有価証券報告書-第76期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 11:19
【資料】
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【項目】
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策を背景に企業収益や雇用環境の改善など緩やかな回復基調にあるものの、新興国経済の減速や円高の進行などにより先行きの不透明感が強まりました。
海外におきましても、米国・欧州などの先進国を中心に堅調な需要に支えられ緩やかながらも回復傾向を維持いたしましたものの、新興国を中心に弱さが見られました。
当社グループの関連する自動車業界におきましては、日本国内では軽自動車の自動車税増税等により新車販売が2年連続での減少となりました。また、米国では自動車販売が6年連続で増加し、欧州でも回復基調となりました。一方、中国では販売の伸びが鈍化し、多くの新興国における販売も減少いたしました。
このような市場環境のもと当社グループは、事業ポートフォリオの変革を掲げ、自動運転、自動駐車を中心としたセーフティアンドインフォメーション事業と「つながる」を実現するコネクティビティ事業を将来に向けての成長の柱として強化するとともに、これまで以上に日本中心の事業構造を海外へとシフトするなど、グローバル事業運営の強化を推進してまいりました。
当連結会計年度における業績の概要は次のとおりであります。
当社グループにおきましては、日本国内での販売は厳しい環境となりましたが、前期比での円安影響、米州、アジアにおけるOEM(相手先ブランドによる生産)市場の拡大及び新製品による寄与等があり、売上収益は2,162億27百万円と前期比8.9%の増収となりました。
また、損益面につきましては、増収による操業度改善、原価低減の推進等により、営業利益は115億51百万円と前期比56.4%の増益となりました。税引前当期利益は104億95百万円と前期比71.2%の増益、親会社株主に帰属する当期利益は77億43百万円と前期比58.8%の増益と、各段階利益においていずれも増益となりました。
セグメント別の業績概要は次のとおりであります。各セグメントの売上収益は外部顧客に対する売上収益を記載しており、各セグメントの利益は、営業利益であります。
(日本)
国内における新車販売の低迷、市場回復の遅れにより、当セグメントの売上収益は841億19百万円と前期比12.8%の減収となりました。一方、損益面につきましては、円安を受けた海外生産から国内生産への移管及び全社をあげた原価低減活動等により、営業利益は42億32百万円と97.7%の増益となりました。
(米州)
米国での好調な自動車販売、OEM市場向け新製品の導入、中米子会社のEMS(電子機器受託製造サービス)事業の拡大等により、当セグメントの売上収益は908億53百万円と前期比47.6%の増収、また、損益面につきましても営業利益は31億96百万円と119.2%の増益となりました。
(欧州)
欧州における自動車販売は好調を維持しているものの、モデル切り替えの端境期であり、当セグメントの売上収益は138億45百万円と前期比13.9%の減収となりました。一方、損益面につきましては、売上収益が減少したものの原価低減を推進した結果、営業利益は5億73百万円と前期比6.8%の増益となりました。
(アジア・豪州)
中国、タイでのOEM市場向け売上の拡大、北米向け製品生産増による操業度改善等により、当セグメントの売上収益は274億8百万円と前期比11.8%の増収、また、損益面につきましても営業利益は36億40百万円と11.8%の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、143億26百万円(前連結会計年度末残高は82億57百万円)となりました。
営業活動に関するキャッシュ・フローにつきましては、棚卸資産の増加がありましたものの、当期利益、減価償却費及び無形資産償却費等の計上、売上債権の減少および買入債務の増加により、194億65百万円の収入(前連結会計年度は133億44百万円の収入)となりました。
投資活動に関するキャッシュ・フローにつきましては、有形固定資産及び無形資産の取得等により、109億93百万円の支出(前連結会計年度は123億3百万円の支出)となりました。
財務活動に関するキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払、長期借入債務の償還等により15億83百万円の支出(前連結会計年度は69億8百万円の支出)となりました。
資金調達の概要
2015年6月にシンジケートローン80億円を組成いたしました。また、2016年2月にシンジケート方式により、マルチカレンシー・コミットメントライン総額100億円を組成いたしました。
(3) 並行開示情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項につきましては、日本基準に基づく連結財務諸表を作成しておらず、以下のとおり定性的な情報を記載しております。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんを一定期間に亘り償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。
(開発費の資産計上)
日本基準では、研究開発費の一部を資産化し無形固定資産に計上しておりました。IFRSでは、開発費の資産化要件に照らし資産として認識できない部分を研究開発費として計上しております。