有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 15:01
【資料】
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【項目】
154項目

研究開発活動

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、材料から製品までの一貫した開発体制を活かした高付加価値製品の開発や、より高い品質レベルの追求、環境負荷の更なる低減、新規事業の創出に向けた基礎研究などに重点をおいて取り組んでまいりました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,288百万円であり、主な研究開発活動は次のとおりであります。
(コンデンサ)
伸長市場に向けた新製品開発を強化し、顧客満足度の向上を推進致しました。
電子化、電動化が進む車載市場向け製品開発では、機電一体化など電子部品がパワートレインに直接取り付けられる用途をターゲットに、アルミ電解コンデンサの耐熱性の向上に取り組みました。新製品のリード形「GQBシリーズ」及びチップ形「MXBシリーズ」は、業界最高水準となる耐熱性150℃を実現しております。また、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサにおきましても、業界で初めて150℃2,000時間保証の耐久性を実現したリード形「HSFシリーズ」の開発に成功し、高耐熱製品の充実を図りました。一方、安全装置の高機能化に対しては、SRSエアバッグシステム用に、静電容量を従来品から最大約30%向上した「LBVシリーズ」を開発し、量産を開始致しました。
また、電気二重層キャパシタ「DLCAP™」では、リード形「DKAシリーズ」を上市致しました。自動車のドアロック解除など非常時のバックアップ電源用途や、IoT機器の電源用途などに提案してまいります。更にネジ端子形製品では、定格電圧を2.8Vに高めた「DXFシリーズ」の量産を開始し、製品構成の充実を図りました。
このほか、SiCやGaNを使った次世代パワー半導体の実用化が進む中、高周波での使用に特化したアルミ電解コンデンサ開発に取り組みました。非接触給電システムの小型化などに貢献する製品として引き続き開発を推進してまいります。また、携帯電話の通信基地局などに提案する製品として、耐熱性を125℃に高めた基板自立形アルミ電解コンデンサ「GXAシリーズ」や、デジタル家電製品のアダプターの小型化に貢献する製品として、静電容量を向上したリード形アルミ電解コンデンサ「KWBシリーズ」を開発するなど、用途に最適化したコンデンサ開発を積極的に推進致しました。
一方、コンデンサ用材料の研究開発におきましては、アルミニウム電極箔、封口ゴム、電解質など、主要材料の更なる高性能化に取り組みました。特に、コア技術のアルミニウム電極箔の開発では、高耐電圧化、高容量化、品質の安定化、生産性向上のための技術開発等を積極的に推進致しました。
また、今後事業化を目指す次世代製品の開発では、リチウムイオン電池の高性能化に貢献する「新導電性カーボン(NHカーボン™)」や、新たな高性能蓄電デバイスの創造に向けた研究開発に引き続き取り組みました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は4,073百万円であります。
(その他)
ドライブレコーダーやセキュリティ機器等に使われるCMOSカメラモジュールでは、ADAS(先進運転支援システム)やIoT機器向けの需要の高まりを受けて、小型、高感度、高画質製品の品揃えを充実させると共に、ワイドダイナミックレンジ製品や防水製品など高機能モジュールの開発を推進致しました。
その他、スイッチング電源やインバータ電源など各種電源機器に使われるアモルファスチョークコイルの小型化に取り組んだほか、安全性の高い不燃タイプのセラミックバリスタ「SVシリーズ」においてはシリーズ構成を拡充し、市場要求に沿った製品開発を進めました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は215百万円であります。