有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 14:16
【資料】
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【項目】
136項目

事業等のリスク

当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの経営方針について
当社グループは、グローバル規模での最適地生産・販売体制のもと、良質で低価格の製品を消費者に提供する方針をとっており、主要製品である映像機器(DVD関連製品・液晶テレビ等)及び情報機器(プリンター等)並びにその他(受信関連用電子機器・オーディオアクセサリー等)の製造・販売を行っております。
上記デジタル製品分野は、価格競争が激しく、ライフサイクルも短く、かつ新技術・新機能の開発競争も激化しており、これらの状況は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
① 製品のコスト、市場価格について
当社グループは、ウォルマートを代表とするマスマーチャンダイザーの顧客を最大のターゲットにしているため、低価格の実現が必要と考えております。このため、最適地生産体制の確立、独自に開発した生産性向上システムであるFPS(フナイ・プロダクション・システム)の一層の深耕を図るとともに、部品の内製化及び集中購買等を通じてコスト削減を行っております。
しかし、当民生用電気機器業界は競争が激しいため、部品・原材料価格が上昇した場合は、これらの対策を実施したにも拘らず、コスト圧力が生じ当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新技術への対応について
当民生用電気機器業界におきましては、かつてないスピードでのグローバル化、業際を越えた業界再編、インターネットの浸透と環境に配慮した社会の進展といった変化の中、市場ニーズも多様化しており、新製品開発の質・量・スピードを高めていく必要があります。
当社グループでは、こうした課題に対応すべく、他社との事業提携や産学連携、人材育成などにより新規事業分野を中心とする技術力の向上、場合によってはM&A等も選択肢の一つとして捉えております。しかし、予想以上の市場ニーズの多様化や技術革新等の発生によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品・サービスの欠陥について
当社では、品質管理及び技術関係部署を中心に品質の維持向上に努めております。また、国内外にサービス会社を設立しサービス体制を整えております。ただし、製品の欠陥が生じ、製品の修理、交換の対応に問題が生じた場合、その保証の影響及び社会的評価の低下等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権について
近年、自社販売商品を持たずに、第三者から購入した知的財産権を用いて特許訴訟を提起して特許実施料収入を得る、所謂「パテント・トロール」の活動が盛んになっております。この傾向に製造販売業界全体が苦慮しており、このトロールの活動如何では多額の賠償額支払いを余儀なくされ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 企業買収及び業務提携等について
当社グループでは売上拡大と収益向上を効率的に実現するため、企業買収や業務提携を行うことがあります。しかし、様々な要因により、企業買収が合意に至らない場合、当初期待した相乗効果が得られない場合、提携関係を継続できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績、成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外市場動向等の影響について
① 北米市場への依存度について
当社グループの売上高は海外市場の構成が高く、特に北米市場への全売上げに占める割合は当連結会計年度実績で70.1%となっております。
そのため、北米の景気が急速に後退した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 中国での生産依存について
当社グループは、コストメリットが活かせる地域に生産を集中させ、部品の大量一括購買を行うことにより、製品の価格競争力の向上を図っております。当連結会計年度における海外生産比率は99.0%であり、そのうち、中国における生産(委託加工及び自社生産)比率は62.1%となっており、生産拠点の分散化を図ってきたことから同国での生産比率は低下傾向にありますがまだ高い水準にあります。同国において人件費の高騰、政治体制の変動、紛争・自然災害の発生等、不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動リスクについて
当社グループは、主力製品について最適地生産・販売体制の考えに基づいて生産地を決定しております。
中国におきましてはDVD関連製品、液晶テレビ及びプリンター等を生産(委託加工を含む)しております。また、タイにおきましては液晶テレビ、フィリピンではインクカートリッジを生産しております。
一方、販売につきましては、当社がこれらの製品を当該海外生産子会社から仕入れ、海外販売子会社を通じて、もしくはOEM供給先に対する直接販売等によって、北米等を中心とした世界の市場に向けて販売する他、国内におきましても直接販売及び販売子会社を通じて販売を行っております。
仕入総額に対する海外生産子会社からの仕入比率は、当連結会計年度85.3%であるのに対して、海外売上高の割合は、同85.2%となっており、大半の仕入、販売取引は米ドル建てにて行われております。そのため、為替変動に伴うリスクも軽減されていると考えております。
しかし、為替変動のリスクは完全に排除されておらず、海外通貨建ての資産・負債は決算日時点の為替レートにより円換算されることから、大幅な為替変動は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
① 法的規制について
当社グループは事業を展開する各国において、商取引、輸出入、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、金融取引及び事業者への課税をはじめとする様々な法規制の適用を受けます。これらの法規制あるいは当局の法令解釈が従来から変更になること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等について
当社グループは国内外で展開する事業において、継続的に運営に関する各種の訴訟リスクが存在します。重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報管理について
当社グループの社内システムについて情報漏洩対策やウィルス防御システムの導入などを施しておりますが、人的ミスや新種のウィルス等に起因する情報漏洩やシステムダウンを完全に防御できない可能性があります。こうした事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付債務について
当社グループ及び一部のグループ会社では、確定給付企業年金制度を設けており、その退職給付債務は、年金資産に係る長期期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されております。しかしながら、その前提条件に変更の必要が生じた場合や運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合、また、年金制度の変更等により将来の退職給付費用が増加した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産について
当社グループは、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 資金調達について
当社グループの業績の悪化により、資金調達の制約を受け、資金調達コストの上昇を招く可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付されており、この条項に抵触した場合には借入利率の上昇や期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。