に向けた商品ラインナップの拡充等の投資に用います。
具体的には、人工知能(AI)とモノのインターネット化(IoT)を組み合わせた「AIoT」機能を搭載したコミュニケーションロボット、液晶テレビ、調理家電等における新規商品創出に向けた研究開発投資・金型投資支出への充当(100億円)や、白物家電を中心とした新興国向けローカルフィット商品ラインナップ強化・拡充に向けた金型投資支出への充当(100億円)、更には安定的な収益体質を確保するための国内、中国、アジア各工場における既存設備の合理化・更新投資支出等への充当(200億円)を行い、今後長期にわたって当社の主力事業として安定的な収益を生み出す事業体への変革を図って参ります。
上記はいずれも現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長・合理化投資であり、本第三者割当増資の実行後すみやかに支出を開始する予定です。
c エネルギーソリューションカンパニー(エネルギーソリューション事業)
エネルギーソリューションカンパニーは、現在、「地域のニーズに合わせたソリューション事業への転換」に向けた取り組みを加速させております。国内におきましては、産業用ソーラー発電事業が低迷するなど環境変化に伴い、太陽電池パネル事業から、これらの技術を活かしてエネルギーの利用に関する諸問題を解決するソリューション事業への転換を進めております。具体的には、国内では、ソーラーエネルギーと蓄電池をベースとして、HEMS(Home Energy Management System。家庭におけるエネルギーの生産・消費を効率的に行うためのシステム)や省エネ家電・エコキュート等の製品をクラウドと連携させたサービスの提案や、EPC(Engineering Procurement and Construction:太陽光発電所の設計、機器調達及び発電所の建設を一括して行う事業)、更には福島復興地域を中心としたIPP(独立発電事業)の積極的な開発を進めております。また、海外では地域のニーズに応じたソリューション事業を推進しており、アジアでは、ディーゼル発電機と太陽光発電システムを組み合わせることにより、ディーゼル燃料の消費量を削減するシステムである「PVディーゼルハイブリッド」システム、米国ではピーク時の電力消費を減らして電気料金抑制を図る「ピークカットシステム」、欧州では太陽光発電と同時に太陽電池モジュールの裏に蓄積した熱を利用する一方で発電効率向上を実現する「PVサーマルシステム」の展開を強化しております。
上記④「エネルギーソリューションカンパニーにおける、既存事業からの業態転換に向けたソリューション分野での研究開発・販路開拓投資等」は、これらのソリューション事業の強化を図るために研究開発投資、販路拡大のための投資に用います。
具体的には、福島復興地域におけるIPP案件を中心とした投資支出等への充当(40億円)、住宅用エネルギーソリューション事業の強化に向けたHEMS開発用ソフトウェア投資支出等への充当(40億円)を想定しておりますが、これらによりPVモジュール販売を中心とした既存事業からエネルギーソリューションを核とした新たな事業体への変革を進めて参ります。
上記はいずれも現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資であり、本第三者割当増資の実行後すみやかに支出を開始する予定です。
d 電子デバイスカンパニー(電子デバイス事業)
電子デバイスカンパニーでは、これまでのデバイス・モジュールの製造事業から、その事業から培った製造技術を活かしたソリューション事業への進化を目標に、事業転換を進めております。例えば、これまでスマートフォン向けカメラ部品事業において培ったカスタマイズ能力と当社独自のセンシング技術を核とし、車載・産業・IoTなどの付加価値の高い成長分野において当社の製品・技術等を用いて課題解決を図るソリューション事業の拡大を目指し、取り組みを進めております。
上記⑤「電子デバイスカンパニーにおける、車載・産業・IoT分野を中心とした成長分野への研究開発投資、販路開拓投資、その他増産・合理化投資等」は、このようなソリューション事業の強化を図るための研究開発投資、販路拡大のための投資、生産設備等の合理化等のための投資に用います。
具体的には、スマートフォン向け・車載向けカメラモジュールなど新規事業分野等における新製品創出に向けた開発投資・金型支出への充当(60億円)、カラー暗視カメラ(暗闇の環境下でカラー撮影が可能な監視用赤外線カメラ)など独自特長技術を搭載したデバイス製品群における開発投資、金型投資、量産設備の導入にかかる支出への充当(25億円)、更には福山工場、インドネシア工場における生産効率の改善に向けた既存設備の合理化・更新投資支出への充当(15億円)を想定しております。
上記はいずれも現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長・合理化投資であり、本第三者割当増資の実行後すみやかに支出を開始する予定です。
e ビジネスソリューションカンパニー(ビジネスソリューション事業)
ビジネスソリューションカンパニーにおいては、当社が有する既存商品・顧客基盤の活用と積極的な投資拡大によって、これらの技術・製品を用いて課題を解決するソリューション事業をグローバルに展開していくことに向けて、MFP(デジタル複合機)商品、ディスプレイ商品を核としたソリューション提案の強化を図っております。また、ペーパーレスへの移行という環境変化により、MFP事業の市場の成熟化が想定されるなか、今後、市場拡大が見込まれるロボティクス事業等、新規事業の育成も課題となっております。
上記⑥「ビジネスソリューションカンパニーにおける、既存MFP事業の販路開拓投資、ロボティクス、ソリューション事業等の成長分野における研究開発投資、その他増産・合理化投資等」については、このような事業課題の解決に向けて、研究開発投資や生産設備等の合理化等のための設備投資等に用います。
具体的には、北米・欧州における収益基盤の拡大・安定化に向けたMFP販路拡大投資支出への充当(200億円)、ロボティクス・電子看板用ディスプレイを核としたソリューション事業における新規商品創出に向けた開発用ソフトウェア投資・金型支出への充当(80億円)、更には国内・中国など既存工場における生産効率の改善に向けた生産ラインの自動化/省人化設備等の合理化・更新投資への充当(120億円)も想定しております。
上記はいずれも現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資であり、本第三者割当増資の実行後すみやかに支出を開始する予定です。
B 日本・アジア・中国を中心とした重点地域におけるブランド価値の向上のための宣伝投資等一般経費、新規事業分野の拡大に向けた要素技術開発・基礎研究投資等一般経費
当社は昨年5月に発表した中期経営計画において、これから10年、100年に渡って、「世の中になくてはならない会社」であり続けることを目指し、今後の当社の目指す方向性として「人に寄り添い、新しい価値を提供し続ける企業」を表明し、独創的な特長商品やサービスの創出に努めております。
今後、これらの取り組みにより創出される商品の訴求力を活かし、日本・アジア・中国を中心として宣伝広告等を進めることによって当社ブランド価値の増大を図っていくべく取り組みを進めて参ります。また、これらのためには既存事業のみならず、新たな商品・サービスを開発し続けることが肝要であり、そのための基礎研究を進めていく必要があります。
上記⑦については、上記①から⑥の取り組みを進めるための宣伝費用及び研究開発費用支出への充当を想定しております。
具体的には、国内・海外における更なるブランド価値の向上に向けた各種媒体を活用した宣伝広告費用への充当(180億円)、将来における新規事業創出に向けた中央研究所機能における研究材料費及びより専門的な知見からの研究・検証を外部に委託するための業務委託費用への充当(80億円)を想定しております。上記⑦については、上記①から⑥の取り組みに伴うものであり、上記①から⑥の進捗に応じて平成31年6月までに順次支出する予定です。

