有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 10:39
【資料】
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【項目】
139項目

研究開発活動

当社グループの研究開発体制は、おもに基礎研究および応用技術開発を担当する技術開発センターと、商品開発を担当する各事業部門およびグループ会社の設計・開発部門で構成されております。
企業ミッション、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」のもと、技術開発センターでは当社グループの主要事業領域に新たな技術を移管していく取り組みを続けております。半導体デバイス分野においては、低損失技術の開発、高速・高温動作対応および複合部品化の実装技術開発を主要テーマとして取り組んでいます。パワーエレクトロニクス分野においては、主に高効率技術、高密度実装技術および低ノイズ化の研究開発を推進しています。さらに、新たな事業領域を広げていくため外部の研究機関との開発に取り組んでいます。これらの研究課題を解決し、当社のコア技術を活かしたシナジー効果により商品力強化を図るとともに、市場の要求や用途に適した新商品をタイムリーに開発してまいります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は4,964百万円(売上高比6.2%)であり、各セグメントの主な成果および研究開発費は以下のとおりであります。
(デバイス事業)
当セグメントの研究開発活動として、ダイオード製品では、業界において最高水準の低VFブリッジダイオードや、世界をリードする高雷サージ耐量ブリッジダイオードの製品開発を実施したほか、新構造ダイオードの要素技術となる半絶縁膜の基礎開発や、ガラス印刷技術の基礎開発を継続して推進しています。
MOS製品では、新しい構造を採用したNch低耐圧MOS・Nch高耐圧MOSの製品開発を進めました。また、650Vや1200VのSiCMOSの製品開発や当社初のPch低耐圧MOSの開発にも着手しました。パッケージについては、小型化・大電流化・高品質化に対応する5×6㎜サイズで独立2素子を搭載するパッケージ開発を完了しました。
パワーモジュール製品では、モビリティ向け、産業機器向けの汎用製品を中心に開発品種を拡充したほか、モビリティ向けのカスタム製品についても当社独自の技術を利用した開発を強化してきました。くわえて大電流化や高周波化に対応したSiCMOSやGaNHEMTチップを搭載したモジュール開発を実施し、様々な顧客へサンプル提供を開始しています。
IC製品では、モビリティ向けICの開発に着手しました。当社の回路設計技術を活かし、微細な生産ラインは外部に委託することで、機能、品質、コスト面で競争力のあるIC開発を推進しています。
当事業に係る研究開発費は2,015百万円であります。
(電装事業)
当セグメントの研究開発活動は、二輪・四輪・汎用の3つの分野で行いました。二輪分野では、来るべき電動二輪車対応として次世代モーター制御の主流となるセンサレス技術に関するソフトウェアを開発し、価格競争力のあるPCUの開発を推進しました。
四輪分野では、車種ごとに多様化する電源の仕様に対応すべく、コアの部分を共通設計としたプラットフォーム化を進め、性能と、省人化によるコスト競争力の両立に向けた技術開発を継続推進しました。
汎用分野では、エンジン発電機用途で培ったインバータ技術を活かし、二次電池や燃料電池を利用したシステムに向けた製品の開発を推進しました。
更にあらゆる製品へ活用可能な接続の強度や耐久性等の要素開発に取り組み、各種データの取得を実施いたしました。
当事業に係る研究開発費は1,290百万円であります。
(エネルギーシステム事業)
当セグメントの研究開発活動として、情報・通信市場分野では、通信ビル用の高効率中容量電源装置を開発しました。その他に電源装置に搭載する出力48V電源ユニットのリニューアル化を行い、量産の準備を開始しました。また、共通技術として小型・高効率化に向けた電源変換部の技術開発に取り組みました。
当事業に係る研究開発費は233百万円であります。
(全社共通)
全社共通に係る研究開発費は1,424百万円であります。