有価証券報告書-第92期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 12:09
【資料】
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【項目】
135項目

研究開発活動

当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、e-パワーシステム事業統括開発部を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制の上で、今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、428百万円であります。
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサに要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙った小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。
また、自動車市場における高耐熱フィルムコンデンサの研究開発、産業機器交流用コンデンサの研究に注力し、新規技術の獲得、商品化を進めております。
今後は、各種用途におけるコア技術の獲得、進化により更なる商品力の強化を進めてまいります。
当事業に係る研究開発費は410百万円であります。
(2)電力機器システム
電力機器においては、国内電力市場向けの進相コンデンサ用直列リアクトルについての基礎研究をすすめ、温度上昇の独自メカニズムを考案し小型化リニューアルに向けて取り組んでおります。大学との産学連携共同研究も継続しており、小型・低損失・低騒音・低振動化を目指し、新しい技術導入と新商品開発に取り組んでおります。国内鉄道地上設備においては、昨年度開発しました高インダクタンス形直列リアクトルにおいて、昨今の環境配慮の方針に基づいた製品として植物油を採用したタイプも製品群に加え、更なる地球環境への貢献活動を進めました。
システム機器においては、競争力の高い小容量瞬低補償装置の技術を応用し、より大きな容量へ対応した「並列運転方式ラック式瞬低補償装置」の開発に取り組み、商品化の目途が立ちました。また、絶縁型蓄電システムやワイヤレス給電などの新エネルギー市場への参入や低炭素社会の実現・SDGs推進を見込んだ、最先端回路技術「DAB(デュアルアクティブブリッジ)コンバータ」・デバイス技術「GaN(ガリウムナイトライド)」や、システム商品の遠隔監視用IoT技術などの要素技術開発を進め、新しい技術を導入した新商品、要素技術の研究・開発に積極的に取り組んでまいりました。
当事業に係る研究開発費は18百万円であります。