割当予定先の状況

1 【割当予定先の状況】
割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係は、平成27年12月31日現在におけるものであります。
a. 割当予定先の概要名称鴻海精密工業股份有限公司
本店の所在地66 Chung-Shan Road, Tu-Cheng Industrial Area, New Taipei City, Taiwan, R.O.C.
国内の主たる事務所の責任者及び連絡先フォックスコン・ジャパン株式会社
高山 俊明
(045)471―5811
代表者の役職及び氏名董事長 テリー・ゴウ(郭台銘)
資本金156,382,882,280台湾ドル
(1台湾ドルを平成27年12月30日の終値3.66円にて換算した金額は、572,361百万円)
事業内容コネクター、ケース、サーマルモジュール、通信機器、光学デバイス、電源の製造、販売、補修及びIT関連機器、通信機器、車載部品、精密機器、車載及び各種民生機器の組立て等
主たる出資者及び出資比率テリー・ゴウ 12.62%
b. 提出者と割当予定先との間の関係出資関係当社が保有している割当予定先の株式の数該当事項はありません。
割当予定先が保有している当社の株式の数該当事項はありません。
人事関係該当事項はありません。
資金関係該当事項はありません。
技術関係当社は割当予定先のグループ会社であるイノラックス・コーポレーションとの間で、液晶表示装置に関する特許実施権の許諾に関する取引関係があります。
取引関係当社は割当予定先との間で液晶テレビ等当社製品の製造委託、及び割当予定先への当社デバイスの供給等に関する取引関係があります。


a. 割当予定先の概要名称Foxconn (Far East) Limited
本店の所在地Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands
国内の主たる事務所の責任者及び連絡先該当事項はありません。
代表者の役職及び氏名Directors
Yu Huang, Chiu-Lian、Lee Jin-Ming
資本金4,935,062,715 USドル(平成27年9月30日現在)
(1USドルを平成27年9月30日の終値119.97円にて換算した金額は、592,059百万円)
事業内容持株会社
主たる出資者及び出資比率鴻海精密工業股份有限公司 100.00%
b. 提出者と割当予定先との間の関係出資関係当社が保有している割当予定先の株式の数該当事項はありません。
割当予定先が保有している当社の株式の数該当事項はありません。
人事関係該当事項はありません。
資金関係該当事項はありません。
技術関係該当事項はありません。
取引関係該当事項はありません。


a. 割当予定先の概要名称Foxconn Technology Pte. Ltd.
本店の所在地79 Anson Road # 07-03 Singapore (079906)
国内の主たる事務所の責任者及び連絡先該当事項はありません。
代表者の役職及び氏名Directors
Chang, Chun-Jung、Lee, Han-Ming、Lee, Huey
Fong
資本金130,000,000USドル
(1USドルを平成27年12月30日の終値120.54円にて換算した金額は、15,670百万円)
事業内容マグネシウム合金パーツ及びサーマルモジュールの販売
主たる出資者及び出資比率Q-Run Holdings Limited 100.00%
b. 提出者と割当予定先との間の関係出資関係当社が保有している割当予定先の株式の数該当事項はありません。
割当予定先が保有している当社の株式の数該当事項はありません。
人事関係該当事項はありません。
資金関係該当事項はありません。
技術関係該当事項はありません。
取引関係該当事項はありません。


a. 割当予定先の概要名称SIO International Holdings Limited
本店の所在地Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands
国内の主たる事務所の責任者及び連絡先該当事項はありません。
代表者の役職及び氏名Director 林忠正
資本金660億円
事業内容持株会社
主たる出資者及び出資比率
Ri Quan Investment Co.,Ltd.14.66%
Hong Han Investment Co.,Ltd.14.54%
Lian Ju Investment Co.,Ltd.14.52%
Yung Li Investment Co.,Ltd.12.73%
Yi Ji Investment Co.,Ltd.11.06%
Hong Wei Investment Co.,Ltd.6.67%

(SIO International Holdings Limitedの株式のうち、テリー・ゴウ氏が直接的又は間接的に74.18%を保有しております。残りの25.82%の株式については、鴻海精密工業股份有限公司及びテリー・ゴウ氏以外の者が保有しています。)
b. 提出者と割当予定先との間の関係出資関係当社が保有している割当予定先の株式の数該当事項はありません。
割当予定先が保有している当社の株式の数該当事項はありません。
人事関係該当事項はありません。
(割当予定先の関係会社は、当社の持分法適用会社である堺ディスプレイプロダクト株式会社に役員(高山俊明)を一名派遣しております。)
資金関係該当事項はありません。
(なお、当社及び割当予定先は、当社の持分法適用会社である堺ディスプレイプロダクト株式会社の株式をそれぞれ37.61%保有しています。)
技術関係該当事項はありません。
取引関係該当事項はありません。


