四半期報告書-第99期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)

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2015/08/12 15:03
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国景気が四半期後半にドル高の影響から弱い動きを見せながらも総じて回復傾向で推移したこと、欧州経済がギリシャの政府債務問題を抱える中でも持ち直しの動きを続けたこと、また、アジアでは中国経済が減速感を増したことなど景況感には濃淡が見られ、さらには原油をはじめとした資源価格の安値推移など一部に懸念材料を含みながらの展開となりましたが、全体として見ると緩やかな回復ペースを維持しました。日本経済においては、企業収益の改善が続き設備投資が増加傾向を示したことや個人の消費マインドにも回復の兆しが見られたことなどから、景気は底堅さを見せました。これらの経済情勢のもと、当社製品への需要は、一部の分野で厳しさを含みつつも、戦略的な注力市場に関しては増加傾向を辿りました。当社では、真のグローバル企業への質的転換を目指して「2015年中期経営計画」を本年4月1日よりスタートさせており、「売上拡大」及び「キャッシュ・フロー創出」を基本方針として掲げております。計画初年度に当たる2015年度の基本方針は「戦略市場への注力」と定め、車載、モーター、白物、産機、通信、新エネルギーなどのエコ・省エネ、グリーンエネルギー市場での「販売拡大」並びに「生産能力の拡充」に取り組んでまいりました。その最初の3カ月を経た当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、半導体デバイス製品の販売が伸び悩み、為替レートが円安にあったにも関わらず、前年同四半期に比べ横這いとなったほか、PS製品では通信関係の民間設備投資が一巡したことから販売が大きく減少したこともあり、売上高は361億98百万円と、前年同四半期に比べ3億93百万円(1.1%)減少いたしました。利益面では、売上の減少に加え、製品ミックスの変化や5月に導入した新基幹システム関連経費の増加があったこと等が影響し、営業利益は1億98百万円と、前年同四半期比14億46百万円(88.0%)の大幅減となりました。また、経常損失は1億37百万円(前年同四半期 経常利益15億15百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億2百万円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純利益7億56百万円)と、それぞれ損失を計上することとなりました。
事業セグメント別の概況につきましては、次の通りです。
半導体デバイス事業では、自動車向け製品の販売は、為替レートの円安傾向による押し上げもあり売上高は前年同四半期と比べ10.9%増加いたしました。エアコンや冷蔵庫など白物家電向け製品の販売は客先地域ごとの状況が大きく異なり、国内顧客市場は大幅減少、韓国顧客向け売上も横ばいとなるなか、中国顧客向けが売上を大きく伸ばし、全体で前年同四半期を2.9%上回る水準で推移しました。しかしながら、産業機械向けやTV・オーディオ向け製品の販売は大きく減少したことから、当事業の連結売上高は297億1百万円と、前年同四半期比19百万円(0.1%)の微増に留まりました。利益面では、売上が伸び悩んだことに加え、製品ミックスの変化や5月に導入した新基幹システム関連経費の増加があったこと等が影響し、連結営業利益につきましては13億16百万円と、前年同四半期に比較し11億77百万円(47.2%)の大幅減少となりました。
PM事業では、オフィス用プリンター向け製品及び産業機械向け製品等の販売は前期と同水準で推移しましたが、新興国向け堅牢タイプのアダプター製品は売上を拡大させました。この結果、当事業の連結売上高は40億68百万円と、前年同四半期比4億59百万円(12.7%)増加いたしました。その一方で損益面につきましては、製造設備投資に伴う償却費負担などにより、連結営業損失2億85百万円(前年同四半期 営業損失2億38百万円)を計上することとなりました。
PS事業では、携帯電話を中心とした民間通信設備の大型投資が一巡したことに伴い関連電源製品の販売が大幅に減少したことに加え、その減少を補完すべき新エネルギー分野での製品販売も力強さに欠けたことなどから、売上は低調に推移しました。この結果、当事業の連結売上高は24億28百万円と、前年同四半期比8億71百万円(26.4%)減少いたしました。損益面につきましては、連結営業損失1億23百万円(前年同四半期 営業損失62百万円)を計上することとなりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における資産の部は、1,950億94百万円となり、前連結会計年度末より18億27百万円増加いたしました。これは主に、棚卸資産が51億57百万円、有形固定資産が30億75百万円増加し、受取手形及び売掛金が62億13百万円減少したことなどによるものであります。
負債の部は、1,319億12百万円となり、前連結会計年度末より16億66百万円増加いたしました。これは主に、社債が150億円増加し、コマーシャル・ペーパーが125億円減少したことなどによるものであります。
純資産の部は、631億82百万円となり、前連結会計年度末より1億60百万円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定が11億円増加し、利益剰余金が10億26百万円減少したことなどによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。
②基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み
当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。
また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。
コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。
当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なうような大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は44億7百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。