有価証券報告書-第47期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 15:09
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、中国は引き続き景気拡大のテンポが緩やかで、アセアン地域の景気も足踏み状態でありましたが、米国では景気回復傾向が明確になり、欧州の景気も全体として緩やかに持ち直しております。国内経済については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響から個人消費や生産で足踏みが見られたものの、雇用や所得の情勢は改善傾向にあり、政策効果の発現もあって、緩やかな景気回復基調が続いております。
当社としては今後の事業展開も見据え、当連結会計年度において、地熱発電分野への進出について様々な観点から調査・検討を行った結果、地熱発電は、地中から発生する蒸気をエネルギー源とすることから半永久的に利用でき、天候・季節・昼夜問わず安定的な発電が可能であり、発電設備の専有面積が比較的小規模ですむため、効率的な発電の確保が可能と判断し、新規事業として「地熱発電所事業」を行うことと致しました。それに伴い、報告セグメントとして記載する事業セグメントに「地熱発電所事業」を追加しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。また、現行の事業系統は「太陽光エネルギー事業」を「太陽光システム販売事業」と「太陽光発電所事業」とに区分しておりますが、地熱発電所事業が加わることにより事業系統を「太陽光エネルギー事業」から「再生可能エネルギー事業」へと変更し、「太陽光システム販売事業」並びに「太陽光発電所事業」に新たに「地熱発電所事業」を追加する事といたしました。
このような経営環境のもと、当社グループの主要な事業である電子・通信用機器事業につきましては、3.9世代携帯電話設備関連市場、防衛関連市場、公共・防災無線関連市場を中心とした拡販営業に加え、新規市場や顧客開拓にも力を入れ新たな領域の受注獲得を行って参りました。また「製品の高付加価値化への取り組み」「事業領域の拡大・開拓」、「業務提携先との共同開発」を継続的に推進しながら、「産学共同研究」として、大学と連携し技術開発を行って参りました。結果、太陽光発電所の安全かつ円滑な運営に不可欠なハイビジョン映像監視システムを当社グループ会社の太陽光発電所に監視システムの新商品として設置し運用を開始致しました。更に、事業基盤を強固にするべく収益向上について継続的な業務改善活動を行った結果、一定の改善効果が表れております。
再生可能エネルギー事業におきましては、とりわけ太陽光発電所事業について、積極的に推進してまいりました。経済産業省より発電事業に関する注意喚起や、固定価格買取制度に係る設備認定の運用見直しの実施等の通知がなされるなどの昨今の太陽光発電所事業を取り巻く厳しい環境の中、当社グループはかねてより、風力、地熱、小水力、バイオマス等による発電所事業を模索し、太陽光発電所事業に加えて別の再生可能エネルギーを収益の柱として構築すべく、調査・検討しておりました。その一環として、この度、地熱発電分野への進出について様々な観点から検討を進める過程において、当社は、泉源所有者と協議及び交渉する機会を持ち、検討を行った結果、大分県別府市での地熱発電所の事業化について、本格的に取り組むことといたしました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は、4,936百万円(前年同期比13.7%増)、売上高は、5,094百万円(前年同期比22.1%増)となりました。損益面については、前年同期から増加し、営業利益531百万円(前年同期比11.3%増)、経常利益514百万円(前年同期比7.5%増)、当期純利益については、近年の好調な収益計上により主要子会社の繰越欠損金が解消され、法人税負担が正常に戻りつつあるため、427百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
電子・通信用機器事業につきましては、通信インフラ市場の価格競争等、依然として厳しい状態が続いております、移動体通信分野においては、各通信事業者の通信品質向上に向けたトラフィック対策や不感知対策における設備投資が緩やかであるものの継続していることや、公共事業分野及び防衛分野の需要も安定して増加していることから、社会インフラにおける無線市場は堅調に推移して行くことが予測されます。こうした通信インフラ市場の需要拡大を背景に、引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに、収益の拡大に向けた業務改善活動を継続して参ります。
太陽光システム販売事業におきましては、横浜市において当社グループが手がけた太陽光発電所の低圧分譲販売を筆頭に、販売活動を活発化させた結果、好調な業績を確保することができました。今後も、日本全国にその販路を拡大すべく、社内体制を整え、営業活動をさらに強化して参ります。
また、太陽光発電所事業及び地熱発電所事業につきましては、当社グループ全体で、安定的なエネルギー供給を目指すことにより地域や社会に貢献できるよう、発電所用地の確保から売電開始にいたるまで、一貫した体制を整えることによる収益の拡大を目指して参ります。
事業の種類別セグメントの業績は、以下のとおりです。
① 電子・通信用機器事業
移動体通信事業者による基地局設備投資は、下期より回復したものの第4四半期から再び基地局工事計画の見直しなどの影響を受け、受注高は3,222百万円(前年同期比7.8%減)、売上高は3,403百万円(前年同期比5.3%増)となり、セグメント利益は467百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
② 太陽光システム販売事業
営業の効率化に向けた改善活動及び販路拡大を行い日本全国で販売活動を展開した結果、受注高は1,714百万円(前年同期比102.8%増)、売上高1,796百万円(前年同期比101.8%増)、セグメント利益は112百万円(前年同期比118.6%増)となりました。
③ 太陽光発電所事業
下関市メガソーラー発電所が計画通り順調に売電を行っており、また、館山市メガソーラー発電所が平成27年2月に売電開始、袖ヶ浦市メガソーラー発電所が平成27年3月に売電開始したことにより、売上高87百万円(前年同期比70.7%増)、セグメント利益は22百万円(前年同期はセグメント損失19百万円)となりました。
④ 地熱発電所事業
当連結会計年度において新設し、現在は発電所の早期稼動に向けて手続き等を進めております。本格的な稼動予定は来期からの予定でありますので、売上高の計上はなく、諸費用の支出によりセグメント損失は0百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入れによる収入があったものの、売上債権の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等があったことにより、前連結会計年度末に比べ239百万円減少し当連結会計年度末には1,523百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は387百万円(前連結会計年度は764百万円の資金獲得)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益、売上債権の増加などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は865百万円(前連結会計年度は265百万円の資金支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は238百万円(前連結会計年度は875百万円の資金獲得)となりました。
これは主に長期借入れによる収入などであります。