c. 割当予定先の選定理由
当社は、弱体化した経営体質を改善し「再生と成長」を実現するため、平成25年5月に「2013~2015年度中期経営計画」を策定、発表いたしました。同計画では、①「勝てる市場・分野」へ経営資源をシフト、②自前主義からの脱却、アライアンスの積極活用、③ガバナンス体制の変革による実行力の強化、の3つを基本戦略の中核といたしました。また、「再生と成長」を実現する重点施策として、1)事業ポートフォリオの再構築、2)液晶事業の収益性改善、3)ASEANを最重点地域とした海外事業の拡大、4)全社コスト構造改革による固定費削減、5)財務体質の改善、の5項目に全社を挙げて取り組んで参りました。この取り組みにより、平成26年3月期は売上高・利益ともに公表値を達成し、黒字転換を果たすことができました。
しかしながら、平成27年3月期は、米州における液晶テレビの競争激化や太陽電池の需要低迷等のエネルギーソリューションの事業環境悪化に対し、迅速な事業転換などを図るといった対応が不十分であったこと、中小型液晶市場において高精細化へのシフトが進まなかったなどの市場変化の見誤りと価格下落への対応力・営業力不足に加え、体質改善処理として市場価格に比して高いソーラーパネルのポリシリコンの長期契約に対する単価差の引当て、及び中小型液晶の市場価格との差を在庫評価減として織り込んだことにより、大幅な赤字を計上するに至りました。
そこで当社は、平成27年5月14日に「2015~2017年度 中期経営計画」を発表し、将来にわたって環境変化に揺らぐことの無い安定的な事業基盤を構築するため、3つの重点戦略「事業ポートフォリオの再構築」「固定費削減の断行」「組織・ガバナンスの再編・強化」を表明、着実に実行して参りました。しかし、当該中期経営計画の初年度である平成28年3月期連結業績については、ディスプレイデバイス事業において、期初の想定をはるかに上回る中国市場向けのスマートフォン用液晶の販売減や価格競争激化による単価ダウンの影響等により、平成27年10月26日に売上高・営業利益について通期業績予想の下方修正をすることとなりました。さらに平成28年3月期第3四半期決算では親会社株主に帰属する四半期純利益において第1四半期から第3四半期までの累計で1,083億円の損失を計上し、これに伴い、財務の健全化を示す自己資本比率は平成28年3月期第3四半期末で8.6%と平成27年6月末の12.3%から低下するに至りました。自己資本比率の改善及び財政状況の回復のためには、負債である社債発行や資金の借入ではなく、株式等の発行による資本性の資金調達を行うことが不可欠であり、確実且つ迅速に資本性の資金調達を行うためには、行使までに時間がかかる新株予約権等の発行ではなく、新規株式発行の方法によること、且つ、不確実性の残る公募増資や株主割当ではなく、第三者割当の方法によることが適当でありました。そこで、ディスプレイデバイス事業の社外分社化も視野に入れた構造改革の検討に加え全社の財務体質の改善を、喫緊の経営課題と認識し、経営再建に向けてアライアンスを含めた構造改革の実現に向け、検討を進めておりました。
かかる中、当社は経営再建に向け、昨年秋以来、複数社と協議を進めて参りましたが、その中で株式会社産業革新機構(以下、「産業革新機構」という。)及び台湾の電子機器受託製造サービスの世界最大手企業である鴻海精密工業股份有限公司(以下「鴻海精密工業」という。)の提案が、上記経営課題の解決に資すると考えられると判断し、本年に入ってから二社に絞って協議を行って参りました。
産業革新機構からは、当社ディスプレイデバイス事業を分社化した上で、当社に3,000億円の資本を成長資金として注入するとともに、分社化したディスプレイ事業を株式会社ジャパンディスプレイに統合させることを主旨とする提案がありました。他方、鴻海精密工業からは、ディスプレイデバイス事業を中心とする当社の事業に対し投資及び事業拡大のための資金を提供するとともに当社の財務基盤強化に資する資金提供等を目的に、同社グループ企業が当社発行の普通株式を引き受けたいとの提案がありました。
当社は、これらの提案について、世の中にない新しい商品を創出するという「創意の遺伝子」に基づく多様な製品ラインアップや技術の裾野の広さを含む当社の「強み」についての十分な理解が得られているか、また、これらの技術の融合によりロボティクスやInternet of Things(IoT)といった成長分野において「人と家電との新たなつながり」を実現する新たな商品・サービスを提供していくという当社の事業方針を実現していくために、必要且つ十分な資金・資本面でのサポートや事業面での提携効果が得られるかどうかといった観点から、両提案を真摯に検討しました。更に、当社は、両提案を実施した場合に、当社の株主、従業員、金融機関及び取引先にどのような影響を及ぼすか、両提案が当社の多様なステークホルダーの利益に資するものといえるか、といった観点も考慮に入れつつ、両提案を総合的に評価することにより当社及び当社のステークホルダーにとってベストな判断を行うべく、慎重に検討を深めて参りました。
こうした観点からの検討を進めた結果、平成28年2月25日、当社の取締役会として、本割当予定先に対して第三者割当増資を行うことが、当社の全てのステークホルダーにとってベストであると判断し、本割当予定先を割当先とする第三者割当増資を行うことについて決議いたしました。
しかしながら、当該取締役会決議の直前に、本割当予定先から当社の企業価値評価に関して、さらなる確認作業が必要との要請がありました。これを受け当社は本割当予定先との間で当社の潜在的リスクの評価を含め、経営状況について協議を行うとともに当社と本割当予定先との提携による相乗効果の検証を行うなど、早期の最終契約締結に向けて、約1カ月、協議を重ねて参りました。
一方、当社は平成28年3月期第4四半期及び通期業績の見通し等について精査を重ねて参りました。当社を取り巻く経営環境はさらに厳しさを増しており、平成28年3月期通期連結業績予想について、以下の要因を織り込んだ結果、売上高、営業利益でさらなる下方修正を行うこととなりました。
1)ディスプレイデバイス事業の収益悪化
液晶パネルの販売不振や価格下落、それに伴う在庫評価減の計上、工場稼動率の低下による操業損失の発生、これに伴う在庫の滞留によるたな卸資産評価減
2)中国市場における市況悪化
第4四半期以降に顕著となった中国市場における液晶テレビ、白物家電及びデジタル複合機の販売不振、液晶テレビの流通在庫削減に向けた販促費の増加見込み
3)国内市場における市況悪化
国内市場における白物家電の販売不振、太陽電池事業の住宅用及び産業用の市況悪化に伴う売価下落と販売減
これらの経営状況を本割当予定先と協議した結果、本割当予定先から出資条件を見直すことが必要となったとして、普通株式で約2,888億円、C種種類株式で約1,000億円の総額約3,888億円の当社株式を引き受けることを主旨とする提案(以下、「新出資提案」という。)がありました。
当社取締役会では、本割当予定先からの新出資提案について慎重に議論を進めた結果、本割当予定先との協議の状況や当社の経営状況を鑑みると、以下の理由で、新出資提案が当社の全てのステークホルダーにとって現時点において最適であることに変わりはないと考え、新出資提案を受け入れるべきと判断いたしました。
① 本割当予定先による出資の総額は3,888億円となり、上記「第1〔募集要項〕 4〔新規発行による手取金の使途〕 (2)〔手取金の使途〕」にも記載のとおり、かかる出資により、ディスプレイデバイス事業の競争力を強化し、且つ、当社の各事業が一体として成長していくために必要な成長投資を賄える十分な資金・資本の手当てが可能となるとともに、運転資金の増強など、当社の財務体質の改善にも大きく貢献する内容であると判断したこと
