有価証券報告書-第61期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 14:44
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の内外の経済状況を概観しますと、米国では緩やかな拡大が継続した一方、中国や新興国の下振れリスクや英国のEU離脱問題などにより、市場が不安定な状況で推移いたしました。為替市場においては近来にない大幅な円高となり、当社の業績には大変厳しい状況となりました。
当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)の事業状況につきましては、独自技術を生かした製品の積極的な世界展開を進めてまいりました。時計事業、及び関数電卓・電子辞書の教育事業などの高収益事業のさらなる拡大を図るとともに、市場の変革に対応すべく、事業構造改革として楽器・デジタルカメラ・プロジェクター等の事業を統合し、効率化と新しい価値創造への取り組みをスタートさせました。さらに、システム事業に関しては、収益性の改善を図るべく抜本的な構造改革を断行いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,212億円(前期比8.8%減)となりました。
損益につきましては、営業利益は306億円(前期比27.3%減)、経常利益は262億円(前期比36.1%減)となり、通期業績は減収減益となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益は、184億円(前期比41.0%減)となりました。
当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。自由な発想で、劇的に新しい価値を世の中に提供することを目指し、新規事業の確立にも邁進しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(コンシューマ)
<時計事業>高機能、高単価アナログウオッチのラインアップ拡充、グローバル展開、プロモーション戦略によるブランド浸透などを推進する中、特に、中高価格帯の「G-SHOCK」や、Bluetooth®でスマートフォンと連携する「EDIFICE」などが好調に推移いたしました。
<教育/デジタルカメラ事業>海外における学校販売強化により関数電卓が好調に推移するとともに、社会人向けの新しい教育市場の創造を目指して展開を進める英語学習専用機も売上の拡大に寄与いたしました。また、楽器は、品質問題による生産遅延の影響を受け、デジタルカメラは、熊本震災による部材調達難の影響などにより減収となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、2,728億円(前期比9.4%減)となりました。損益につきましては、371億円の営業利益(前期比24.1%減)となりました。時計は製品ミックスの改善により高収益性を維持しました。電卓は海外で関数電卓が好調に推移し収益性を確保しました。
(システム)
採算性の低かったオフィス向けのプリンター事業とOA事業の赤字部門から撤退し事業体質の強化を図りました。
当セグメントの売上高は、397億円(前期比6.9%減)となりました。損益につきましては、構造改革の影響により22億円の営業損失(前期 営業損失18億円)となりました。
(その他)
当セグメントは、金型などのグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、86億円(前期比0.5%増)となりました。損益につきましては、3億円の営業利益(前期 営業損失1億円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比93億円減少の1,187億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比47億円減少の279億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益234億円(前期406億円)、減価償却費97億円(前期97億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額18億円(前期は増加額65億円)、未払又は未収消費税等の増減による収入11億円(前期は支出10億円)、法人税等の支払額69億円(前期53億円)などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、前期81億円の収入に対し32億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出89億円(前期103億円)、有形固定資産の売却による収入35億円(前期81百万円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入17億円(前期は純収入179億円)などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比92億円支出が増加し、309億円の支出となりました。主な内訳は、長短借入れ及び返済による純支出41億円(前期は純収入9百万円)、自己株式の取得による支出149億円(前期102億円)、配当金の支払額108億円(前期104億円)などであります。