臨時報告書

【提出】
2022/09/15 15:04
【資料】
PDFをみる

提出理由

当社は、2022年9月15日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合を目的とする2022年10月28日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1. 本株式併合の目的
当社が、2022年6月23日付の「Valencia株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)にてお知らせいたしましたとおり、Valencia株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、2022年6月23日、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)並びに公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピー(Cornwall Master LP)(注1)のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるような併合割合による当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)及びその後の端数株式の処理という一連の手続により、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式の全て(ただし、コーンウォール・マスター・エルピーが所有する全ての当社株式(1,131,900株、所有割合(注2):19.25%)(以下「本不応募株式」といいます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化する取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定しております。
(注1)「コーンウォール・マスター・エルピー(Cornwall Master LP)」とは、コーンウォール・キャピタル・マネジメント・エルピー(Cornwall Capital Management LP)及びそのグループ(以下「コーンウォール」と総称します。)が投資運用を行う投資ファンドがその出資持分の全てを所有するケイマン法上のリミテッド・パートナーシップとのことです。本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2022年6月23日付で、コーンウォール・マスター・エルピーとの間で、その所有する本不応募株式について、本公開買付けに応募しない旨を口頭により合意しているとのことです。
(注2)「所有割合」とは、当社が2022年6月29日に提出した第57期有価証券報告書(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2022年3月31日現在の当社の発行済株式総数5,879,501株から、当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(802株)を控除した株式数(5,878,699株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
そして、当社が、2022年8月9日付の「Valencia株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、2022年6月24日から2022年8月8日まで本公開買付けを行い、その結果、本公開買付けの決済の開始日である2022年8月16日をもって、当社株式3,386,743株(所有割合:57.61%)を所有するに至りました。
当社では、旧体制(注3)との決別を公表した2021年5月以降、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる充実とコンプライアンスの徹底をベースとした企業価値向上策に積極的に取り組んできたものの、株式市場の短期的な利益追求の要請等により、当社の貴重な経営資源が中核事業であるエレクトロニクス事業の日々の経営活動以外の短期的な利益追求を要請する株式市場への対応とその実施が求められ、エレクトロニクス事業の運営・拡大・管理といった日々の経営活動に専念することはできていないという課題があったことに鑑み、当社としてこれらの課題への中長期的な対処をいかに継続すべきか、取締役会にて議論を重ねてまいりました。その中で、コーンウォールから、当社の代表取締役社長兼CFOである武藤竜弘氏に対して当社の資本及び経営の方向性についての話し合いの打診を受け、2021年12月下旬から2022年1月上旬にかけて当社は、コーンウォールとの間で電話及び面談を通じて当社の上場廃止を伴う資本政策及び非公開化後のエレクトロニクス事業への経営資源の集中といった当社の資本及び経営の方向性について話し合いを行い、2022年1月21日、コーンウォールより当社の完全子会社化を含む本取引に関する正式な意向を表明する意向表明書(以下「本提案書」といいます。)の提案を受けました。かかる提案を受けて、コーンウォールに対し、2022年2月4日に本提案書につき前向きに検討する旨をメールで返答し、当社の取締役会においては、株主、取引先、従業員をはじめとする全てのステークホルダーの利益を確保し、より早期に当社の企業価値向上を実現させるにあたり、短期的な業績を重視しすぎることなく、株主還元を追及する株式市場からの要請等に左右されることなく構造改革を行うために、当社株式を非公開化し、当社の限られた経営資源をエレクトロニクス事業に集中させるという本取引の妥当性について、慎重に協議を重ねてまいりました。
(注3)「旧体制」とは、2020年2月中旬に発覚した、当社の完全子会社であるUniden America Corporationにおける不適切な会計処理を端緒とする、2020年3月期の決算確定の数度にわたる延期、過年度の有価証券報告書の訂正等の不適切な会計処理を引き起こし、基本的なガバナンス、監視、財務管理、倫理及びコンプライアンス機能の必要性が指摘されていた旧代表取締役会長の藤本秀郎氏(以下「藤本氏」といいます。)及び藤本氏に一切意見をしない取り巻きを中心とする経営体制のことを意味します。
その結果、当社は、短期的な増配を要求する株主が登場するなど、不測の事態への対応に相当な経営資源を割く必要が生じる等の課題を抱えていたことから上場を維持し様々な課題に単独で対処するよりも、公開買付者をスポンサーとする非公開化を主たる内容とする本取引をした場合、上場を維持し様々な課題に対処しなければならない労力を抜本的な構造改革に充てられることを通じて、経営活動以外の短期的な利益追求を要請する株式市場への対応に充てられていた経営資源をエレクトロニクス事業に集中させることができ、これにより企業価値向上を早期に実現できる可能性を高めることができるとの判断の下、まず、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保することを目的として、2022年2月18日に、当社、公開買付者及びコーンウォールから独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、2022年3月4日に、当社、公開買付者及びコーンウォールから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を選任いたしました。
また、当社は、公開買付者が本公開買付けを含む本取引を通じて当社の株主を公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピーのみとすることを企図していることを考慮して、上場廃止による当社の株主の皆様への影響に配慮し、2022年3月14日、本取引の提案を検討するために当社の社外取締役監査等委員兼独立役員4名全員を構成員とする特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました。
当社は、本公開買付けを含む本取引の概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足下の株価動向等を踏まえ、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づき、プルータス及び長島・大野・常松法律事務所との間で複数回に亘る協議を重ねた上で本取引の妥当性について検討してまいりました。
