臨時報告書

【提出】
2020/01/09 9:19
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。)第179条第1項に規定する特別支配株主である東芝インフラシステムズ株式会社(以下「東芝インフラシステムズ」といいます。)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本売渡請求」といいます。)の通知を受け、2020年1月8日開催の取締役会において本売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年1月8日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号東芝インフラシステムズ株式会社
本店の所在地神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
代表者の氏名代表取締役社長 今野 貴之

(3)当該通知の内容
東芝インフラシステムズは、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、東芝インフラシステムズ及び当社を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「本売渡株式」といいます。)の全部を東芝インフラシステムズに売り渡すことの請求を行うことを決定したとのことであり、当社は、2020年1月8日付で東芝インフラシステムズから以下の内容の通知を受領いたしました。
① 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本売渡請求により売渡株主に対して売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号及び第3号)
東芝インフラシステムズは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その所有する本売渡株式1株につき240円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2020年3月1日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
東芝インフラシステムズは、本売渡対価を、株式会社東芝(以下「東芝」といいます。)との間の1998年5月21日付「資金取引に関する基本契約書(1)」に基づく借入金により支払うことを予定しており、東芝には本売渡対価に相当する資金の東芝インフラシステムズに対する貸付けのための十分な資金余力があることを確認しております(東芝の現預金残高及び負債等の状況については、東芝が2019年11月13日に提出した第181期第2四半期報告書に記載された連結貸借対照表をご参照ください。なお、東芝によれば、東芝の現預金残高や負債等は当該連結貸借対照表から当該貸付けに影響を与えるような重大な変化はありません。)。
⑥ その他の本売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日後合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付について東芝インフラシステムズが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2.本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年1月8日
(2)当該決定がされた年月日
2020年1月8日
(3)当該決定の内容
東芝インフラシステムズからの通知のとおり、同社による本売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
東芝インフラシステムズが2019年11月14日から2019年12月25日までを買付け等の期間として行った当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が2019年11月14日に提出いたしました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本売渡請求は、本公開買付けの結果、東芝インフラシステムズが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(但し、東芝インフラシステムズが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を東芝インフラシステムズの完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されています。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、本取引は当社の企業価値の一層の向上に資するものであるとの結論に至りました。
当社は、2019年9月6日に、東芝インフラシステムズから提案書の提出を受け、さらに、同月18日に当社に対して本取引の提案に至った背景及び本取引の意義・目的について初期的説明を行う書面の提出を受けました。