有価証券報告書-第81期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/28 14:14
【資料】
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【項目】
129項目

研究開発活動

研究開発部門では中・長期展望における将来商品の基礎となる新技術の研究開発及び工法開発を行っております。水晶デバイスへのニーズに応えるべく、狭山事業所を中心に、研究開発体制を強化し、次世代の周波数制御・選択・検出デバイスの開発とともにその核となる設計技術及びプロセス技術に関する研究開発を行っております。
これら研究開発の主対象分野と当連結会計年度における活動成果は次のとおりであります。
(1) 水晶振動子、水晶発振器関連
5G、ADAS、IoTなどの社会ニーズに対応し、移動体通信や情報端末機器、固定通信の無線基地局や光ネットワーク通信による情報通信装置、産業用電子応用機器、高信頼性が要求される車載用機器等に使われる水晶振動子、水晶発振器の開発を行っております。
世界的に危機管理の必要性が叫ばれている中、情報通信インフラの役割は益々重要度を増しています。近年のデータトラフィックの急増による通信市場の急速な技術進展に対応した水晶デバイスに求められるニーズは「小型化」、「高精度化」、「低位相雑音化」に集約されます。これらを踏まえた商品開発等を積極的に推進しております。
① 業界最薄1.0×0.8mm サイズ超低背タイプ水晶振動子NX1008AB 1.0×0.8×0.25mm Max.
② MRI対応ペースメーカー用世界最小クラス1.2×1.0mmサイズ音叉型水晶振動子 NX1210VA 1.2×1.0×0.45mm typ.
③ 移動体通信(5G)用チップセット向け76.8MHz のサーミスタ内蔵水晶振動子NX1210AC 1.2×1.0×0.55mm typ.
④ 業界最高レベルの低加速度感度(Low g-Sensitivity)水晶振動子 3.2×2.5×0.72mm typ.
⑤ 車載安全用途向け2016サイズ水晶発振器 NZ2016SHA 2.0×1.6×0.7mm typ.
⑥ 2520サイズ小型・低位相ジッタタイプ差動出力水晶発振器(2.5×2.0×0.9 mm Max.)
位相ジッタ:max.100fs(発振周波数156.25MHz、電源電圧+2.5V/+3.3V、12kHz~20MHz)
⑦ 業界初、車載安全用途向け 3225 サイズ差動出力水晶発振器 NP3225SAA 3.2×2.5×1.0mm Max.
⑧ 業界最高レベル 小型・低位相ジッタ差動出力水晶発振器 NP2520SAB 2.2×2.0×0.9mm Max.
⑨ GNSS向け超小型TCXO NT1210AA 1.2×1.0×0.35mm typ.
⑩ 業界初(2020年7月当社調べ)小型高周波対応TCXO NT1612AJA 1.6×1.2×0.45mm typ.
発振周波数:76.8MHz フロア雑音:-160dBc/Hz @100kHz offset 位相ジッタ:110fs @12kHz to 20MHz
⑪ 業界最高-170dBc/Hz@100kHz offset(発振周波数26MHz、温度+25℃)の低位相雑音を実現したTCXO NT2016SJA 2.0×1.6×0.7mm typ.
⑫ 振動の影響を受けにくい低加速度感度(Low g - Sensitivity)TCXO NT2016SA 2.0×1.6×0.7mm typ./NT3225SA 3.2×2.5×1.1mm typ.
⑬ フロアノイズ-185dBc/Hz at 100kHz超低位相雑音 100MHz OCXO NH37M28LP 36×27×19mm typ.
⑭ 5G基地局向け高温対応(+95℃)の世界最小クラス7×5mm サイズOCXO NH7050SA 7.0×5.0×3.3mm typ.
⑮ 業界最高レベルの低フロアノイズ特性―180dBc/Hzを実現した超低位相雑音 VCXO NV13M09WU 13.8×9.2×2.8mm typ.
⑯ 宇宙用電子機器向け高信頼性水晶発振器(JAXA認定品)JAXA-QTS-2020/3001 15.8×15.8×3.5mm typ.
⑰ 経済産業省・NEDOの先導研究委託事業における委託契約締結と研究開発開始
「極限時刻同期に基づく革新的通信デバイスと応用開拓」の研究開発
(2) 水晶デバイス応用機器、超音波プローブ、光学製品関連、センサ機器
水晶の性質を生かして高付加価値の新分野における事業を目指し、高性能・高機能モジュールやそれらを使用した装置及び医療用超音波プローブの開発を推進しております。
① 味覚計測用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Auto TS
② 医療体外診断POCT(Point-Of-Care Testing)用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Lite
③ 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、高精度ガス計測センサ及び計測システムを開発
④ 新型コロナウイルス抗原検査用水晶振動子式センサ及び機器
2010年より販売している水晶振動子をセンサとするQCM法による理化学機器“NAPiCOS”シリーズを発展させ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査用のセンサ及び機器を開発中
⑤ 腹部診断3次元画像用コンベックス型メカニカル3D超音波プローブ
⑥ 医療及びヘルスケア市場向け回路内蔵超音波プローブにタブレット端末を接続した携帯型超音波診断装置を開発
⑦ 車載レーダに使用されるミリ波帯信号を周波数変換するミリ波帯ダウンコンバータを開発
⑧ 高級一眼レフカメラ及び高画質動画撮影機器向け光学フィルタを開発
なお、当連結会計年度における研究開発費は1,500百万円となりました。