② 本割当予定先は、液晶事業においては当社と相互補完的な関係にあり、同事業における協業を通じた当社事業の更なる競争力強化が見込まれるとともに、他の事業においても、世界トップクラスのEMSとしての製造技術の活用により、当社の生産性やコスト競争力の更なる強化が期待できる等、事業面でのシナジー効果が大きいと考えられたこと
③ 本割当予定先からは、当社のブランド、既存の従業員及び広範囲にわたる商品ラインアップの価値や、当社事業をとりまくエコシステムを維持することの意義についての十分な理解が示され、とりわけ、本第三者割当増資の実行後における当社の経営につき、以下を含む力強いコミットメントが得られたこと
(i) 経営の独立性
当社及びその子会社の経営の独立性を維持・尊重すること
(ii) 一体性の維持
当社及びその子会社の各事業の一体的な運営を維持すること
(iii)従業員の雇用維持
既存の従業員の雇用維持という原則にコミットし、組織体制の最適化に関する当社の自律的判断を尊重すること
(iv) ブランド価値の重要性
顧客サービスや供給製品への責任を含むブランド価値向上のための努力に関する相互理解のもと、「シャープ」ブランドの価値の維持・向上に資する方法により「シャープ」ブランドを継続使用すること
(v) 当社の技術の保持
当社の日本における研究開発・製造機能を維持し、当社のコア技術の流出を防止するため相互に協力していくこと
④ かねてより液晶テレビ、携帯電話・スマートフォン等のODMを通じた取引があったのに加え、大型液晶パネルを生産する堺ディスプレイプロダクトを平成24年8月から共同で運営しており、同社の取引先である液晶テレビセットメーカーへの同社液晶パネルの安定供給を実現することなどにより平成25年12月期から3年連続で営業黒字化を達成するなど、共同運営パートナーとして、両社間に信頼関係を構築してきていること
⑤ 本割当予定先は、本第三者割当増資の実行の確実性を高めるため、締結する予定の株式引受契約において、1,000億円のデポジットを提供すること及び本割当予定先が引受額を支払う義務を履行しなかった場合等には当社が当該デポジットを予定損害賠償額として没収することができることを合意する予定であること
上記③については、株式引受契約において以下の本割当予定先の義務が規定される予定です。なお、平成28年2月25日以降本割当予定先との協議を経て内容が一部変更されております。
・当社の経営(当社のブランド、技術、顧客、サプライヤー、従業員その他当社及び当社子会社の業務に関連する事項の取扱いを含む。)の独立性について、株式引受契約に定めるところ(概要は以下に列挙するものです。)に従い、法令及び取引所規則において許容される限り、最大限尊重し維持すること
・上記の目的のため、当社及びその子会社の具体的なガバナンスの体制、手続及びポリシーについて、当社との真摯な協議を継続すること
・株式引受契約の締結後2年間は、当社の事前の書面による同意なしに、当社株式を第三者に譲渡しないこと(なお、C種種類株式を子会社若しくは関連会社又は割当予定先若しくはその関連会社の従業員に譲渡する場合、当社は当該同意を不合理に拒否又は留保しないこと)
・当社株式の上場廃止又は指定替えにつながり得る当社株式の追加取得を行わず、且つ、本割当予定先のグループ会社及び共同保有者をして、かかる追加取得を行わせないこと
・当社及びその子会社の事業の一体性を維持すること(但し、当社の過去のプラクティスに即したエネルギーソリューション事業の構造改革及び当社株主の最善の利益に即した事業一体の再編又は処分を除く。なお、当社は、当社のエネルギーソリューション事業の収益性を改善するため、適切な第三者との戦略提携又は合弁化を含む最大限の努力を尽くすものとする。)
・当社が第三者との間で業務提携又は資本提携を希望する場合、必要且つ適切なサポートを当社に対して提供すること
・自然退職並びに定期的な異動及び昇給の場合を除き、当社及び当社子会社の従業員の雇用及び雇用条件の維持の原則にコミットし、必要人員や組織体制の最適化について当社の経営陣に最大限の自律性を認めることを含め、既存従業員の雇用維持のためのプランを実行すること
・「シャープ」ブランドが今後の当社の事業を成功させる上での重要な経営資源であること及び当該ブランドを維持・発展させるための長期にわたる当社の努力(顧客サービスや安定的な製品保証を含む。)を十分に認識し、かかる認識のもとに、「シャープ」ブランドの価値を維持し又は高める方法により、「シャープ」ブランドを維持・使用すること
・当社のハイテク技術(ハイテク製品を製造するための当社の国内における研究開発施設や工場の機能を含む。)を、日本国内に保持するために当社と協力すること、また、海外への技術流出を防止するための実効的な手段を構築すること
当社は本第三者割当増資により、自己資本比率の改善が見込まれるなど財務体質の改善につながるものと考えております。これにより現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資に資金を充当するとともに、検討中の構造改革の確実な実行に備えることができることとなり、2015~2017年度中期経営計画最終年度の業績目標達成に向けた確実な経営基盤が整備されることとなります。詳細な資金使途については、上記「第1〔募集要項〕 4〔新規発行による手取金の使途〕 (2)〔手取金の使途〕」をご参照ください。
なお、締結する予定の株式引受契約において、当社の責めに帰すべき事由により株式引受契約が終了した場合、又は本割当予定先の責めに帰すべき事由によらずして平成28年10月5日までに本第三者割当増資の実行がなされない場合は、当社は、その事象の発生以降3か月間、鴻海精密工業又はその指定する第三者に対し、当社のディスプレイ事業を会社分割、事業譲渡その他の手法により、公正な価格で購入する権利を与えること並びに鴻海精密工業又はその指定する第三者が当該権利を行使した場合、当社は株主総会の承認や第三者からの同意取得を含め、当該ディスプレイ事業の取得が実行されるよう協力することに合意する予定です。
なお、今回、本割当予定先のうち、Foxconn (Far East) Limited(以下、「Foxconn FE」という。)は鴻海精密工業の完全子会社であり、Foxconn Technology Pte. Ltd.(以下、「Foxconn Technology」という。)は鴻海精密工業が間接的に29.59%の持分を有するQ-Run Holdings Limitedの完全子会社であり、SIO International Holdings Limited(以下、「SIO」という。)は鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配している会社です。但し、Foxconn Technology及びSIOは鴻海精密工業の子会社等に該当せず、鴻海精密工業は特定引受人に該当しません。
当社の取締役については、当社は、締結予定の株式引受契約において、本割当予定先より平成28年4月15日又は当事者間で別途合意した日までに書面で取締役の指名がなされた場合には、本第三者割当増資後直ちに有効となるように、取締役9名のうち6名以下又は取締役の総数の3分の2以下の人数を本割当予定先の当該指名に従い選任するのに必要な株主総会及び種類株主総会の承認決議を得るよう最大限努力することを合意する予定です。
d. 割り当てようとする株式の数
(a) 普通株式
鴻海精密工業1,300,000,000株
Foxconn FE915,550,697株
Foxconn Technology646,400,000株
SIO420,000,000株