当社は、2022年4月11日にコーンウォールから本公開買付価格を3,700円とする旨の提案を受領し、コーンウォールとの間で、本公開買付価格を含む取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。また、当社は、同日、コーンウォールより、本公開買付けにおける買付予定数の下限の設定について、総議決権数に当社の過去3年間の定時株主総会における議決権行使比率最大値(75%と仮置き)を乗じ、買付者が本公開買付け後に総議決権数の約50%を取得することとなる株式数とすることの提案を受けました。かかる提案を受けて、当社は、プルータスから受けた当社株式の株式価値算定に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会の意見を踏まえ検討した結果、2019年4月以降に公表されかつ成立した、支配関係のない会社間による完全子会社化を目的とした公開買付け事例16件(公表日の前営業日を基準日としたプレミアム率の平均値は、基準日対比で34.84%(小数点以下第三位四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、基準日までの過去1ヶ月間の終値単純平均対比で36.48%、同過去3ヶ月間の終値単純平均に対して37.33%、同過去6ヶ月間の終値単純平均に対して39.58%)におけるプレミアム水準、及びこのうちPBRが1倍未満の事例6件(公表日の前営業日を基準日としたプレミアム率の平均値は、基準日対比で27.00%、基準日までの過去1ヶ月間の終値単純平均対比で32.53%、同過去3ヶ月間の終値単純平均に対して35.30%、同過去6ヶ月間の終値単純平均に対して35.03%)におけるプレミアム水準や、当社が2022年2月14日に公表した中期経営計画を踏まえた当社の理論株価に鑑みると、一般株主に対して応募推奨を決議できる妥当な価格に達していないと考えたことから、2022年4月14日に、コーンウォールに対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。また、本公開買付けにおける買付予定数の下限の設定について、プルータス及び長島・大野・常松法律事務所との協議を踏まえ、公正なM&Aという観点から、買付予定数の下限を約50%に設定すると、半数の株主の賛同を得られない条件であっても公開買付けが成立することを許容することになり、さらに、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)に係る株主総会において決議要件を充足できない現実的な可能性も生じ、当社及び一般株主が不安定な状況下におかれ、重大な不利益がもたらされるリスクが看過できないことから、本公開買付け後にコーンウォールが所有する株式数が総議決権の3分の2以上の水準となる下限の設定をするよう要請いたしました。
その後、当社は、コーンウォールとの間において本公開買付価格及び本公開買付けに係る買付予定数の下限について協議及び交渉を重ね、2022年4月20日に、コーンウォールから本公開買付価格を3,900円とすること及び買付予定数の下限の引き上げをしない旨の提案を受けましたが、依然として一般株主に対して応募推奨を決議できる妥当な価格及び買付予定数の下限に達していないと考えたことから、2022年4月25日に、コーンウォールに対して、プルータスから提供を受けた当社株式の株式価値算定に係る試算結果及び上記支配関係のない会社間による完全子会社化を目的とした公開買付け事例におけるプレミアム水準等を総合的に勘案した価格として、本公開買付価格を4,800円とすること及び本公開買付け後にコーンウォールが所有する株式数が総議決権の3分の2以上の水準となる下限の設定をする旨の提案を行い、再度コーンウォールに対して本公開買付価格及び買付予定数の下限の引き上げの検討を要請いたしました。なお、4,800円という価格は1株当たり純資産額(5,705円)を下回っているものの、後述のとおり、当社としては、簿価純資産額は会社の理論的な清算価値を示すものでも将来の収益性を反映するものでもなく、また実質的な清算価値を上回っていることから、継続企業である当社の株式の公開買付価格の検討において簿価純資産額を重視することは合理的ではないと考えております。その後、当社は、コーンウォールとの間において本公開買付価格及び本公開買付けに係る買付予定数の下限について協議及び交渉を重ね、2022年4月28日に、コーンウォールから再度、本公開買付価格を3,900円とすること及び買付予定数の下限の引き上げをしない旨の提案を受けたものの、依然として一般株主に対して応募推奨を決議できる妥当な価格及び買付予定数の下限に達していないと考えたことから、2022年5月9日、本公開買付価格を引き上げることの再度の要請を行うとともに、インデックス運用ファンド等(注4)の公開買付けに応募しないことが見込まれる株主も一定数存在することから、買付予定数の下限を公開買付者及びコーンウォールの所有する株式数が総議決権の3分の2以上の水準となる株式数に設定することは、かえって公開買付けの成立を阻害する可能性もあると考え、他方で、一般株主の意向を可能な限り反映するために、買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の水準(コーンウォールの所有割合が約20%であり、残りの約80%の半分である約40%相当の株式数を本公開買付けにおける買付数の下限とすること)に設定をすることの要請を行い、コーンウォールに対して本公開買付価格及び買付予定数の下限の引き上げの検討を要請いたしました。それに対して、2022年5月17日に、コーンウォールから本公開買付価格を4,000円とすること及び買付予定数の下限を引き上げて55%とする旨の提案を受けました。当社としては、依然として一般株主に対して応募推奨を決議できる妥当な価格に達していないと考えたことから、コーンウォールに対して本公開買付価格の引き上げの検討を要請いたしました。以上のとおり、当社は、コーンウォールとの間において本公開買付価格及び本公開買付けに係る買付予定数の下限について複数回に亘り協議及び交渉を重ねた結果、2022年6月3日、コーンウォールから本公開買付価格を4,100円とし、買付予定数の下限については最終的にコーンウォールの所有する当社の議決権数が当社の総議決権数の55%となるような株式数とする旨の提案を受け、またコーンウォールは当社に対して当該提案を最終提案とする旨説明しました。コーンウォールからの当該提案に対し、当社は、2022年6月3日に、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提のもと、コーンウォールに対して本公開買付価格を4,100円とすること及び買付予定数の下限についても提案を応諾する予定である旨の回答を行いました。その後、市場株価が急激な上昇を見せ2022年6月15日には一時4,000円に達したことを受け、同月16日には、当社より、非公式ながらコーンウォールに対してさらなる値上げの要請を行いましたが、同月17日、コーンウォールから、4,100円はコーンウォールが提示できる最大限の提案価格を既に超えた金額であり、市場株価の上昇にもかかわらず、公開買付価格の引上げを行うことは想定していない旨の回答を受けました。
(注4)「インデックス運用ファンド等」とは、「株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンド」を一般的に意味するところ、本書においても同様の意味を持つ用語として使用しております。
なお、当社が、上記のとおり、本公開買付価格を応諾する予定であると判断した理由は、(ⅰ)本公開買付価格が下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されているプルータスによる当社株式に係る株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果を上回り、さらに過去5年間にわたる株価の最高価格を上回るものであり、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内となることが合理的に見込まれたこと、(ⅱ)プルータスからフェアネス・オピニオンを取得できる見込みであったこと、(ⅲ)下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が採られており、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、特に、本公開買付価格の決定過程においては、当社は、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき、本特別委員会に対して適時に報告を行い、本特別委員会を都度開催して方針等を協議した上で、複数回にわたり当社と公開買付者との間で協議を行う等して、本特別委員会を公開買付者との交渉過程に関与させた上で、公開買付者から最終提案を受けるに至っていること、(ⅳ)コーンウォールからこれ以上の価格の引き上げを引き出すのは困難であると判断したことです。また、当社が、本公開買付けにおける買付数の下限(2,101,400株、所有割合:35.75%)を応諾する予定であると判断した理由は、当社が、以下のような分析・考え方を採っていることに基づくものです。