有価証券報告書-第92期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 15:44
【資料】
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【項目】
57項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの技術・マーケティング戦略に関するリスク
当社グループは高い技術力により開発された最先端の製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかし、当社グループの主要市場である情報通信市場は技術革新のスピードが速いため、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない事態や、顧客のニーズやウォンツを十分にサポートできない事態が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(2) 市場の変動に関するリスク
経済や市場状況の変化、技術革新などの外的な要因は、当社グループが展開する製品群の収益に影響を及ぼし、グループの財政状態及び経営成績に大きな変動をもたらす可能性があります。
計測事業は、通信市場向けの売上比率が高いため、通信事業者や通信装置メーカー、関連電子部品メーカーの設備投資動向に業績が左右される可能性があります。通信事業者は、設備投資を抑制しながらデータ・トラフィック急増を支える新技術の導入を進める一方で、サービス開発効率を上げるため、ネットワークの共同利用やオープン化を進めています。さらに、当社グループの収益の柱であるモバイル計測分野の業績は、携帯電話サービスの技術革新や普及率、加入者数及び携帯端末の買い替え率の変化に影響されます。加えて、携帯電話ソフトウェアのプラットフォーム化などにみられる開発手法の変化や端末製造用の計測器で激化する価格競争への対応などによっても業績は影響を受けます。
PQA事業は、食品産業向けの売上収益が8割以上を占めており、経済成長や消費支出水準及び原材料の価格動向が食品メーカーの経営成績や設備投資等に及ぼす影響にその業績が左右される可能性があります。
(3) 海外展開に関するリスク
当社グループはグローバル・マーケティングを展開しており、米国、欧州、アジアなど世界各国で顧客密着力の向上を目指した積極的なビジネスを行っています。なかでも計測・PQA事業等を合わせた海外売上比率は当連結会計年度実績で65%を占めており、顧客の多くもグローバル規模で事業を展開しているため、海外諸国の経済動向、国際情勢の変化、遵守すべき法令対応や当社グループのグローバル戦略の進捗によって、財政状態及び経営成績に大きな影響をもたらす可能性があります。また、通信業界では合従連衡や事業再編がグローバル規模で行われ、勢力図が変化しております。その結果、主要顧客の設備投資動向が大きく変化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(4) 外国為替変動に関するリスク
当社グループの海外売上比率は当連結会計年度実績で65%と高い比率となっています。当社では売掛金の回収などで発生する外貨取引への為替先物予約等によりリスク・ヘッジに努めておりますが、急激な為替変動は当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(5) 在庫陳腐化のリスク
当社グループは顧客のニーズやウォンツをきめ細かく捉え、製品やサービスを市場に提供するよう努めております。しかし、特に計測事業における製品群は技術革新が極めて速いため、製品及び部品の陳腐化が起こりやすく、在庫の長期化・不良化を招くことで当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(6) 繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(7) 確定給付制度債務に関するリスク
当社及び一部の子会社の従業員を対象とした確定給付年金制度から生じる退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、確定給付制度債務の見込額を算出する基礎となる割引率等の数理計算上の仮定に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(8) 自然災害等の突発的事象発生のリスク
当社グループはグローバルに生産・販売活動を展開しているため、大規模な地震等の自然災害、火災、戦争、テロ及び暴動等が発生した場合には、当社グループや仕入先、顧客の主要設備への被害等により事業活動に支障が生じ、また、これらの災害等が政治不安又は経済不安を引き起こすことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。