(b) C種種類株式
鴻海精密工業11,363,636株

e. 株券等の保有方針
鴻海精密工業、Foxconn FE、Foxconn Technology及びSIO(以下、総称して「本割当予定先」という。)からは、割り当てる当社普通株式及びC種種類株式の保有方針について、資本の充実を通じた当社の経営安定及び成長資金の提供による企業価値の向上を目指すため、安定株主として長期保有する意向であることを確認しております。また、当社は、本割当予定先との間で締結予定の株式引受契約において、本割当予定先が当該株式引受契約の締結日から2年以内にその保有する当社の株式を第三者に譲渡しようとする場合には、当社の書面による事前の同意を取得することについて合意する予定です。
なお、当社は、本割当予定先より、本第三者割当増資の払込期日から2年以内に当社普通株式及びC種種類株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に報告すること、並びに当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆縦覧に供されることに同意することにつき、それぞれ確約書を取得する予定です。
f. 払込みに要する資金等の状況
本割当予定先のうち、台湾証券取引所に上場する鴻海精密工業については、開示された直近の財務諸表を確認しております。また、本割当予定先各々について預金残高証明書を受領し、払込みに必要な資金力を有する旨を確認しております。
g. 割当予定先の実態
本割当予定先のうち、鴻海精密工業は台湾証券取引所の上場企業であり、Foxconn FEはその完全子会社にあたります。また、Foxconn Technologyは台湾証券取引所の上場企業である鴻準精密工業股份有限公司の完全子会社(孫会社)にあたり、SIOは鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配している会社にあたります。加えて、当社はすでに鴻海精密工業グループとの取引を通じ、当該グループがそのような関係がないと認識していることなどから、当社は、本割当予定先並びに本割当予定先の役員及び子会社が暴力団等とは一切関係がないと判断しており、その旨の確認書を株式会社東京証券取引所に提出しております。
h. 特定引受人に関する事項
該当事項はありません。

株券等の譲渡制限

2 【株券等の譲渡制限】
当社普通株式には譲渡制限は付されておりませんが、当社は、本割当予定先との間で締結する予定の株式引受契約において、本割当予定先が当該株式引受契約の締結日から2年以内にその保有する当社の株式を譲渡する場合には、当社の書面による事前の同意を取得することについて合意する予定です。また、C種種類株式については、C種種類株式を譲渡により取得するには、当社の取締役会の承認を要します。

発行条件に関する事項

3 【発行条件に関する事項】
(1) 払込金額の算定根拠及びその合理性に関する考え方
① 普通株式
払込金額につきましては、本割当予定先のうち鴻海精密工業が、当社に対して1株88円として最終提案し、これに対して当社は、平成28年3月30日取締役会において、当該払込金額による本第三者割当増資の実行について審議を重ね、①他候補先からの出資提案との比較優位性の検討、②将来の飛躍的な発展のために十分な成長資金を確実且つ迅速に調達する必要性、並びに③本割当予定先への本第三者割当増資の実行が、中・長期的な観点からは、企業価値及び株主価値の向上に資すると見込まれることを総合的に勘案し、また、市場株価に対して一定程度のディスカウントによる有利発行を行うことで、既存株主の利益を毀損する可能性が高いことは十分認識しておりますが、本第三者割当増資による調達資金によって事業基盤を確立し、キャッシュフローを改善することで、企業価値向上を実現することが、既存株主の皆様への利益につながると考え、上記「1 〔割当予定先の状況〕 c. 割当予定先の選定理由」に記載のとおり、本割当予定先に一定の義務が定められていることから、上記の払込金額による本第三者割当増資の実行には合理性があるものと判断し、1株88円と決定いたしました。
なお、かかる払込金額88円は、本第三者割当増資に関する平成28年3月30日取締役会決議日の直前営業日である平成28年3月29日の当社株式の終値130円に対しては32.3%のディスカウント、直前営業日から1か月遡った期間の終値の単純平均値141.80円に対しては37.9%のディスカウント、直前営業日から3か月遡った期間の終値の単純平均値140.52円に対しては37.4%のディスカウント、直前営業日から6か月遡った期間の終値の単純平均値135.60円に対しては35.1%のディスカウントを行った金額となります。
また、本払込金額は日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」において定める特に有利な金額による発行に該当するとの判断から、当社は、本定時株主総会において、株主の皆様から特別決議による承認をいただき、払込金額を1株88円として、本第三者割当増資に係る普通株式の割当てを行うことといたしました。
② C種種類株式
当社は、C種種類株式の価値に影響を与える一定の前提を考慮し、当社の置かれた事業環境及び財務状況等を総合的に勘案の上、本割当予定先との間で資金調達のための最大限の交渉を重ねた結果、1株当たり8,800円と決定いたしました。かかる払込金額については、資本の増強と財務基盤の安定化に必要な資金がC種種類株式の発行による第三者割当増資により確保できる見込であること、当社の置かれた事業環境及び財務状況、当社の株価水準、必要となる資金の規模、並びにC種種類株式の内容に係る経済的条件に関する本割当予定先との協議状況等を総合的に勘案し、C種種類株式の払込金額には合理性があるものと判断しております。
なお、客観的な市場価格のない種類株式の公正な価値については、その計算が非常に高度且つ複雑であり、その価値評価については様々な見解があります。当社は、平成28年2月25日取締役会に際して、当社から独立した第三者評価機関である株式会社プルータス・コンサルティング(住所:東京都千代田区霞が関三丁目2番5号、代表者:代表取締役社長 野口 真人)(以下、「プルータス社」という。)に対してC種種類株式の価値分析を依頼した上で、プルータス社より、C種種類株式の算定報告書(以下、「本算定報告書」という。)を取得しております。プルータス社は、一定の前提(普通株式及びC種種類株式の発行後において株式価値が希薄化する等)の下、C種種類株式の価値分析を実施しております。本算定報告書におけるC種種類株式の価値は、1株当たり12,272円~13,423円と算定されておりますが、上記払込金額はこの算定額に対して10%以上のディスカウントとなっております。プルータス社の算定価格は、平成28年2月24日時点の情報を基にしたものであり、本日の当社業績の下方修正を前提としていない価格であるものの、そのことを勘案したとしても会社法上、株式を引き受けるものに特に有利な金額に該当すると考えられます。
(参考情報)C種種類株式の概要
・C種種類株式1株につき普通株式100株
・配当金額・・・普通株式1株当たりの期末配当金に、C種種類株式転換比率を乗じて得られる金額
・優先順位・・・普通株式を有する株主(普通株主)と同等
・累積条項・・・非累積
・参加条項・・・非参加型
・中間配当・・・普通株式1株当たりの中間配当金に、C種種類株式転換比率を乗じて得られる金額
・分配金額・・・普通株式1株当たりの残余財産に、C種種類株式転換比率を乗じて得られる金額
・優先順位・・・普通株主と同等
・参加条項・・・非参加型
また、C種種類株式については、上記のとおり、配当金・残余財産の分配について転換比率に応じて増額されるものの、非累積及び非参加型であることからすれば、C種種類株式1株と普通株式100株とは同程度の価値ということもできます。しかるところ、C種種類株式の1株当たりの払込金額8,800円は、本第三者割当増資に関する平成28年3月30日取締役会決議日の直前営業日である平成28年3月29日の当社普通株式の終値130円に100を乗じた数に対しては32.3%のディスカウント、直前営業日から1か月遡った期間の当社普通株式の終値の単純平均値141.80円に100を乗じた数に対しては37.9%のディスカウント、直前営業日から3か月遡った期間の当社普通株式の終値の単純平均値140.52円に100を乗じた数に対しては37.4%のディスカウント、直前営業日から6か月遡った期間の当社普通株式の終値の単純平均値135.60円に100を乗じた数に対しては35.1%のディスカウントを行った金額となっており、やはり会社法上、株式を引き受けるものに特に有利な金額に該当すると考えられます。
以上のことから、当社は、C種種類株式についても、会社法第199条第2項に基づき、本定時株主総会において株主の皆様から特別決議による承認をいただき、払込金額を1株8,800円として、本第三者割当増資に係るC種種類株式を発行することといたしました。
(2) 発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本第三者割当増資により、本割当予定先に対して割り当てる株式数は3,293,314,333株(内訳:普通株式3,281,950,697株、C種種類株式11,363,636株)、議決権数は3,281,950個であり、平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に対して193.56%(議決権総数1,685,204個に対して194.75%)となっております。
なお、C種種類株式については、平成29年7月1日以降に行使可能な普通株式を対価とする取得条項が付されておりますが、この取得条項が行使された場合、取得時の株価にかかわらず普通株式1,136,363,600株が交付され、その議決権数は1,136,363個となります。現時点で当該取得条項が行使されたと仮定した場合、これにより交付する普通株式及び本第三者割当増資により発行された普通株式を合算した普通株式数は4,418,314,297株、議決権数は4,418,314個であり、平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に対して259.68%(議決権総数1,685,204個に対して262.18%)となり、本第三者割当増資により大幅な希薄化が生じます。
しかしながら、上記「第1〔募集要項〕 4〔新規発行による手取金の使途〕 (2)〔手取金の使途〕」及び上記「1〔割当予定先の状況〕 c.割当予定先の選定理由」に記載の用途に充当することで、当社グループの中長期的な収益力向上及び競争力強化に資するものであり、ひいては中長期的な当社グループの企業価値及び株主利益の向上に寄与することが見込まれるものであることから、本第三者割当増資は、当社の将来にわたる収益性の向上に寄与することが可能と考えております。また、上記のとおり、本割当予定先である鴻海精密工業グループとの間で強固な取引関係を確立することで、事業基盤を更に安定的なものとし、ひいてはこれが当社の企業価値及び株主価値向上に寄与するものと考えられることから、本第三者割当増資による発行数量及び株式の希薄化の規模は合理的であると判断しております。

