有価証券報告書-第86期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 15:19
【資料】
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【項目】
158項目

経営上の重要な契約等

(業務提携基本契約の締結について)
当社及びアルパイン株式会社(以下「アルパイン」といい、当社とアルパインを総称して「両社」といいます。)は、2018年7月27日付のそれぞれの取締役会において、以下のとおり、業務提携を行うことについて決議いたしました。
1.業務提携の理由
2017年7月27日付「アルプス電気株式会社とアルパイン株式会社の経営統合に関するお知らせ(アルプス電気株式会社とアルパイン株式会社の株式交換契約の締結(簡易株式交換)並びにアルプス電気株式会社の会社分割による持株会社体制への移行及び商号変更その他の定款の一部変更)」(以下「経営統合プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、持株会社体制への移行を伴う経営統合(以下「本経営統合」といいます。)に向けて、両社間で、当社を株式交換完全親会社とし、アルパインを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)に係る株式交換契約を締結し、その後、2018年2月27日付「アルプス電気株式会社とアルパイン株式会社の経営統合のスキーム変更及び持株会社名の変更に関するお知らせ(アルプス電気株式会社とアルパイン株式会社の株式交換契約の一部変更(簡易株式交換)並びにアルプス電気株式会社の会社分割の中止及び商号変更その他の定款の一部変更)」においてお知らせいたしましたとおり、本経営統合後の経営体制を純粋持株会社体制から事業持株会社体制に変更した上で、カンパニー制を導入すること(以下「本変更」といいます。)を決定し、両社間で、本変更に伴って必要となる変更を行うための株式交換契約の変更に関する覚書を締結いたしました(注)。両社は、日本及び海外各国の競争法上の関係当局への本経営統合に関する企業結合申請を行って参りましたところ、本年6月までにその全ての手続が完了いたしました。 これを受けて、当社及びアルパインは、両社が競合する製品分野以外において、本経営統合を前提とした業務提携を行うべく、2018年7月27日、両社の企業価値の更なる向上を目指すと共に、本経営統合によるシナジー効果の着実な実現を図ることを目的として業務提携基本契約(以下「本業務提携基本契約」といいます。)を締結いたしました。
(注)さらに、両社は、2018年7月27日付「ストック・オプションの発行等に伴うアルプス電気株式会社とアル
パイン株式会社の株式交換契約の一部変更(簡易株式交換)に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、2018年7月27日付の両社の取締役会の決議に基づき、アルパインが、2018年7月23日に実施したアルパインの取締役(非業務執行取締役、監査等委員である取締役を除く。)に対するストック・オプションとしての新株予約権の発行に伴って必要となる変更等を行うための本株式交換契約の変更に関する覚書を締結いたしました。
2.業務提携の内容等
本業務提携基本契約に基づき、当社及びアルパインは、今後、競合する製品分野以外において、営業分野では、戦略製品の共同プロモーション、開発分野では、戦略製品の開発ロードマップ策定及び共同開発推進、生産分野では、生産技術・生産拠点の相互活用推進、品質分野では、評価・解析設備の相互活用、調達分野では、集中購買強化及び開発購買機能強化を前倒して行います。また、両社の共通機能及び協業事業における人員の集中化と最適化を加速し、比較的短期にシナジー効果を発現可能な分野から着実かつ迅速に取り組んでまいります。組織としても、これまで統合準備委員会として本経営統合の協議を行ってきた会議体の名称を本業務提携基本契約の締結を機に統合推進委員会に改め、メンバーと機能を充実させることで、実務的な側面から、2019年1月1日に実施した本経営統合による様々な分野でのシナジー効果の着実な発現を追求して参ります。
3.日程
(1) 取締役会決議日2018年7月27日
(2) 契約締結日2018年7月27日
(3) 本業務提携基本契約に
基づく提携開始日
2018年7月27日