すなわち、当社の株主には所有割合が少なくとも約10%に達するインデックス運用ファンド等の株主が存在するところ、これらインデックス運用ファンド等の株主は、本公開買付けに賛成であっても、当社が上場廃止となりTOPIX等の組入対象外とならない限り、本公開買付けに応募できないという運用特性があるとの分析をしており、かつ、本公開買付けが成立し、客観的に当社の株式併合議案が成立する見込みが高いと判断される場合には、同議案への賛成が見込まれるとの分析をしています。当社は、かかる分析に基づき、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社の株主の所有割合は、100%からコーンウォールの所有割合(19.25%)及びインデックス運用ファンド等の株主の所有割合(約10%)を減じた約70%程度に留まることから、買付予定数の下限(最終的には、コーンウォールの所有する当社の議決権数が当社の総議決権数の55%となるように計算された株式数(2,101,400株、所有割合:35.75%)が設定されています。)は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社株主が所有していると推測される約70%の当社株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定しているものと評価でき、ひいては当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重していると評価できると考えております。そして、上記分析によれば、本公開買付けが成立した場合には約65%の株主が株式併合議案に賛成する可能性があると考えられるため、当社としては、当該分析の結果を保守的に見ても、当社の過去5年間の定時株主総会における議決権行使比率(なお、当社の過去5年間の定時株主総会における議決権行使比率の平均値は52.64%、最大値は72.23%です。)も勘案すれば、本公開買付けの成立後に、本株式併合の議案が本臨時株主総会において現実的に承認される水準であると考えております。
また、本公開買付価格は、当社の2022年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(5,705円)を下回っているものの、当社の資産の中には、エレクトロニクス事業における特殊性の高い製品や材料、機械装置をはじめとした流動性の低い事業用資産が含まれており、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生に加え、2022年3月を基準日とする未払配当金等の存在等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度毀損することが見込まれることから、簿価純資産額は会社の理論的な清算価値を示すものでも将来の収益性を反映するものでもなく、また実質的な清算価値を上回っていると考えられることから、継続企業である当社の企業価値の算定において簿価純資産額を重視することは合理的ではないと考えております。
当社は、このような協議・検討の過程において、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、第三者算定機関であるプルータスに対し、当社株式の価値算定を依頼し、2022年6月22日付で同社から株式価値算定書(以下「当社算定書」といいます。)及び本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を取得いたしました。当社算定書及び本フェアネス・オピニオンの詳細は、それぞれ、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」のとおりです。また、当社は、長島・大野・常松法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2022年6月22日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、当社算定書及び本フェアネス・オピニオン、並びに長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から、当社取締役会の全構成員(なお、当社の取締役会は5名中4名を社外取締役監査等委員兼独立役員が占めております。)にて、2021年12月下旬及び2022年1月下旬以降、慎重に協議及び検討を行いました。
上記協議・検討の結果、当社は、旧体制下において損なわれた仕入先・顧客先との取引関係や従業員の人材基盤についてなお回復の途上にあると言わざるを得ず、当社の中核事業であるエレクトロニクス事業が現在の競争的な事業環境の変化に迅速に対応ができておらず、在庫・サプライチェーンに課題が存在していることから販売機会を逸失し、マーケットシェアの低下を招いているといった現状や、株式市場の短期的な利益追求の要請等により、当社の貴重な経営資源がエレクトロニクス事業の日々の経営活動以外の短期的な利益追求を要請する株式市場への対応とその実施が求められ、エレクトロニクス事業の運営・拡大・管理といった日々の経営活動に専念することができていなかったことに鑑み、上場を維持し上記のような様々な課題に単独で対処するよりも、公開買付者の子会社として非上場化し、エレクトロニクス事業の経営のみに集中することで企業価値向上を早期に実現できると考えるに至りました。コーンウォールは当社の中核事業であるエレクトロニクス事業に対する分析として、米国での首位のマーケットシェアを持つスキャナー事業、レーダー探知機、CBラジオ、オーストラリアでのコードレス電話・CB無線機販売事業等を中心に、何世代にもわたるブランドへの愛着を持つ熱心な顧客層を有していることを高く評価していること、また、当社が安定したニッチな市場で高いマーケットシェアを持っていること、当社製品の主要市場である日本、米国、オーストラリアと比較して労働コストが低いと考えられるベトナムに自社工場を有しているといった強みがあることにも着目し、大きな価値と潜在能力を見いだして、当社のさらなる発展のために必要な支援を惜しまないと発言していること、さらに、コーンウォールは当社の中長期的な価値創造に対してコミットする意向を表明していることから、2022年5月下旬、コーンウォールは当社にとって、ともに企業価値向上の早期実現を目指すことのできるパートナーであるとの認識に至りました。コーンウォールからは、当社のガバナンス体制を再構築・改善させ、本来的な業務であるエレクトロニクス事業の経営に集中できる基盤を整えた現体制下における当社の経営手腕を高く評価されています。また、当社は、本取引により、当社が描いている今後の成長戦略の実現に向けたエレクトロニクス事業への経営リソースの集中と、それによるさらなる企業価値の向上に向けた人材面や戦略面でのコーンウォールからの支援を享受できると考えており、特に、コーンウォールが想定している在庫・サプライチェーンの管理の強化、マーケティング・デジタル広告戦略、販売チャネル、及び価格決定の見直しといった取り組みは、当社の企業価値向上に資するものであり、かつ、かかる取り組みの実行のために必要な人的ネットワークの提供をコーンウォールから受けられることを積極的に評価しております。
加えて、(ⅰ)本公開買付価格が、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」で述べるプルータスによる当社株式に係る株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果を上回り、さらに過去5年間にわたる株価の最高価格を上回ること、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅱ)下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることと表明する旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること、(ⅲ)上記のとおり、本公開買付価格は、当社の1株当たり純資産額(5,705円)を下回っているものの、簿価純資産額を継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないこと、(ⅳ)下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が採られており、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、特に、本公開買付価格の決定過程においては、当社は、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき、本特別委員会に対して適時に報告を行い、本特別委員会を都度開催して方針等を協議した上で、複数回にわたり当社と公開買付者との間で協議を行う等して、本特別委員会を公開買付者との交渉過程に関与させた上で、公開買付者から最終提案を受けるに至っていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の一般株主に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。そして、2022年6月23日開催の取締役会において、当社の取締役(監査等委員を含みます。)の全員一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。