大規模な第三者割当に関する事項

4 【大規模な第三者割当に関する事項】
平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に係る議決権の総数は1,685,204個であり、本第三者割当増資により発行される新株式3,293,314,333株(内訳:普通株式3,281,950,697株、C種種類株式11,363,636株)に係る議決権数は3,281,950個となりますので、当該新株式に係る議決権数の平成27年9月30日現在の当社議決権総数に対する割合は194.75%となり、本第三者割当増資により大幅な希薄化が生じます。
したがって、本第三者割当増資は「企業内容等の開示に関する内閣府令 第二号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。
なお、C種種類株式については、平成29年7月1日以降に行使可能な普通株式を対価とする取得条項が付されておりますが、この取得条項が行使された場合、取得時の株価にかかわらず普通株式1,136,363,600株が交付され、その議決権数は1,136,363個となります。現時点で当該取得条項が行使されたと仮定した場合、これにより交付する普通株式及び本第三者割当増資により発行された普通株式を合算した普通株式数は4,418,314,297株、議決権数は4,418,314個であり、平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に対して259.68%(議決権総数1,685,204個に対して262.18%)となり、本第三者割当増資により大幅な希薄化が生じます。
当社としましては、自己資本比率の改善及び財政状況の回復のためには、負債である社債発行や資金の借入ではなく、株式等の発行による資本性の資金調達を行うことが不可欠であり、確実且つ迅速に資本性の資金調達を行うためには、行使までに時間がかかる新株予約権等の発行ではなく、新規株式発行の方法によること、且つ、不確実性の残る公募増資や株主割当ではなく、第三者割当の方法によることが適当であることに加え、事業構造改革を伴う経営再建という本件の特質からしても、本第三者割当増資こそがそれに沿うものと考えております。本第三者割当増資により調達した資金を上記「第1〔募集要項〕 4〔新規発行による手取金の使途〕」で詳細に記載いたしました用途に充当することで、将来的な売上の拡大やコスト競争力強化などを通じた利益率の向上、急激な景気変動等の構造変化にも耐えうる財務及び事業基盤の強化等が見込まれることから、本第三者割当増資は、当社の将来にわたる収益性の向上に寄与することが可能と考えております。また、上記のとおり、本割当予定先である鴻海精密工業グループとの間で強固な取引関係を確立することで、事業基盤を更に安定的なものとし、ひいてはこれが当社の企業価値及び株主価値向上に寄与するものと考えられることから、本第三者割当増資が既存株主の皆様にも十分な利益をもたらすことができるものと判断して、本第三者割当増資による資金調達を行うことといたしました。

第三者割当後の大株主の状況

5 【第三者割当後の大株主の状況】
氏名又は名称住所所有株式数
(千株)
発行済株式
総数に対する
所有株式数の
割合(%)
割当後の
所有株式数
(千株)
割当後の発行済
株式総数に対する
所有株式数の割合
(%)
鴻海精密工業股份有限公司66 Chung-Shan Road, Tu-Cheng Industrial Area, New Taipei City, Taiwan, R.O.C.1,311,36326.25
Foxconn
(Far East)
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands915,55018.33
Foxconn
Technology
Pte. Ltd.
79 Anson Road # 07-03
Singapore (079906)
646,40012.94
SIO
International
Holdings
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman  KY1-1112, Cayman Islands420,0008.41
日本生命保険相互会社大阪市中央区今橋三丁目5番12号47,3172.7847,3170.95
明治安田生命保険相互会社東京都千代田区丸の内二丁目1番1号45,7812.6945,7810.92
㈱みずほ銀行東京都千代田区大手町一丁目5番5号42,0102.4742,0100.84
QUALCOMM
INCORPORATED
(常任代理人 クアルコムジャパン㈱)
5775 MOREHOUSE DRIVE SAN DIEGO CA USA
(東京都港区南青山一丁目1番1号)
41,9882.4741,9880.84
㈱三菱東京UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号41,7782.4641,7780.84
㈱マキタ愛知県安城市住吉町三丁目11番8号35,8422.1135,8420.72
254,71614.973,548,03171.04

