有価証券報告書-第140期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 14:01
【資料】
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【項目】
132項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は会計方針の選択・適用、また、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し
合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは平成27年(2015年)5月に策定した中期経営計画“Transformation 2017”(略称:TF2017)に基づき、事業構造変革による成長基盤の整備に注力するとともに、積極的な事業活動を展開しました。
その結果、当社グループの業績は、前期比で増収増益となりました。売上高は主力の制御事業が堅調なことにより、前期比で79億39百万円増加しました。営業利益は、売上高の増加に加え、為替の影響及び昨年度実施した固定費削減施策の効果などにより前期比で98億24百万円増加し、過去最高益を更新しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加に加え、特別損益の改善などにより前期比で129億37百万円増加し、過去最高益を更新しました。
(3) 資本の財源及び資産の流動性についての分析
① 資金調達、流動性管理
当社グループは、資金調達における安全性、資金効率化及び調達コストの抑制を図ることを基本方針とし、資金調
達を実施しています。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、十分な流動性を確保していると考えています。
② 資産、負債、純資産
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ271億85百万円減少し4,127億72百万円となりました。また、負債合計は、劣後ローン250億円の返済による長期借入金の減少及び希望退職者募集に伴う費用を含む未払金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ521億1百万円減少し1,658億79百万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加及び自己株式の処分を行ったことなどにより、前連結会計年度末に比べ249億16百万円増加し2,468億92百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ9.3%上昇し58.3%となりました。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、『第2[事業の状況] 1 [業績等の概要] (2)』に記載のとおりです。
(4) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
[企業理念]
「YOKOGAWAは 計測と制御と情報をテーマに より豊かな人間社会の実現に貢献する YOKOGAWA人は良き市民であり 勇気をもった開拓者であれ」を企業理念として掲げ、この実現を目指します。
当社グループは、グループ全体に適用される企業理念とYOKOGAWAグループ企業行動規範を定め、すべてのステークホルダーとの適切な関係を持ち、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めます。また、「企業は社会の公器である」との考えのもと、健全で持続的な成長により、株主、お客様、取引先、社会、社員等すべてのステークホルダーからの信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命と位置付けます。
当社グループは、企業価値の最大化を実現するためには、コンプライアンスの徹底、リスクの適切な管理、株主をはじめとするステークホルダーとの建設的な対話のための情報開示等が重要と考えます。
当社グループは、こうした考え方からコーポレートガバナンスの継続的な充実に取り組む基本方針として「YOKOGAWAコーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しています。
(当社ウェブサイト)http://www.yokogawa.co.jp/cp/corporate/cp-corp-governance.htm
② 目標とする経営指標
当社グループは、平成27年度(2015年度)を開始年度とする中期経営計画TF2017の中で、「お客様フォーカス」、「新しい価値づくり」、「高効率グローバル企業」の3点に重点的に取り組み、事業構造の変革に注力しています。また、TF2017での3年間は、長期経営構想実現に向けた「成長基盤の整備期間」と位置づけています。そして将来のさらなる成長のため、「収益性向上」に重点を置き、TF2017の最終年度である平成29年度(2017年度)には、株主資本利益率(ROE)11%以上、1株当たり当期純利益(EPS)100円以上の達成を実現していきます。(当年度実績:ROE 13.2%、EPS:114.01円)
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、10年後の「ありたい姿」とその実現に向けた考え方を長期経営構想として策定しています。長期経営構想ではYOKOGAWAが目指す方向性を表現する「ビジョン・ステートメント」、その実現を支えるYOKOGAWAの強みを示す「コアコンピタンス」、「注力すべき事業領域」を定めています。
ビジョン・ステートメントである、「YOKOGAWAは“Process Co-Innovation”を通じて、お客様と共に明日をひらく新しい価値を創造します。」の実現に向けて、成長基盤を整備するとともに、Process Co-Innovationを深化させることで、長期的な成長発展を目指していきます。
さらに、当社グループは、「Co-innovating tomorrow」をコーポレート・ブランド・スローガンとして掲げ、ビジネスや社会における情報やモノの流れを最適化、効率化し、お客様と社会全体の課題解決に取り組んでいきます。
また、引き続き制御事業については、グローバルNo.1カンパニーを目指していきます。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、『第2[事業の状況] 4[事業等のリスク]』に記載のとおりです。