なお、当社としては、当社の株主のうち、本公開買付けに応募はしないものの株式併合議案に賛成することが見込まれるインデックス運用ファンド等の株主の所有割合は少なくとも約10%に達するとの分析をしております。当社は、かかる分析に基づき、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社の株主の所有割合は、100%からコーンウォールの所有割合(19.25%)及びインデックス運用ファンド等の株主の所有割合(約10%)を減じた約70%程度に留まることから、買付予定数の下限(最終的には、コーンウォールの所有する当社の議決権数が当社の総議決権数の55%となるように計算された株式数(2,101,400株:所有割合35.75%)が設定されています。)は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社の株主が所有していると推測される約70%の当社株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定しているものと評価でき、ひいては当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重していると評価できると考えております。そして、上記分析によれば、本公開買付けが成立した場合には約65%の株主が株式併合議案に賛成する可能性があると考えられるため、当社としては、当該分析の結果を保守的に見ても、当社の過去5年間の定時株主総会における議決権行使比率(なお、当社の過去5年間の定時株主総会における議決権行使比率の平均値は52.64%、最大値は72.23%です。)も勘案すれば、本公開買付けの成立後に、株式併合の議案が本臨時株主総会において現実的に承認される水準であると考えております。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかったことから、当社は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしていたとおり、公開買付者からの要請を受け、本日開催の取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピーのみとし、当社株式を非公開化するために、本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。なお、本株式併合により、公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピー以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定です。
また、本取引の経緯の詳細につきましては、本意見表明プレスリリース及び当社が、2022年8月9日付で公表した「Valencia株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ」も併せてご参照ください。
2. 本株式併合の割合
当社株式1,128,914株を1株に併合いたします。
3. 会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株未満の端数が生じる場合の処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、株主の皆様(ただし、公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピーを除きます。)の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及びコーンウォール・マスター・エルピーのみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、並びに当社株式が2022年11月29日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項が準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である4,100円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
公開買付者
③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
当社は、公開買付者が、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を確保できることを、株式会社三井住友銀行による、公開買付者名義の普通預金の残高が2022年6月22日現在において19,634,097,000円である旨の2022年6月24日付の預金残高証明書を確認することにより、確認しており、また、公開買付者によれば、2022年6月22日以降、1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識されていないとのことです。
したがって、当社は、公開買付者による1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2023年1月上旬を目途に会社法第235条第2項が準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2023年2月上旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2023年4月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、スクイーズアウト手続として行われる株式併合の事例において株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に一般的に要すると考えられる期間及び当社のために当該売却に係る代金の交付を行う当社の株主名簿管理人との協議結果を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。
なお、当該売却代金は、本株式併合の効力発生日の前日である2022年11月30日時点の当社の最終の株主名簿における各株主の皆様に対し、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付する予定です。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株未満の端数が生じる場合の処理の方法」に記載のとおり、株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である4,100円を乗じた金額となる予定です。
本公開買付価格については、当社において、(ⅰ)本公開買付価格が下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されているプルータスによる当社株式に係る株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果を上回り、さらに過去5年間にわたる株価の最高価格を上回るものであり、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内となることが合理的に見込まれたこと、(ⅱ)プルータスからフェアネス・オピニオンを取得できる見込みであったこと、(ⅲ)本公開買付価格は、当社の1株当たり純資産額(5,705円)を下回っているものの、簿価純資産額を継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないこと、(ⅳ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が採られており、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、特に、本公開買付価格の決定過程においては、当社は、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき、本特別委員会に対して適時に報告を行い、本特別委員会を都度開催して方針等を協議した上で、複数回にわたり当社と公開買付者との間で協議を行う等して、本特別委員会を公開買付者との交渉過程に関与させた上で、公開買付者から最終提案を受けるに至っていること等を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の一般株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。また、当社は、2022年6月23日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をした後、本日開催の取締役会決議時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当と判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであり、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、当社及び公開買付者は、当社の株主の皆様への影響に配慮し、慎重を期して、本公開買付価格の公正性を担保するための措置等として、以下のような措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
