有価証券報告書-第97期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 14:58
【資料】
PDFをみる
【項目】
116項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成26年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
(1) 戦略リスク
①新製品開発
当社グループは、技術進歩や製品サイクルの変化が著しいエレクトロニクス業界にあって、市場のニーズに合った製品を開発し、市場に投入していく必要があります。当社グループは常に市場動向を把握し研究開発に取組んでおりますが、製品のタイムリーな市場投入が出来なかった場合あるいは製品が市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②価格競争
エレクトロニクス業界における価格競争は、激化の一途を辿っております。特に中国をはじめ東南アジアを生産拠点とする競合企業の台頭は当社製品の価格決定に大きな影響を及ぼしております。価格競争は今後とも厳しさを増していくものと予想されますが、当社グループは一層の原価低減に努めるとともに、当社固有の技術を生かした付加価値の高い製品を市場投入することなどによってこれに対応してまいります。しかしながら、当社の価格引下げへの対応力を上回るような競合企業による低価格製品の出現あるいは取引先の需要の変化があった場合、当社グループの収益性を低下させ、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③資金調達
当社グループは、設備投資、研究開発などのための必要資金の調達方法として、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入等を行っております。当社に対する債券市場あるいは金融機関からの信用が低下した場合、こうした資金調達手段が制限されるか、もしくは調達コストが上昇し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④知的財産権
当社グループは、自ら開発した技術とノウハウを用いて競合他社との製品の差別化を図っており、これら独自の技術を保護するために必要に応じてでき得る限り知的財産権の出願、登録を行っております。しかしながら海外の国、地域によっては、知的財産権による保護が不十分な場合があり、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。一方、当社グループの事業に関連した知的財産権が第三者に成立した場合、または、当社グループの認識し得ない知的財産権が存在した場合においては、知的財産権を侵害したとの第三者の主張に基づき、ロイヤリティーの支払要求、当該知的財産権の使用禁止もしくは訴訟の提起がなされ、これらにより費用負担の増加が生じまたは製品の開発・販売が制限される可能性があります。
(2) 外部環境リスク
①経済環境
当社グループは、日本国内のほか、アジア、北米、欧州等の海外各国、地域において生産を行っており、連結ベースの生産高に占める海外生産高の割合は平成24年3月期が44.0%、平成25年3月期が45.4%、平成26年3月期が50.5%となっております。また、連結ベースの海外売上高は平成24年3月期が53.0%、平成25年3月期が52.1%、平成26年3月期が56.0%となっております。このため当該各地域における経済動向などの環境変化により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②為替
当社グループの業績には、海外各国、地域における生産と販売が含まれており、当該各国、地域における現地通貨もしくは米ドルにて会計処理を行っていることから、円換算時の為替レートにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの売上高に占める輸出比率は平成24年3月期が34.1%、平成25年3月期が33.9%、平成26年3月期が36.8%となっており、このうち外貨建比率は平成24年3月期が90.4%、平成25年3月期が89.9%、平成26年3月期が91.2%となっております。かかる取引に伴う為替変動リスクに対して、当社グループは、製品並びに原材料の海外調達の拡大による債権債務・取引高のバランスヘッジ並びに為替予約取引等によりリスクヘッジを行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
さらに当社グループが生産を行う国、地域の通貨価値の上昇は、製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 内部環境リスク
①法的規則
当社グループは、日本を含め世界11の国、地域に生産・販売拠点を有し、各国、地域の定める様々な法令、規則、規制等(以下、「法的規制」)の適用を受け、事業が成立しております。加えて、当社グループが全世界において生産・販売等に必要な技術・製品・材料等の輸出入につきましては、展開する各国、地域の定める関税、貿易、為替、戦略物資、特定技術、独占禁止、特許、環境等に関する法的規制の適用を受け、事業活動を展開しております。万一、これらの法的規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限されることはもとより社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②品質問題
当社グループは、顧客の品質基準及び当社の品質基準を満足する各種製品を供給しております。品質管理体制を維持向上させるために品質管理に関する国際基準ISO9001の認証を取得し、必要に応じてUL規格等、製品の安全規格への適合認定も取得しています。しかしながら、将来、全ての製品について欠陥がなく、また製品の回収、修理等が発生しないという保証はありません。大規模な製品の回収、修理等及び損害賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③環境問題
当社グループは、各生産拠点が存在する国、地域の環境汚染、公害防止に関する法的規制を遵守することはもちろん、環境保護に関する国際基準ISO14001の取得を進めるなど、環境対策に取組んでおります。また、製品の製造過程で使用する環境負荷物質及び製品に含有する環境負荷物質の把握・削減に努めております。これらの規制を遵守できなかった場合、環境負荷物質を大量漏洩させる事故を起こした場合、あるいは含有が禁止されている環境負荷物質を製品から排除できなかった場合、その改善のために多額のコストが生じるほか、事業活動の制限、顧客への賠償責任、社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記項目のほか、当社製品が使われるエレクトロニクス製品の技術動向や市場環境が激変することで、当社製品に対する需要が減少する可能性があります。また、原材料の高騰や、生産拠点、資材調達先における天災、火災、社会、通信インフラ障害の発生等、さまざまな災害の発生に加え、各国、地域の法令、税制等の大幅な変更や戦争、テロ、疫病の蔓延など、予期し得ないカントリーリスク、更には、製品の欠陥による人命、社会環境、企業活動への影響と、これによる訴訟・賠償等のリスク、退職給付債務の算定基礎率の変動や、情報システムの拡大による個人情報を含む会社情報の不正使用に伴うリスクが発生する可能性があります。
これらリスクのいずれかあるいは複数が発生し、結果として社会的信用の低下や事業活動の停滞、多額の損失の発生などにつながった場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。