有価証券報告書-第68期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 16:36
【資料】
PDFをみる
【項目】
60項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。
① 経済状況の変動による影響
1)当社グループ製品の需要への影響
当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
2)当社グループの取引先への影響
経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
3)当社グループの銀行取引への影響
事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
② 為替相場の変動による影響
当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
1)営業損益への影響
当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の四半期平均レートにて円換算されてた収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。
2)金融費用純額への影響
当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に他の通貨(米ドル、ユーロ、ポンド等)に対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。当社グループは為替予約および通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。
3)純資産への影響
当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により為替換算調整勘定が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。
③ 事故・災害等の影響
地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 訴訟その他の法的手続について
当社グループは、当社及び当社の米国現地法人ティアックアメリカ, INC.は、2009年11月3日に米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において、光ディスクドライブ装置の価格カルテルを行ったとする主張に基づき、KI,INC.を原告代表とする集団訴訟の提起を受け、その後、カナダの5州においても同様の集団訴訟の提起を受けております。米国の集団訴訟において、2015年1月に原告のClass Certificationの再申請が認められ、訴訟が進行したことに伴い、2016年3月期において、今後訴訟の解決までに発生する可能性の高い関連費用を合理的に見積り、訴訟損失引当金626百万円を計上しております。以上のほか世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 公的規制について
当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ 製品の品質とその責任について
当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦ 製品含有化学物質について
当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報、その他情報の流出について
当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。
⑨ 競争による影響
当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を与える可能性があります。
⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響
当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑪ 知的所有権について
当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑫ 退職給付債務に対する影響
退職給付債務は、割引率や長期期待運用収益率等の前提条件に基づく数理計算によって算出されます。経済状況の変化等により実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、その影響額は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えます。特に金利の低下に伴う割引率の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑬ 固定資産の減損、投資有価証券の評価について
当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。また、当社グループは、取引先等の株式等、有価証券を保有しておりますが、時価のあるその他有価証券は四半期毎に時価に基づき評価を行うため、その時点の時価により財政状態計算書計上額が変動する可能性があり、また時価が著しく低下した場合は減損が発生する可能性があります。減損が発生した場合、あるいは時価の低下により売却損が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑭ 財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 資本業務提携に関するリスク
当社グループでは、親会社の楽器製品の製造販売事業と当社の音響機器事業との間の相乗効果の発揮を意図し資本業務提携を締結しておりますが、これらの提携等が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において連結財政状態計算書の資本合計の金額が15億円を下回ったことにより、当連結会計年度末において当社が取引金融機関等との間で締結しているシンジケートローン契約の財務制限条項に抵触することとなりました。
当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、「7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策」に記載の通り、既に当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているとともに、今後の主要取引銀行等の支援体制も十分確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
※ 上記のうち将来に関する事項は、2016年6月21日現在において当社グループが判断したものであります。
※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。