これを受けて、当社は、東芝インフラシステムズが当社の親会社であり、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、東芝インフラシステムズと少数株主の間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を確保するための体制を速やかに構築するため、2019年9月中旬に当社のファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、下記の本特別委員会の承認を得られることを条件としてそれぞれ選任し、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に当たっての留意点等についての法的助言を踏まえ、2019年9月27日に開催した臨時取締役会において、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)(本特別委員会の設置までの経緯、構成及び具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置する旨を決議し、本特別委員会を同日設置するとともに、(a)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(b)当社取締役会における本公開買付けについての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものではないかを検討し、当社取締役会に意見を述べること(総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問しました(なお、諮問事項(a)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するかという観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとして諮問しております。)。また、当社は、上記の2019年9月27日に開催された臨時取締役会において、当社取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び本特別委員会が取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、取引条件等について東芝インフラシステムズと交渉を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任すること(この場合の費用は当社が負担するものとされております。)、又は当社の財務若しくは法務等のアドバイザーを指名し、若しくは承認(事後承認を含みます。)すること、並びに当社の役職員から本公開買付けの検討及び判断に必要な情報を受領することの権限を付与することを決議しました。
これを受けて、本特別委員会は、2019年9月27日、(ⅰ)当社において、ファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任することを承認するとともに、(ⅱ)東芝インフラシステムズ及び当社を含む東芝グループ(注)並びに本取引から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、東芝インフラシステムズ及び当社を含む東芝グループ並びに本取引から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任し、本取引に係る検討・交渉を行う体制を構築しました。
(注)東芝グループは、東芝及び連結子会社337社(2019年9月30日現在)で構成されており、「エネルギーシステムソリューション」、「インフラシステムソリューション」、「ビルソリューション」、「リテール&プリンティングソリューション」、「デバイス&ストレージソリューション」、「デジタルソリューション」及び「その他」の7部門に関係する事業を主として行っております。
かかる体制の下で、本特別委員会は、本取引に係る東芝インフラシステムズの提案内容を踏まえ、当社の事業内容、事業環境並びに既存の事業計画の内容等について当社経営陣と複数回協議を行い、本取引が当社の企業価値に与える影響について検討を重ねました。また、本特別委員会は、東芝インフラシステムズとの間においても、当社経営陣若しくはSMBC日興証券に指示を行い、又は東芝インフラシステムズと直接面談を行い、本取引が当社の企業価値に与える影響について協議を重ねました。
また、当社が2019年10月15日に東芝インフラシステムズより公開買付価格を1株当たり185円とする提案を受領して以降、本特別委員会が、本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングから受けた当社の株式価値の算定結果や東芝インフラシステムズとの交渉方針等を含めた財務的な助言を踏まえ、また当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から聴取した当社の株式価値の算定結果や東芝インフラシステムズとの交渉方針等を含めた財務的な意見を踏まえ、東芝インフラシステムズとの間で、公開買付価格を含む本取引に関する取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。その結果、本特別委員会は、2019年11月8日に、東芝インフラシステムズから、以下に記載するとおり当社の株主の皆様に対して合理的な価格により株式の売却機会を提供するものと当社が判断する、公開買付価格を1株当たり240円とする最終提案を受けるに至りました。
そして、2019年11月8日の東芝インフラシステムズの最終提案を受け、本特別委員会は、当社がSMBC日興証券から提出を受けたSMBC日興証券作成の当社の株式価値の算定結果に関する2019年11月12日付株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC)」といいます。)、並びに、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けたプルータス・コンサルティング作成の当社の株式価値の算定結果に関する2019年11月12日付株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び普通株式1株につき240円という公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の2019年11月12日付意見書(フェアネス・オピニオン)(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)等も考慮し、2019年11月12日付答申書(以下「本答申書」といいます。)を作成し、当社は同日本特別委員会から本答申書の提出を受けました(本答申書の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
