有価証券報告書-第56期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用環境の改善や個人消費の拡大により景気拡大が続き、欧州でも、ユーロ安や原油価格の下落を追い風に緩やかな景気回復を続けました。一方で、中国では景気減速が鮮明となり、東南アジアについても経済成長が鈍化しました。
また、国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善などにより緩やかに景気回復を続けていますが、個人消費が低迷するなど一部では不透明感も残りました。
このような経済環境のなか、当社グループの市場別販売状況は、北米の新車販売が好調に推移していることに加え、自動ブレーキをはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の普及が追い風となり、主力の自動車関連製品の販売が増加しました。一方で、ゲーム機やデジタルカメラの需要減少などが影響し、民生機器向けの販売は減少しました。これらの結果、当連結会計年度における売上高は730億98百万円、前年同期比6億32百万円(0.9%)の減収となりました。
利益面につきましては、上期においては、日本及び中国の収益が悪化し営業損失を計上しておりましたが、下期以降、国内では生産拠点の集約及び希望退職者の募集(経営合理化策)、海外では生産体制の適正化を推し進めた結果、当連結会計年度における営業損益は3億81百万円の利益(前年同期比40.5%減)となりました。経常損益は、為替相場の変動により発生した為替差損の影響が大きく、6億28百万円の損失(前年同期は15億13百万円の経常利益)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益は、上記経営合理化策実施に伴い、固定資産の減損損失及び事業構造再編費用を特別損失に計上したことなどから、81億22百万円の損失(前年同期は11億78百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの概況は以下のとおりです。
(日本)
国内の自動車市場は、消費増税及び軽自動車増税の影響が尾を引き、新車販売が前年を下回る状況が続いております。一方で、ADASの普及により自動車への電子部品搭載点数は増加傾向にあり、当社においてもADAS関連製品の受注獲得に注力しております。
これらの結果、自動車関連製品の販売は前年を上回りましたが、デジタルカメラ、アミューズメントなどの分野での販売減少の影響が大きく、売上高は436億28百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
利益面では、売上高減少の影響はありましたが、上記経営合理化策による固定費削減が寄与したことに加え、徹底的なコスト削減を推し進めた結果、6億66百万円のセグメント利益(前年同期比100.7%増)となりました。
(中国)
中国の自動車市場は、景気減速や株価急落などの影響により新車販売が低迷しておりましたが、昨年10月に始まった減税措置により需要回復の動きが見られました。しかし、その市場環境は未だ不透明な状況が継続しております。
このような市場環境の中、当社販売は自動車関連製品をはじめとして総じて低調に推移し、売上高は142億41百万円(前年同期比6.5%減)となりました。利益面は、期初の急激な受注変動により第1四半期において損失を計上しておりましたが、生産体制の適正化を進め、第2四半期以降、損益は改善いたしました。しかしながら、通期での黒字化には至らず92百万円のセグメント損失(前年同期は5億63百万円のセグメント利益)となりました。
(東南アジア)
東南アジアの自動車市場は、景気減速などの影響により新車需要の低迷が続いております。一方で、好調な北米の新車需要に支えられ、タイの輸出向け自動車生産は拡大しており、当社受注にも寄与しました。
これらの結果、売上高は96億37百万円(前年同期比7.0%増)となりました。利益面は、受注増加などにより収益改善が進み、0.2百万円のセグメント損失(前年同期は1億70百万円のセグメント損失)となりました。
(欧米)
景気拡大や原油価格の下落などを背景に北米市場の新車販売は好調を維持しており、当社自動車関連製品の受注も堅調に推移しました。この結果、売上高は55億90百万円(前年同期比13.6%増)、セグメント利益は2億38百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度の171億64百万円に対して44億18百万円増加し、215億82百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、52億10百万円(前連結会計年度は19億37百万円の増加)となりました。これは主に減価償却費49億32百万円、減損損失41億82百万円、事業構造再編費用28億33百万円の計上などによる資金の増加、税金等調整前当期純損失の計上78億79百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、15億79百万円(前連結会計年度は27億89百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出30億75百万円による資金の減少などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、13億円(前連結会計年度は14億38百万円の減少)となりました。これは主に借入れによる収入319億71百万円、社債の発行による収入76億14百万円などによる資金の増加、借入金の返済による支出311億1百万円、社債の償還による支出45億円などによる資金の減少などによるものであります。