(注) 1 所有株式数及び発行済株式総数に対する所有株式数の割合については、平成27年9月30日現在の株主名簿に基づき記載しております。
2 割当後の所有株式数及び割当後の発行済株式総数に対する所有株式数の割合の割合については、本第三者割当増資による異動を反映しております。
3 上記の表における発行済株式総数に対する所有株式数の割合及び割当後の発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第三位を四捨五入して算出しております。
4 ㈱みずほ銀行には、上記以外に退職給付信託に係る信託財産として設定した株式が6,000千株あります。
なお、所有株式に係る議決権の個数の多い順上位10名は、以下のとおりです。
氏名又は名称住所所有議決権数
(個)
総株主の議決権
数に対する
所有議決権数
の割合(%)
割当後の
所有議決権数
(個)
割当後の総株主の
議決権数に対する
所有議決権数
の割合(%)
鴻海精密工業股份有限公司66 Chung-Shan Road, Tu-Cheng Industrial Area, New Taipei City, Taiwan, R.O.C.1,300,00026.17
Foxconn
(Far East)
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands915,55018.43
Foxconn
Technology
Pte. Ltd.
79 Anson Road # 07-03
Singapore (079906)
646,40013.01
SIO
International
Holdings
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands420,0008.46
日本生命保険相互会社大阪市中央区今橋三丁目5番12号47,3172.8147,3170.95
明治安田生命保険相互会社東京都千代田区丸の内二丁目1番1号45,7812.7245,7810.92
QUALCOMM
INCORPORATED
(常任代理人 クアルコムジャパン㈱)
5775 MOREHOUSE DRIVE SAN DIEGO CA USA
(東京都港区南青山一丁目1番1号)
41,9882.4941,9880.85
㈱みずほ銀行東京都千代田区大手町一丁目5番5号41,9102.4941,9100.84
㈱三菱東京UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号41,6782.4741,6780.84
㈱マキタ愛知県安城市住吉町三丁目11番8号35,8422.1335,8420.72
254,51615.103,536,46671.20

(注) 1 総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合については、平成27年9月30日現在の株主名簿に基づき記載しております。
2 割当後の所有議決権数及び割当後の総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合については、本第三者割当増資による異動を反映しております。
3 上記の表における総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合は、小数点以下第三位を四捨五入して算出しております。
なお、C種種類株式には平成29年7月1日以降に行使可能な普通株式を対価とする取得条項が付されておりますが、現時点で当該取得条項が行使されたと仮定した場合における大株主の状況は以下のとおりとなります。
氏名又は名称住所所有株式数
(千株)
発行済株式
総数に対する
所有株式数の
割合(%)
割当後の
所有株式数
(千株)
割当後の発行済
株式総数に対する
所有株式数の割合
(%)
鴻海精密工業股份有限公司66 Chung-Shan Road, Tu-Cheng Industrial Area, New Taipei City, Taiwan, R.O.C.2,436,36339.81
Foxconn
(Far East)
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands915,55014.96
Foxconn
Technology
Pte. Ltd.
79 Anson Road # 07-03
Singapore (079906)
646,40010.56
SIO
International
Holdings
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands420,0006.86
日本生命保険相互会社大阪市中央区今橋三丁目5番12号47,3172.7847,3170.77
明治安田生命保険相互会社東京都千代田区丸の内二丁目1番1号45,7812.6945,7810.75
㈱みずほ銀行東京都千代田区大手町一丁目5番5号42,0102.4742,0100.69
QUALCOMM
INCORPORATED
(常任代理人 クアルコムジャパン㈱)
5775 MOREHOUSE DRIVE SAN DIEGO CA USA
(東京都港区南青山一丁目1番1号)
41,9882.4741,9880.69
㈱三菱東京UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号41,7782.4641,7780.68
㈱マキタ愛知県安城市住吉町三丁目11番8号35,8422.1135,8420.59
254,71614.974,673,03176.36

(注) 1 所有株式数及び発行済株式総数に対する所有株式数の割合については、平成27年9月30日現在の株主名簿に基づき記載しております。
2 割当後の所有株式数及び割当後の発行済株式総数に対する所有株式数の割合の割合については、本第三者割当増資による異動を反映したうえ、本割当予定先が保有する全てのC種種類株式について普通株式を対価とする取得条項が行使された場合において交付される普通株式1,136,363,600株を加算した数を基準に算出しております。
3 上記の表における発行済株式総数に対する所有株式数の割合及び割当後の発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第三位を四捨五入して算出しております。
4 ㈱みずほ銀行には、上記以外に退職給付信託に係る信託財産として設定した株式が6,000千株あります。
なお、現時点でC種種類株式に普通株式を対価とする取得条項が行使されたと仮定した場合における所有株式に係る議決権の個数の多い順上位10名は、以下のとおりです。
氏名又は名称住所所有議決権数
(個)
総株主の議決権
数に対する
所有議決権数
の割合(%)
割当後の
所有議決権数
(個)
割当後の総株主の
議決権数に対する
所有議決権数
の割合(%)
鴻海精密工業股份有限公司66 Chung-Shan Road, Tu-Cheng Industrial Area, New Taipei City, Taiwan, R.O.C.2,436,36339.92
Foxconn
(Far East)
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands915,55015.00
Foxconn
Technology
Pte. Ltd.
79 Anson Road # 07-03
Singapore (079906)
646,40010.59
SIO
International
Holdings
Limited
Floor 4, Willow House, Cricket Square, P O Box 2804, Grand Cayman KY1-1112, Cayman Islands420,0006.88
日本生命保険相互会社大阪市中央区今橋三丁目5番12号47,3172.8147,3170.78
明治安田生命保険相互会社東京都千代田区丸の内二丁目1番1号45,7812.7245,7810.75
QUALCOMM
INCORPORATED
(常任代理人 クアルコムジャパン㈱)
5775 MOREHOUSE DRIVE SAN DIEGO CA USA
(東京都港区南青山一丁目1番1号)
41,9882.4941,9880.69
㈱みずほ銀行東京都千代田区大手町一丁目5番5号41,9102.4941,9100.69
㈱三菱東京UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号41,6782.4741,6780.68
㈱マキタ愛知県安城市住吉町三丁目11番8号35,8422.1335,8420.59
254,51615.104,672,82976.56

(注) 1 総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合については、平成27年9月30日現在の株主名簿に基づき記載しております。
2 割当後の所有議決権数及び割当後の総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合については、本第三者割当増資による異動を反映したうえ、本割当予定先が保有する全てのC種種類株式について普通株式を対価とする取得条項が行使された場合において交付される普通株式の議決権数1,136,363個を加算した数を基準に算出しております。
3 上記の表における総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総株主の議決権数に対する所有議決権数の割合は、小数点以下第三位を四捨五入して算出しております。