当社は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、第三者算定機関としてプルータスに当社の株式価値の算定及び本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)の提出を依頼し、プルータスから、2022年6月22日付で当社算定書及び本フェアネス・オピニオンを取得しております。また、プルータスは、当社、公開買付者及びコーンウォールの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係は有しておりません。
プルータスは、当社株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社株式の価値算定を行っています。プルータスは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価法及びDCF法を採用して、当社株式の価値を算定しています。プルータスが上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法:3,418円~3,855円
DCF法:3,798円~5,204円
市場株価法では、2022年6月22日を基準日として、東京証券取引所プライム(旧:東証1部)市場における当社株式の普通取引の基準日における終値3,855円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値3,418円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値3,436円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値3,495円をもとに、当社株式の1株当たりの価値の範囲を3,418円から3,855円までと分析しております。
DCF法では、当社の2022年3月期から2025年3月期までの事業計画、直近までの業績の動向に基づき、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値のレンジを3,798円から5,204円までと分析しております。なお、DCF法による算定に用いた当社の事業計画は、新規製品カテゴリーの開拓等による成長を合理的に見積もることが可能な2025年3月期まで策定されています。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用しており、永久成長率は0%として当社株式の価値を算定しております。
なお、当社の事業計画については、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれます。具体的には、既存製品カテゴリーの選択と集中の徹底及び前述の新規製品カテゴリーの開拓等により、2024年3月期においては対2023年3月期比で大幅な増益(営業利益388百万円、44.2%増)、また、2025年3月期においては対2024年3月期比でさらなる大幅な増益(営業利益844百万円、66.7%増)を見込んでおります。なお、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込む事業年度が含まれておりますが、前述の営業利益の大幅な変動及び運転資本の時期的な変動に対応するものであり、設備投資等の臨時的な支出が予定されているわけではありません。また、DCF法による算定に用いた当社の事業計画は、本公開買付けに関する検討が開始する前の2022年2月14日に公表された中期経営計画であり、当該事業計画は本取引の実行を前提として作成されたものではありません。
当社は、2022年6月22日付で、プルータスより本フェアネス・オピニオンを取得しております(注5)。本フェアネス・オピニオンは、当社が作成した財務予測に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータスが、当社から、事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注5) プルータスは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報について、それらが正確かつ完全であること、当社株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータスに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っておりません。
プルータスが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた当社の事業計画その他の資料は、その作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していません。
プルータスは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提供も受けておりません。また、倒産、支払停止又はそれらに類似する事項に関する適用法令の下での当社及び関係会社の信用力についての評価も行っておりません。なお、プルータスは、法律、会計又は税務の専門機関ではなく、本公開買付けに関する法律、会計又は税務の問題点の有無等を独立して分析又は検討を行うものではなく、その義務も負うものでもありません。
本フェアネス・オピニオンは、当社による本公開買付価格の公正性に関する検討に供する目的で作成されたものです。そのため、本フェアネス・オピニオンは、当社が実行可能な代替案と比較した本取引の事業戦略上の位置付け、又は本取引の実施によりもたらされる便益については言及しておらず、公開買付者による本取引実行の是非について意見を述べるものではありません。
また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する当社取締役会及び本特別委員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータスから提供されたものであり、他のいかなる者もこれに依拠することはできません。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本取引に関する意思決定過程における手続の公正性及び適法性についての専門的助言を得るため、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選定し、同事務所より、本取引に関する当社取締役会の意思決定方法、過程及びその他の意思決定にあたっての留意点について、必要な法的助言を受けております。
なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者、コーンウォール及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、長島・大野・常松法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから当社のリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社取締役会は、2022年3月14日開催の当社取締役会において、本特別委員会を設置することを決議いたしました(本特別委員会の委員としては、当社の社外取締役監査等委員兼独立役員である清水厚氏(公認会計士、税理士)、当社の社外取締役監査等委員兼独立役員である大里真理子氏、当社の社外取締役監査等委員兼独立役員である中野智美氏(公認会計士、税理士)、当社の社外取締役監査等委員兼独立役員である溝上聡美氏(弁護士)を選任しております。当社は、本特別委員会を設置した2022年3月14日当初からこの4名を本特別委員会の委員として選任しており、2022年6月23日時点まで本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)。本特別委員会においては、互選により清水厚氏が委員長として選任されております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的が、当社の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であるか否か、(b)本取引を前提とした本公開買付けにおける公開買付価格その他の条件の妥当性、(c)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、及び(d)(a)乃至(c)を踏まえ、本公開買付けを含む本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか否か(本公開買付けについて、当社が賛同意見を表明し応募を推奨する旨の決定を行うこと、及び本公開買付けが成立した場合に、上場廃止が見込まれる株式併合を決定することが、当社の一般株主にとって不利益でないか否かを含みます。)(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申書を当社に提出することを嘱託いたしました。
本特別委員会は、2022年3月18日から2022年6月22日までの間に合計13回、合計25時間にわたって開催され、会日間においても電子メールや電話等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項についての協議及び検討が行われました。具体的には、本特別委員会は、まず第1回の特別委員会において、当社が選任したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス並びにリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認するとともに、公開買付者及びコーンウォールとの交渉過程への関与方針として、直接の交渉は当社のアドバイザーが当社の窓口として行うこととしつつ、本特別委員会は、交渉担当者から適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することを確認しました。
その上で、本特別委員会は、当社から、当社の沿革、事業内容及び業績推移、現在の経営課題、本取引によって見込まれる当社の事業への影響の内容、本取引に替わる施策の可能性、並びに当社の事業計画の作成経緯等について説明を受け、当社との間で質疑応答を行った上で、当該事業計画の合理性について確認いたしました。また、公開買付者及びコーンウォールに対して、本取引の目的等に関する質問状を事前に送付した上で、公開買付者及びコーンウォールから、本取引を提案するに至った理由及び背景、本取引の目的、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について説明を受け、公開買付者及びコーンウォールとの間で質疑応答を行いました。また、当社の第三者算定機関であるプルータスから、当社株式の株式価値の算定に関する説明を受けるとともに、当社算定書及び本フェアネス・オピニオンを取得し、それらに対する質疑応答を行った上で、当該事業計画及び当該算定結果の合理性について検討いたしました。また、当社のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、特別委員会の意義・役割等を含む本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点について法的助言を受けております。
加えて、本特別委員会は、当社から、当社とコーンウォールとの間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり交渉が行われ、コーンウォールから2022年6月3日に、本公開買付価格を4,100円とする旨の提案を受けるに至るまで、コーンウォールに対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を当社に複数回意見表明や助言を行う等して、公開買付者及びコーンウォールとの交渉過程に関与いたしました。
本特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2022年6月22日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(a)本取引の目的が、当社の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であるか否か
以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものとして正当であると認められる。
・ 本取引によるメリットとしては、(ⅰ)直近の取り組み(在庫・サプライチェーンの管理体制、マーケティングとデジタル広告への注力、不採算の販売チャネルの取扱い、当社製品の価格設定(最小広告価格戦略の導入等))に関するもの、(ⅱ)中期的な取り組み(欧州市場への展開、ブランドロイヤリティとコミュニティに関する施策、M&Aとその他戦略的パートナーシップの推進)に関するもの、(ⅲ)完全子会社化上場廃止によるコスト削減、長期での企業価値向上等、(ⅳ)過去のガバナンス不備の克服と特定の株主に左右されない経営の安定化、(ⅴ)当社の株主、顧客、取引先その他のステークホルダーが享受するメリット等が認められる。他方、本取引によるデメリットとして、重大なものは特に見当たらない。
・ 当社においては、旧体制下における大規模な従業員のリストラによる人材基盤の不安定化、仕入先・顧客先との取引のキャンセル等による取引関係の悪化、並びに米国子会社における不適切な会計処理問題の発覚、及び特定の株主から株主権が行使され株主総会において当社提案の役員選任決議が否決される等、ガバナンス体制が不安定であったことから、ガバナンス体制の整備のために多大な経営リソースを費やしてきたこと、さらに短期的な増配を要求する株主が登場し、その対応を迫られた経緯があり、そのような状況が完全に解消したわけではないことを踏まえると、本公開買付けにより当社を非公開化し、新たな体制の下で、コーンウォールによるサポートを受けつつ本業であるエレクトロニクス事業に経営リソースを集中させることのできる体制を確立することが期待できる本取引は、当社の企業価値向上及びステークホルダーの利益を確保する観点から望ましいものといえる。
・ コーンウォールは、本取引のような、日本国内における非上場化に関する実績は有しておらず、日本の上場企業に対する過去の投資実績において、購入開始から約3年半後に投資先の株式の全部を公開買付けに応募した事例や、投資先による自己株式取得に応募した事例も存在する。もっとも、コーンウォールが過去の投資事例において、取締役の選任請求や解任請求など経営陣に敵対するような非友好的な株主提案、また短期的な投資利益確保を狙った増配や自己株式取得等の株主提案を行ったことはないとのことであり、上記の各事例における長期的に企業価値の向上を目指すというアプローチは、本件においても一貫しているという旨のコーンウォールの説明も不合理であるとまでは認められない。加えて、コーンウォールの当社事業に関する分析は、当社経営陣の評価と概ね整合的であり、コーンウォールが当社に対する真摯な取り組みを行っていることを示すものとの評価も可能である上、コーンウォールが、過去に当社に在籍し、当社の北米及び欧州事業を熟知した事業再生の専門家のサポートを確保していることは、コーンウォールが当社の事業に対して一定のコミットメントを行う意図があることを窺わせるものであるともいえる。これらの点に鑑みると、コーンウォールが繰り返し強調して表明する、当社の事業に対して中長期的な価値創造を目的としてコミットメントを行う旨の意向が、真摯なものでないと疑わせる事情は特に見当たらない。
(b)本取引を前提とした本公開買付けにおける公開買付価格その他の条件の妥当性
以下の点より、本公開買付けを含めた本取引全体について、当社の一般株主から見て、公開買付価格その他の条件の妥当性が確保されていると認められる。
・ 最終的な本公開買付価格(1株当たり4,100円)は、当初コーンウォールが当社に対して提示した価格(1株当たり3,700円)よりも合理的な金額の上積み(10.8%)がされており、さらに、当初想定されていたスケジュールを延期してまでコーンウォール及び当社間で相当期間にわたり綿密な交渉が継続的に行われ、当社の側でもコーンウォールに対して繰り返し公開買付価格の引上げを求めたことなど、当社が、一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して真摯に交渉した経緯が認められる。
