有価証券報告書-第68期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:50
【資料】
PDFをみる
【項目】
130項目

研究開発活動

当社グループにおける研究開発活動は、グループ各社(主に当社、日本電子テクニクス㈱、㈱JEOL RESONANCE)間の緊密な連携の元に進められています。当社においては、中長期的な観点で選択された基盤的研究、各事業の核となる基幹製品の開発、および独立行政法人産業技術総合研究所等の外部機関との共同研究を実施しております。日本電子テクニクス㈱は、卓上型および汎用型の走査電子顕微鏡の開発を担当しており、㈱JEOL RESONANCEは、核磁気共鳴装置の開発を担当しております。
当社グループは、中期経営計画「Dynamic Vision」の重点戦略の一つとして「製品開発力UP」を掲げ、ナノテクノロジー・材料分野・ライフサイエンスをはじめとする世界の先端技術動向を見据えながら、新製品の早期開発に取り組みました。
当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発成果は次の通りであり、研究開発費の総額は5,515百万円となっております。
(1)理科学・計測機器事業
当セグメントに係る研究開発費は4,065百万円であります。
透過電子顕微鏡においては、JEM-ARM200Fの上位機種である究極の原子分解能電子顕微鏡 JEM-ARM300Fを市場導入いたしました。これによって、ハイエンド電子顕微鏡市場における当社の競争力が一層向上すると期待できます。また直近では、最新ソフトウェアとの親和性と操作性を向上させた JEM-2100Plusを市場導入いたしました。走査電子顕微鏡においては、新開発の超高分解能ジェントルビーム(GBSH)の搭載により世界最高峰の分解能を実現したショットキー電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-7800F Primeを、光電子分光装置においては、JPS-9030を、複合ビーム加工装置においては、JIB-4610Fを市場導入いたしました。また、核磁気共鳴装置においては、最新デジタル技術と高周波技術を駆使して開発された核磁気共鳴装置JNM-ECZシリーズ、質量分析計においては、質量分解能および検出感度を向上させたガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計 JMS-T200GCを市場導入いたしました。
(2)産業機器事業
当セグメントに係る研究開発費は633百万円であります。
産業機器事業は、電子ビーム技術を産業分野に応用するセグメントであり、電子ビーム描画装置と金属溶解や電子ビーム蒸着用の電子銃を開発しております。また近年、注目を浴びている3Dプリンター分野において、金属材料用3Dプリンターへの電子ビーム技術の応用が期待されており、製品化を実現すべく、2014年4月に設立された技術研究組合である次世代3D積層造形技術総合開発機構に参画いたしました。
(3)医用機器事業
当セグメントに係る研究開発費は817百万円であります。
生化学自動分析装置においては、臨床検査室のソリューション提供を目的とした検査業務の迅速化と自動化を進めており、高速大量処理が可能な生化学自動分析装置JCA-8000Gシリーズを市場導入いたしました。また、海外はOEM供給先であるシーメンス向け新製品ADVIA Chemistry XPT Systemを市場導入いたしました。