その上で、当社は、森・濱田松本法律事務所から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に当たっての留意点等についての法的助言、本株式価値算定書(SMBC)、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、上記本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に検討を行いました。
その結果、当社としても、東芝インフラシステムズの完全子会社となることでより効率的な経営を行えるようになり、当社の課題の解決に向けた取り組みについてもより機動的に実行していくことが可能になるものとの結論に至りました。
具体的には、当社と東芝インフラシステムズとの連携がこれまで以上に深まることで、以下の(ア)から(オ)の相乗効果を見込むことができ、結果として、本取引が成立した際には、当社を含む東芝グループ全体として、更なる企業価値向上が可能になるものとの結論に至りました。
(ア)グループ間でのシームレスな協業体制構築による顧客基盤の更なる拡大
本取引を実行することで、これまで東芝グループでありながら上場会社としての独立性及び自主性を維持するという観点から限定的な範囲でしか実現できていなかった、東芝グループの顧客基盤や情報等の積極的な活用が可能となることで、当社既存取引先にとどまらない国内及び海外の多様な顧客を獲得できる機会が増加し、商流の拡大が期待されます。
具体的には、船舶用電機システム分野においては、東芝グループの重要な取引先である荷主等に関する顧客ニーズに関し緊密な連携体制を構築することで、建造船舶における受注精度の向上が期待されます。当社と東芝インフラシステムズにおいては、リチウムイオン電池搭載船などの新分野で協業の実績を上げておりますが、本取引により東芝インフラシステムズからの更なる技術支援が期待され、当該新分野でのビジネスの拡大が期待されます(技術支援に関しては、下記(イ)をご参照ください。)。また、船舶用電気推進システム(以下「当該システム」といいます。)においては、当社を含む日本の船舶関連企業は、当該システムのうちコンソール、配電系、発電機、電動機など各部分の製品ごとに各社の得意分野があり、1社で一括して当該システムを納入することはありませんが、海外大手メーカーではこれらの当該システムを1社で一括して納入することができるため、高い競争力を持っており、当社の脅威となっております。本取引により東芝インフラシステムズからの技術支援を受けながら密接に協力することにより、当該システムを一括で納入できる体制を構築し、海外大手メーカーに対抗することも可能であると考えております。また、東芝インフラシステムズと東芝が知見を持つスマートグリッド(電力の流れを供給・需要の両側から制御し、最適化できる送電網)は、船舶の電装系に応用が可能と考えており、当社の船舶用電機システム分野でのビジネスの拡大が期待されます。
発電・産業システム分野においては、東芝インフラシステムズの重要な取引先である省庁、地方自治体、データセンター、都市開発事業者、病院、大学等への当社製品の販路拡大や、省エネ、受変電、UPS(無停電電源装置)、電池、自家発電を含めたトータル提案によるビジネス機会の拡大が期待されます。また、過去に東芝インフラシステムズが製品を納入した実績のある顧客に対する、製品のリプレース、リニューアル案件の捕捉が容易となり、ビジネス機会が拡大することが期待されるとともに、当社の子会社である西芝エンジニアリング株式会社の保守・サービス事業のビジネス機会の拡大も期待されます。また、東芝インフラシステムズの直接の販路だけでなく、東芝インフラシステムズの代理店を通じた取引先の拡大も期待されます。従いまして、本取引により、当社単体では組織体制の観点で充実が難しかった営業力を強化することもできると考えております。
(イ)東芝グループ経営資源・ノウハウ共有の最大化
本取引を通じて、東芝グループの経営資源(人材、技術、品質管理ノウハウ等)の最大限の活用ができるようになると考えております。
設計製造分野において、東芝グループとは、技術交流会を定期的に開催し、各製造拠点の改善事例の共有等を行っておりますが、現行の東芝インフラシステムズの当社に対する出資比率の兼ね合いもあり、研究部門、回転機設計部門、生産技術部門等の一部の限定的な範囲でしか行えておりませんでした。
当社が東芝インフラシステムズの完全子会社となることにより、東芝グループの技術共有システムを介した情報へのアクセスレベルが向上し、東芝グループのより最新の技術に関する知見・ノウハウの共有を図れることで、当社技術力・品質管理ノウハウの一層の向上が期待されます。特に、東芝グループの研究している回転機系の寿命診断、故障診断の当社製品への転用が期待されます。また、東芝インフラシステムズのシステムエンジニアリング力の技術的供与により、当社の船舶事業における製品の品質向上及び事業規模の拡大が期待されます。また、技術に留まらず、生産性向上・働き方改革においても、東芝グループの先進的な事例を当社に取り込むことが期待されます。
また、現在以上に東芝グループ内での人材交流の活発化・容易化が進むと期待され、技術者のみならず、品質管理、経営管理等の人材に関しても、グループ全体での最適な人材配置、人的資源の有効活用が期待されるとともに、当社の人材開発の強化が期待されます。特に、当社では大学卒の理系人材の採用、確保が喫緊の課題であり、当社のニーズに合致した人材交流の強化が特に期待されます。
(ウ)効率的な生産体制・価格競争力の強化
現在、当社は調達部門において、東芝グループの集中購買活動に参加し、鋼材、厚板、銅等の素材を集中購買することでコスト低減メリットを受けておりますが、本取引によってこれらの取り組みにおいて更なる深耕が図れるものと考えております。また、東芝グループから製品の調達をしておりますが、当該グループ内取引に係る管理手続きが簡素化されることが期待されます。