・ 当社算定書は、当社が2022年2月14日付で公表した中期経営計画をDCF法による算定の基礎資料としているところ、当該中期経営計画は、コーンウォールからの提案とは無関係に当社において独自に作成されたものであり、その作成経緯に関して、コーンウォールの恣意的な圧力が介在した事実等は認められず、当該中期経営計画は合理的に作成されたものと認められる。なお、DCF法による算定に用いた事業計画は、新規製品カテゴリーの開拓等による成長を合理的に見積もることが可能な2025年3月期まで策定されており、大幅な増収を見込んでいる事業年度が含まれていること、及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込む事業年度が含まれているものの、運転資本の時期的な変動に対応するものであり、設備投資等の臨時的な支出が予定されているわけではないことについても、プルータスから説明がなされた。
・ 当社算定書は、算定方法及び評価プロセス、算定に係る進捗状況等のいずれについても不合理な点は見当たらないことが確認されているところ、本公開買付価格は、市場株価法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であり、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であることが認められる。また、本公開買付価格は、過去5年間にわたる当社の株価の最高価格をも上回っている。
・ 本公開買付価格はDCF法に基づく算定結果のレンジの下方に位置しているものの、本公開買付価格のプレミアム水準は、他社事例と比較して不合理に低い水準であるとまでは認められず、また、その他の客観的状況に照らしても公正な価格を下回らないと評価できる。特にエレクトロニクス事業においては、半導体のサプライチェーンの世界的な混乱により原材料の調達の困難化や今後の国際情勢の不安定化に伴う輸出入規制の強化等、将来の製品販売に係る不確実性も否定しきれない部分があり、また、当社の売上高の51.5%を占める北米・中南米地域の中核である米国においてインフレ率の急激な上昇や中央銀行による利上げ、これに反応した急速な株式市場の環境悪化等、売上の減少とコストの増加につながる要因が現れていることを踏まえると、本公開買付価格は、DCF法に基づく算定レンジの下方に位置するものであるが、なお公正と認められる範囲に含まれる価格であると考えられる。
・ 当社は、本公開買付価格の妥当性を確保するため、当社及びコーンウォールから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータスから、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明する本フェアネス・オピニオンを取得している。
・ 本公開買付価格は、当社の2022年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(5,705円)を下回っているものの、プルータスが試算した当社の実質的な清算価値を上回っていること等を総合すれば、本公開買付価格が1株当たり純資産額を下回ることは、本公開買付けに賛同しない理由にはならないと考えられる。
・ 本公開買付価格については、(i)市場株価法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅱ)DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅲ)本フェアネス・オピニオンを取得していることを重視した上で、コーンウォール・当社間において独立当事者間取引における真摯な交渉が行われたこと、本公開買付価格が、過去5年間にわたる当社の株価の最高価格及びプルータスが試算した当社の実質的な清算価値を上回る価格であること、(ⅳ)当社の創業者の藤本氏が当時代表取締役を務めていたフジファンドが提出した2021年12月22日付変更報告書によれば、フジファンドは、2021年12月17日に当社普通株式150,000株を売却しているところ、その売却価格は、1株3,550円であり、本公開買付価格を下回っていること、(ⅴ)純投資を目的とすると思われる当社株主であるヴァレックス・パートナーズ及びユナイテッド・マネージャーズ・ジャパンが、本公開買付価格での応募に同意していること等の様々な事情を総合的に考慮した結果、妥当であると判断される。
・ 本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されず、買付数の下限が設定されているものの、当社の株主構成や過去の定時株主総会における議決権行使比率を踏まえれば、妥当と考えられる。すなわち、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社株主の所有割合が、100%からコーンウォールの所有割合(19.25%)及びインデックス運用ファンド等の株主の所有割合(約10%)を減じた約70%程度に留まることから、55%という買付予定数の下限は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社株主が所有していると推測される約70%の当社株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定しているものと評価でき、ひいては当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重していると評価できる。そして、上記分析によれば、本公開買付けが成立した場合には約65%の株主が株式併合議案に賛成する可能性があると考えられるため、当該分析の結果を保守的に見ても、当社の過去5年間の定時株主総会における議決権行使比率の平均値が52.64%、最大値が72.23%であることを踏まえれば、本臨時株主総会において、株式併合議案が現実的に承認される水準といえる。
・ 本公開買付価格及び買付予定数の下限以外の取引条件についても、同種の取引における条件と比較して同等であると認められる。
(c)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性
以下の点より、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(ⅰ)特別委員会の設置
・ 本特別委員会の実効性を高める観点から採られた以下の各措置は、特別委員会の実効性を高めるための方策に照らして十分なものであると認められるし、また、本特別委員会と同種の目的で設置される他の特別委員会における対応と比較しても遜色はない。
‑ 本特別委員会は、取引条件がコーンウォールと当社との間で決定される以前に設置されていること
‑ 本特別委員会は、経済産業省が2019年6月28日に公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」で特別委員会の委員として最も適格性があるとされる、社外取締役監査等委員兼独立役員のみで構成されていること
‑ 当社がコーンウォールと本公開買付価格について協議する場合には、事前又は事後速やかに本特別委員会に確認を求めており、これにより、本特別委員会は、適時に交渉状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行って、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること
‑ 本特別委員会は独自のアドバイザーを選任していないものの、当社のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員はいずれも設置当時から当社の社外取締役監査等委員兼独立役員であった。)、企業価値評価への知見(本特別委員会の委員のうち2名は公認会計士・税理士の資格を有している。)、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち1名は弁護士である。)がいずれも委員により充足されていること、並びに当社のフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの専門性・独立性に鑑み、特別委員会としてのアドバイザー選任は不要であると本特別委員会として判断したこと
‑ 本取引について想定されるメリットは多岐に亘り、その全ての詳細を一般に公開することは難しいことから、本特別委員会は、一般株主に代わり、本取引に関する重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行ったこと
‑ 本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、社外取締役としての報酬とは別に、固定額の報酬を支払うものとされていること
(ⅱ)当社における意思決定プロセス