大規模な第三者割当の必要性

(1) 大規模な第三者割当を行うこととした理由及び当該大規模な第三者割当による既存株主への影響についての取締役会の判断の内容
上記「1〔割当予定先の状況〕 c.割当予定先の選定理由」に記載のとおり、当社は、平成27年5月14日に「2015~2017年度 中期経営計画」を発表し、将来にわたって環境変化に揺らぐことの無い安定的な事業基盤を構築するため、3つの重点戦略「事業ポートフォリオの再構築」「固定費削減の断行」「組織・ガバナンスの再編・強化」を表明、着実に実行して参りました。しかし、当該中期経営計画の初年度である平成28年3月期連結業績については、ディスプレイデバイス事業において、期初の想定をはるかに上回る中国市場向けのスマートフォン用液晶の販売減や価格競争激化による単価ダウンの影響等により、平成27年10月26日に売上高・営業利益について通期業績予想の下方修正をすることとなりました。さらに平成28年3月期第3四半期決算では親会社株主に帰属する四半期純利益において第1四半期から第3四半期までの累計で1,083億円の損失を計上し、これに伴い、財務の健全化を示す自己資本比率は平成28年3月期第3四半期末で8.6%と平成27年6月末の12.3%から低下するに至りました。自己資本比率の改善及び財政状況の回復のためには、負債である社債発行や資金の借入ではなく、株式等の発行による資本性の資金調達を行うことが不可欠であり、確実且つ迅速に資本性の資金調達を行うためには、行使までに時間がかかる新株予約権等の発行ではなく、新規株式発行の方法によること、且つ、不確実性の残る公募増資や株主割当ではなく、第三者割当の方法によることが適当でありました。そこで、ディスプレイデバイス事業の社外分社化も視野に入れた構造改革の検討に加え全社の財務体質の改善を、喫緊の経営課題と認識し、経営再建に向けてアライアンスを含めた構造改革の実現に向け、検討を進めておりました。
かかる中、当社は経営再建に向け、昨年秋以来、複数社と協議を進めて参りましたが、その中で産業革新機構及び台湾の電子機器受託製造サービスの世界最大手企業である鴻海精密工業の提案が、上記経営課題の解決に資すると考えられると判断し、本年に入ってから二社に絞って協議を行って参りました。
産業革新機構からは、当社ディスプレイデバイス事業を分社化した上で、当社に3,000億円の資本を成長資金として注入するとともに、分社化したディスプレイ事業を株式会社ジャパンディスプレイに統合させることを主旨とする提案がありました。他方、鴻海精密工業からは、ディスプレイデバイス事業を中心とする当社の事業に対し投資及び事業拡大のための資金を提供するとともに当社の財務基盤強化に資する資金提供等を目的に、同社グループ企業が当社発行の普通株式を引き受けたいとの提案がありました。鴻海精密工業とは、かねてより液晶テレビ、携帯電話・スマートフォン等のODMを通じた取引があったのに加え、大型液晶パネルを生産する堺ディスプレイプロダクトを平成24年8月から共同で運営しており、同社の取引先である液晶テレビセットメーカーへの同社液晶パネルの安定供給を実現することなどにより平成24年12月期から3年連続で営業黒字化を達成するなど、共同運営パートナーとして、両社間に信頼関係を構築してきておりました。
当社は今回の鴻海精密工業の提案が、ディスプレイデバイス事業の競争力強化及び事業価値の拡大に資するとともに、当社の今後の成長事業の成長・拡大に寄与すると考えられることに加え、運転資金の増強など当社の財務体質改善にも貢献する内容であると判断し、本提案を受け入れることについて決定したものです。
本第三者割当増資により、本割当予定先に対して割り当てる株式数は3,293,314,333株(内訳:普通株式3,281,950,697株、C種種類株式11,363,636株)、議決権数は3,281,950個であり、平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に対して193.56%(議決権総数1,685,204個に対して194.75%)となっております。
なお、C種種類株式については、平成29年7月1日以降に行使可能な普通株式を対価とする取得条項が付されておりますが、この取得条項が行使された場合、取得時の株価にかかわらず普通株式1,136,363,600株が交付され、その議決権数は1,136,363個となります。現時点で当該取得条項が行使されたと仮定した場合、これにより交付する普通株式及び本第三者割当増資により発行された普通株式を合算した普通株式数は4,418,314,297株、議決権数は4,418,314個であり、平成27年9月30日現在の当社の発行済株式総数1,701,439,887株に対して259.68%(議決権総数1,685,204個に対して262.18%)となり、本第三者割当増資により大幅な希薄化が生じます。
しかしながら、上記のとおり、当社の自己資本比率の低下や今後の業績の状況による財政状況の緊迫性に鑑みると、当社の財務体質の改善は喫緊の経営課題であり、確実且つ迅速な資本性の資金調達が不可欠な状況となっております。本第三者割当により調達される資金の額は、384,527,342,641円(差引手取概算額)ですが、当該調達金額は、当社の平成27年12月31日時点の純資産160,263,000,000円の約2.4倍に相当することから、当社の自己資本比率の改善、ひいては当社の財務体質の改善に寄与するものと考えております。
加えて、当該調達した資金は、上記「第1〔募集要項〕 4〔新規発行による手取金の使途〕」で詳細に記載いたしました用途に充当するとともに、本割当予定先である鴻海精密工業グループとの間で強固な取引関係を確立し、事業基盤を更に安定的なものとすることで、将来的な売上の拡大やコスト競争力強化などを通じた利益率の向上、急激な景気変動等の構造変化にも耐えうる財務及び事業基盤の強化等が見込まれることから、当社の将来にわたる収益性の向上に寄与することが可能と考えております。ひいてはこれが当社の企業価値及び株主価値向上に寄与するものと考えられることから、本第三者割当増資が既存株主の皆様にも十分な利益をもたらすことができるものと考えております。
上記のとおり、本第三者割当増資により既存株式の大規模な希薄化が生じるとしても、当社の自己資本比率及び当社の財政状況の改善に寄与するものであり、本割当予定先との間の取引関係の強化による当社の将来的な収益性の向上並びに将来的な当社の企業価値及び株主価値向上に寄与する可能性も考えられることから、本第三者割当増資による発行数量及び株式の希薄化の規模は合理的であると判断しております。
(2) 大規模な第三者割当を行うことについての判断の過程
本第三者割当増資に伴う新株式の発行は、希薄化が25%以上となり、また、本第三者割当増資により鴻海精密工業が当社の支配株主となることから、株式会社東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条第2号に従い、株主の意思確認手続を実施いたします。さらに、本第三者割当増資については、有利発行に該当すると考えられるため、具体的には、本定時株主総会及び本種類株主総会において、本第三者割当増資の必要性及び相当性について株主の皆様に説明した上で、本第三者割当増資に必要な議案について特別決議によって承認をいただき、これをもって株主の皆様の意思確認をいたしました。

有価証券報告書及びその添付書類、参照書類

1 【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第122期(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)平成28年6月23日近畿財務局長に提出

参照書類の補完情報

第2 【参照書類の補完情報】
上記に掲げた参照書類としての第122期有価証券報告書に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書の提出日以降、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(平成28年6月23日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。
また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、当該事項は本有価証券届出書の訂正届出書提出日現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載する将来に関する事項もありません。

参照書類を縦覧に供している場所

第3 【参照書類を縦覧に供している場所】
シャープ株式会社本社
(大阪市阿倍野区長池町22番22号)
シャープ株式会社東京支社
(東京都港区芝浦一丁目2番3号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)