加えて、東芝グループの生産技術の導入や、東芝グループの保有する広範な顧客基盤から得られる顧客ニーズの生産への活用、生産設備導入や既存設備の改善におけるサポートを受けること等により、現在以上に生産効率が向上し、コスト改善効果と相まって、結果として当社価格競争力を向上させることができると期待しております。
(エ)東芝グループの経営戦略を踏まえた意思決定の迅速化
前述のとおり、価格競争が更に激化するとともに、当社として更なる事業発展のために高付加価値製品の開発、拡販と、海外展開の強化が求められている事業環境のなか、東芝グループとしての経営戦略を当社経営判断に迅速に反映させる必要があると考えております。また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施に至った目的及び背景並びに本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおり、東芝グループは、当社を含む東芝グループ全体での電源インフラ事業の一体的な事業推進を今まで以上に促進する方針とのことです。当社としても一体的な事業推進によって、当社を含む東芝グループ全体の企業価値がより向上するものと考えております。
その過程において、現状の資本関係においては、東芝グループの一員として東芝グループ全体の利益のために行動することを検討する場合であっても、当社の少数株主の利益にも配慮することが必要になります。例えば、当社生産設備の老朽化対策やさらなる省人化を含むより効率的な生産体制構築に向けて、今後も相当額の生産設備への投資が必要と考えており、短期的な利益に捉われない投資スタンスが重要になってくるものと考えております。一例を挙げれば、当社工場の老朽化した変電所の更新等の工場インフラの整備は、緊急のものではなく直接的・短期的には収益向上につながりませんが、将来にわたって事業を継続し成長し続けるために必要な投資であり、長期的視点に立った投資の判断が必要となります。東芝インフラシステムズの完全子会社となることによって東芝グループ全体の利益を追求することができるようになり、東芝グループ全体の企業価値が向上することに加え、当社としても市場変化に迅速に対応することで取引量の拡大、機会損失の回避などにより、企業価値が向上すると期待されます。
(オ)上場維持コストの解消
経済産業省策定の2019年6月28日付「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」において、上場子会社においては、取締役会における独立社外取締役の比率を高めることを目指すことが基本とされているなど、親子上場に対する経営監視の目が一層厳しくなっている昨今において、当社及び子会社2社(以下当社と併せて「当社グループ」といいます。)としての独立性の維持を意識した上で上場を維持するためには、増員の要請が予想される社外取締役の確保等の負担が極めて大きく、本取引によって非上場化を実現することにより、このような負担から解放されるほか、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他のコストなど、上場維持によるその他の経営負担も解消され、事業成長への経営資源の集中を図ることが可能となり、当社グループの企業価値の向上に資すると考えております。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な価格により株式の売却機会を提供するものと判断いたしました。
(ⅰ)本公開買付価格は、当社において本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、十分な交渉が重ねられた結果合意された価格であること
(ⅱ)本公開買付価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載されている本株式価値算定書(SMBC)の市場株価法に基づく算定結果の上限を上回るものであり、かつ、類似上場会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジに入っていること
(ⅲ)本公開買付価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 本特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載されている本株式価値算定書(プルータス)の市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果の上限を上回るものであり、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジに入っており、また、同「(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要」に記載されているとおり、プルータス・コンサルティングより本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオンが提出されていること
(ⅳ)本公開買付けの公表日の前営業日である2019年11月12日の東京証券取引所市場第二部における当社株式の終値220円に対して9.09%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算について同じとします。)、2019年11月12日から過去1ヶ月間の終値単純平均値168円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値について同じとします。)に対して42.86%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値150円に対して60.00%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値140円に対して71.43%のプレミアムが加算されていること。また、本取引に関する一部報道機関による憶測報道等がなされる前の株価が確認できる直近の取引日である2019年11月11日の東京証券取引所市場第二部における当社株式の終値170円に対して41.18%、2019年11月11日から過去1ヶ月間の終値単純平均値165円に対して45.45%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値149円に対して61.07%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値140円に対して71.43%のプレミアムが加算されていること