・ 本公開買付けは、支配株主による買収やMBO取引には該当せず、また、当社取締役はいずれもコーンウォールとの間で応募契約その他の本取引に関連する契約を締結することを予定していないため、当社取締役と当社一般株主との間に利益相反関係は存在しないと評価できる。本公開買付けに係る当社の意思決定は、利害関係を有しない当社取締役の全員(監査等委員を含む。)をもって行われており、当社における意思決定プロセスに、公正性に疑義のある点は見当たらない。
(ⅲ)外部専門家による専門的助言等の取得
・ 当社は、コーンウォール及び当社から独立したリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から独立した専門的助言を取得したと認められる。
・ 当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータスから、当社算定書及び本フェアネス・オピニオンを取得しており、これにより、本公開買付価格は、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であるということが、独立した第三者評価機関からの意見として表明されている。
(ⅳ)マーケット・チェック
・ 本公開買付けの買付期間が31営業日と比較的長期に設定されており、また、当社とコーンウォールとの間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意は行われていないことから、本取引においては、本公開買付けの公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによって、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されていると評価することができる。
(ⅴ)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件
・ 本公開買付けでは、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定されていないものの、常にマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定することが望ましいとまでは認められておらず、当該M&Aの具体的状況を踏まえて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定の有効性や弊害の有無等を総合的に判断し、その要否を検討することが望ましいと考えられている。そして、当社の株主構成を踏まえれば、55%という買付予定数の下限は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社株主が所有していると推測される約70%の当社株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定しているものと評価でき、ひいては当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重していると評価できるため、本公開買付けにおいてはマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことも妥当と考えられる。
(ⅵ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
・ 本取引においては、プレスリリースにより、①特別委員会に関する情報、②株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンに関する情報及び③その他の情報について、一般株主への十分な情報提供が行われていると認められる。
(ⅶ)強圧性の排除
・ 本取引のうち、本スクイーズアウト手続は、株主に価格決定の申立てを行う権利が認められている株式併合を用いるスキームにより実行するとされており、また、本スクイーズアウト手続が本公開買付け終了後速やかに行われる旨、及び、本スクイーズアウト手続の際に一般株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示される予定である。
・ したがって、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
(d)(a)乃至(c)を踏まえ、本公開買付けを含む本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか否か(本公開買付けについて、当社が賛同意見を表明し応募を推奨する旨の決定を行うこと、及び本公開買付けが成立した場合に、上場廃止が見込まれる株式併合を決定することが、当社の一般株主にとって不利益でないか否かを含む。)
上記(a)のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものとして正当であると認められる上、上記(b)及び(c)のとおり、本公開買付けを含む本取引全体について、当社の一般株主から見て、本公開買付価格その他の取引条件の妥当性が確保されており、かつ、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がされていると認められることから、本公開買付けを含む本取引は、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。また、本公開買付けについて、当社が賛同意見を表明し応募を推奨する旨の決定を行うこと、及び本公開買付けが成立した場合に、上場廃止が見込まれる株式併合を決定することは、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む)全員の承認
当社は、プルータスから取得した当社算定書及び本フェアネス・オピニオン並びに長島・大野・常松法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について、慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、(ⅰ)公開買付者の子会社として非上場化し、エレクトロニクス事業の経営のみに集中することで企業価値向上を早期に実現できると考えたこと、(ⅱ)コーンウォールは当社にとって、ともに企業価値向上の早期実現を目指すことのできるパートナーであるとの認識に至ったこと、(ⅲ)本公開買付価格が、プルータスによる当社株式に係る株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果を上回るものであり、さらに過去5年間にわたる株価の最高価格を上回ること、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅳ)プルータスから本フェアネス・オピニオンを取得していること、(ⅴ)簿価純資産額は会社の理論的な清算価値を示すものでも将来の収益性を反映するものでもなく、また実質的な清算価値を上回っていることから、継続企業である当社の企業価値の算定において簿価純資産額を重視することは合理的ではなく、1株当たりの純資産額を下回ることをもって本公開買付価格が不合理であるとはいえないこと、(ⅵ)本公開買付けにおける買付数の下限(55%)は、インデックス運用ファンド等の存在を考慮すると、本公開買付けの成立後に、少なくとも本株式併合の議案が本臨時株主総会において現実的に承認される水準であり、特別決議による賛同を得ることが合理的に予測されること、(ⅶ)本公開買付けの公正性を担保するための各措置が採られており、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、特に、本公開買付価格の決定過程においては、本特別委員会が適時適切に実質的な関与をしていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な売却の機会を提供するものであると判断し、2022年6月23日開催の当社取締役会において、当社の取締役(監査等委員を含みます。)の全員一致により、本公開買付けへ賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。なお、当社の取締役は、その全員が本取引に関して利害関係を有しておりません。
⑤ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最低期間が20営業日であるところ、本公開買付けにおいては31営業日としております。このように、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募について適切な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止し、又は当社が本公開買付けへの賛同を撤回することを禁止するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会を確保し、本公開買付けの公正性を担保することを企図しております。
4. 本株式併合がその効力を生ずる日
2022年12月1日(予定)
以 上