(アルパイン株式会社による特別配当の実施が株式交換比率に与える影響についての検証結果について)
当社は、2018年9月14日付で、アルパインより、本株式交換がアルパインの臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)により承認を受けることを停止条件として、アルパインの株主に対して2018年10月15日を基準日とする1株当たり100円の特別配当(以下「本特別配当」といいます。)を行いたい旨の申入れを受け、本株式交換契約に基づき、アルパインとの間で本特別配当の実施について協議を行って参りました。
当社は、本特別配当の実施により、アルパインの財務予測に変動が生じることから、本株式交換契約において両社の間で合意された株式交換比率(以下「本株式交換比率」といいます。)について見直しが必要であるかについて検証(以下「本検証手続」といいます。)を実施いたしました。
当社は、本検証手続の結果を踏まえ、2018年9月27日付の当社の取締役会の決議により、アルパインによる本特別配当の実施に合意すること及び本株式交換比率の見直しを行わないことを決定し、アルパインとの間で、本特別配当の実施を合意いたしました。
1.本検証手続の目的
当社は、本特別配当の実施により、アルパインの財務予測に変動が生じることから、本株式交換比率を変更しないことが当社の株主の皆様の利益を損ねるおそれがあるため、本特別配当の実施を前提とした場合でも、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であるかに関して検証を実施することといたしました。
2.本検証手続きの内容
(1)本検証手続の方法
当社は、本検証手続に際し、当社及びアルパインから独立した第三者算定機関である野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対して、本特別配当の実施を前提に、本株式交換比率の再算定を依頼しました。当社は、当該再算定に伴い、当社の財務予測の期間を2019年3月期から2021年3月期までに更新するとともに、アルパインより、同様に更新した財務予測を入手した上で更新の内容を確認することに加え、当該財務予測に関して同社に対する質疑応答を実施すること等によりその妥当性を検証いたしました。当社は、本特別配当の実施を前提に、本株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、野村證券から2018年9月26日付で本株式交換に係る株式交換比率算定書(詳細については、下記(2)「算定の内容」に記載のとおりです。)の提出を受けております。なお、当社は、本検証手続にあたり、野村證券から、本株式交換比率が当社にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
また、当社は、当社の本経営統合の法務アドバイザーであり、当社及びアルパインからの独立性が認められる森・濱田松本法律事務所から本検証手続及び取締役会の意思決定の方法・過程等について法的な観点から助言を受けております。
(2)算定の内容
野村證券は、当社については、当社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、また当社には比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて将来の事業活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を、それぞれ採用し算定を行いました。
アルパインについては、同社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、またアルパインには比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を、それぞれ採用し算定を行いました。
なお、市場株価平均法については、①当社が野村證券から2017年7月26日付で受領した本株式交換に係る株式交換比率算定書に掲載され、2017年7月27日付の当社の取締役会が決議に際して参照した、本株式交換の影響を受けていないと考えられる、2017年7月25日を基準日(以下「基準日①」といいます。)として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部における当社及びアルパインそれぞれの普通株式の2017年1月26日から基準日①までの直近6ヶ月間の終値平均値、2017年4月26日から基準日①までの直近3ヶ月間の終値平均値、2017年6月26日から基準日①までの直近1ヶ月間の終値平均値、2017年7月19日から基準日①までの直近1週間の終値平均値及び基準日①の終値を基とする分析(以下「市場株価平均法①」といいます。)、②本検証手続を踏まえた当社の取締役会決議直前の2018年9月25日を基準日(以下「基準日②」といいます。)として、東京証券取引所市場第一部における当社及びアルパインそれぞれの普通株式の2018年3月26日から基準日②までの直近6ヶ月間の終値平均値、2018年6月26日から基準日②までの直近3ヶ月間の終値平均値、2018年8月27日から基準日②までの直近1ヶ月間の終値平均値、2018年9月19日から基準日②までの直近1週間の終値平均値及び基準日②の終値を基とする分析(以下「市場株価平均法②」といいます。)をそれぞれ行いました。
また、野村證券は、類似会社比較法及びDCF法において、本特別配当に伴う株主への現金流出価額を当社及びアルパインそれぞれの株式価値に織り込んでおります。
当社の1株あたりの株式価値を1とした場合のアルパインの評価レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定結果
市場株価平均法①0.51~0.54
市場株価平均法②0.74~0.78
類似会社比較法0.57~1.13
DCF法0.56~0.79

野村證券は、上記株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報、一般に公開された情報等を使用し、それらの資料、情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、両社及びその関係会社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。野村證券の株式交換比率の算定は、算定基準日である2018年9月25日現在までの情報(本特別配当を含みます。)及び経済条件を反映したものであり、また、両社の各々の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。
野村證券がDCF法による算定の前提とした当社及びアルパインの利益計画には、大幅な増減益が見込まれている事業年度はありません。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
また、野村證券は、上記(1)「本検証手続の方法」に記載のとおり、本検証手続にあたり、当社に対して、本株式交換比率が当社にとって財務的見地から公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は提出しておりません。
(3)本検証手続の結果
当社は、当社による両社の最新の財務予測に係る更新要因を含む内容の確認及び妥当性の検証、本特別配当の目的、内容、条件、効果及びその協議内容、野村證券による算定の内容並びに森・濱田松本法律事務所からの助言等を踏まえて慎重に協議・検討を行いました。
その結果、上記(2)「算定の内容」に記載のとおり、本特別配当が実施された場合であっても、本株式交換比率は類似会社比較法及びDCF法の評価レンジの範囲内であること、本特別配当の規模は、本株式交換比率を決定した際に前提としていたアルパインの財務予測とその後の上方修正によって生じた差額を上回る規模ではなく、本株式交換比率の妥当性に重大な影響を与えるものではないこと等から、当社は、本特別配当の実施を前提とした場合でも、本株式交換比率は妥当であり、株主の皆様の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。その上で、本株式交換公表後のアルパインの業績や2018年6月21日開催のアルパイン第52回定時株主総会における議決権行使結果、直近の両社の市場株価の動向等を踏まえ、本特別配当の実施に合意することが本経営統合のスムーズな実現につながり、当社株主の皆様の利益につながるものと判断いたしました。
これらの検討結果を踏まえ、当社は、2018年9月27日付の当社の取締役会の決議により、アルパインによる本特別配当の実施に合意すること及び本株式交換比率の見直しを行わないことを決定し、アルパインとの間で、本特別配当の実施を合意いたしました。