(ⅴ)本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本特別委員会からの本答申書において、本取引の取引条件の妥当性及び手続の公正性が認められるとされていること
以上より、当社は、2019年11月13日開催の当社取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
当該取締役会の意思決定過程の詳細については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議のない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2019年12月26日、東芝インフラシステムズより、本公開買付けの結果について、当社株式14,962,279株の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2020年1月7日(本公開買付けの決済の開始日)付で、東芝インフラシステムズの有する当社株式の議決権所有割合(注)は92.68%となり、東芝インフラシステムズは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注)「議決権所有割合」とは、当社が2019年10月30日に提出した第95期第2四半期報告書(以下「本四半期報告書」といいます。)に記載された2019年9月30日現在の当社の発行済株式総数(39,176,000株)から本四半期報告書に記載された2019年9月30日現在当社が所有する自己株式数(57,483株)を控除した数(39,118,517株)に占める割合(なお、小数点以下第三位を四捨五入しています。)です。
このような経緯を経て、当社は、東芝インフラシステムズより、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、会社法第179条第1項に基づき、本売渡請求をする旨の通知を、2020年1月8日付で受領しました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社取締役会は、2020年1月8日、(ⅰ)本売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおりの過程及び理由により、本取引により当社の企業価値の一層の向上が見込まれると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(ⅱ)本売渡株式1株につき240円という本売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であること及び本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等から、本売渡株主の皆様にとって合理的な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると考えられること、(ⅲ)東芝インフラシステムズは、本売渡対価を、完全親会社である東芝からの借入れを原資として支払うことを予定しているところ、東芝が2019年11月13日に提出した第181期第2四半期報告書に記載された連結貸借対照表上の東芝の現預金残高及び負債等の状況、並びに、東芝による、東芝の現預金残高や負債等は当該連結貸借対照表から売渡対価に相当する資金の東芝インフラシステムズに対する貸付けに影響を与えるような重大な変化はないとの東芝インフラシステムズへの説明を踏まえると、東芝には当該貸付けのための十分な資金余力があるとする東芝インフラシステムズの確認結果に不合理な点はないこと等から、東芝インフラシステムズによる本売渡対価の支払いのための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降2020年1月8日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本売渡請求の条件等は適正であると判断し、小林一三氏、中村尚久氏、望月康生氏及び髙谷淳氏を除く取締役全員(7名)で審議を行い、その全員の一致により、東芝インフラシステムズからの通知のとおり、本売渡請求を承認する決議をいたしました。また、同取締役会に出席した監査役(監査役4名中、出席監査役1名(本特別委員会の委員である社外監査役の中上幹雄氏))が、上記決議を行うことに異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である小林一三氏、並びに取締役である中村尚久氏、望月康生氏及び髙谷淳氏は、東芝インフラシステムズの親会社である東芝に在籍していたことがあり、かつ髙谷淳氏は東芝インフラシステムズからの出向者であるため、利益相反回避の観点から、本取引に関し東芝インフラシステムズとの間で当社取締役の立場として協議及び交渉をしておらず、本売渡請求に係る当社取締役会における議案の審議には一切参加しておりません。また、当社監査役のうち管野義知氏は東芝グループに所属する北芝電機株式会社に在籍していたことがあり、蓮見正行氏は東芝インフラシステムズの親会社である東芝に在籍していたことがありかつ東芝グループに所属する東芝デバイスソリューション株式会社の監査役を兼務しており、野田繁直氏は東芝インフラシステムズの親会社である東芝の従業員としての地位を有しているため、利益相反回避の観点から、上記取締役会の審議には一切参加しておりません。
以 上