有価証券報告書-第90期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 13:45
【資料】
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【項目】
103項目

研究開発活動

当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、電力開発課、システム開発課を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制とし、また各子会社の開発部門との連携により今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4億3千万円であります。
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサに要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙った小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。
また、電力市場では、海外規格対応の高圧進相用コンデンサの開発、自動車市場では高耐熱フィルムコンデンサの開発に注力し、市場の開拓を進めております。
今後は、各種用途における最適設計の追求、機能向上により更なる商品力の強化を進めてまいります。
当事業に係る研究開発費は3億7千5百万円であります。
(2)電力機器システム
電力システム(鉄道を含む)分野でのエネルギー有効利用・力率改善・電力品質改善・安全対策に関連する商品開発を推進してまいりました。
電力機器においては、海外電力市場(進相用、SVC用など)に適合した海外規格品で、海外メーカーに対抗出来る小型・低価格の電力用コンデンサの開発を進め、商品ラインナップの拡充に取り組んでおります。また、海外で普及しているコンデンサ保護装置の開発が完了し、電力用コンデンサ・リアクトル・保護装置をセット販売出来るようにしました。国内鉄道地上設備においても、大規模な地絡故障を未然に防ぐ「き電保護パック」を正式にご採用いただけることになり、重要輸送インフラの安全性向上に貢献しております。
システム機器においては、設備予防保全の重要性から、特にFA、半導体市場向けの分散設置、製造装置組込み式のニーズに対応した「ラック式小容量瞬低補償装置」や、長時間補償を可能にするリチウムイオンバッテリー式「瞬時電圧低下・短時間停電補償装置」の商品化など、市場のニーズに合わせた幅広いラインナップ拡張、平常時の電力平準化・再生可能エネルギーの活用・災害時のBCP対策など、様々なエネルギーの課題を解決するための「リチウムイオンバッテリ-蓄電システム」の開発やSiC(シリコンカーバイト)等の次世代半導体を適用した要素技術、新商品の研究・開発を積極的に取り組んでまいりました。
今後も、当社のコンデンサ技術とパワエレ技術をベースとして、エネルギーマネージメントシステムなど、電力品質の向上、エネルギー有効利用に役立つ新商品の研究・開発を推進してまいります。
当事業に係る研究開発費は5千5百万円であります。