有価証券報告書-第56期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
132項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 収益の認識基準
当社グループの売上高は販売基準に基づき、通常、製品・商品が出荷された時点で売上計上しております。なお、試作品など特定の顧客仕様で製作した製品・商品については顧客が検収した時点で売上計上しております。
② 貸倒引当金の計上基準
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客又は貸付先の財務状況・経営状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
③ 投資の減損処理
当社グループは金融機関や販売・仕入先に係る株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、当社グループでは以下の基準に基づき有価証券の減損処理を行っております。
その他有価証券で時価のある株式・・・・・時価が取得原価に比べ50%以上下落したもの
その他有価証券で市場価格のない株式・・・1株当たり純資産額が取得原価に比べ50%以上下落したもの
従って、将来、株式市場が悪化した場合には多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。また、関係会社株式については将来、当該会社の財政状態が著しく悪化し回復可能性なし又は不明であると判断した場合において減損処理を行う可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、繰延税金資産の一部について将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に税金費用を計上することになります。
⑤ 退職給付費用
当社グループは従業員の退職給付に備えるため各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、各連結会計年度末において発生していると認められる額を計上しております。そこで当社グループの年金資産の時価が下落した場合、運用利回りが低下した場合、又は金利環境の変動その他の要因が年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を与える可能性があります。また、年金制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。
⑥ 固定資産の減損会計
固定資産の減損に係る会計基準の適用により、将来の固定資産の使用状況や価値等の変動による固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
(2) 経営成績についての分析
① 売上高
売上高の概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
② 営業損益
当連結会計年度におきましては、日本及び中国の収益が悪化し、上期において営業損失を計上しておりましたが、下期以降、国内では生産拠点の集約及び希望退職者の募集(経営合理化策)、海外では生産体制の適正化を推し進めた結果、営業損益は3億81百万円の利益(前年同期比40.5%減)となりました。
③ 営業外収益(費用)、経常損益
営業外収益は、5億85百万円となり、前年同期に対して11億12百万円の減少となりました。これは主に為替差益が減少したことによるものであります。また、営業外費用は、15億95百万円となり、前年同期に対して7億69百万円の増加となりました。これは主に為替差損が計上されたことによるものであります。
この結果、経常損益は6億28百万円の経常損失(前年同期は15億13百万円の経常利益)となりました。
④ 特別利益(損失)、親会社株主に帰属する当期純損益
特別利益は、1億71百万円となり、前年同期に対して9億39百万円の減少となりました。これは主に関係会社株式売却益や事業構造再編費用引当金戻入額が減少したことによるものであります。また、特別損失は、74億22百万円となり、前年同期に対して66億47百万円の増加となりました。これは主に上記経営合理化策実施に伴い固定資産の減損損失及び事業構造再編費用を計上したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損益は81億22百万円の損失(前年同期は11億78百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(3) 財政状態に関する分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度の991億75百万円に対して86億70百万円減少し、905億4百万円となりました。これは主に現金及び預金が70億18百万円増加し、受取手形及び売掛金が11億76百万円、有価証券が26億9百万円、有形固定資産が77億89百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債は、前連結会計年度の395億23百万円に対して8億90百万円増加し、404億13百万円となりました。これは主に社債が32億50百万円、未払金が10億52百万円、事業構造再編費用引当金が9億3百万円それぞれ増加し、支払手形及び買掛金が23億52百万円、リース債務が20億88百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度の596億51百万円に対して95億61百万円減少し、500億90百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失等の計上に伴い利益剰余金が84億18百万円減少したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度の171億64百万円に対して44億18百万円増加し、215億82百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、52億10百万円(前連結会計年度は19億37百万円の増加)となりました。これは主に減価償却費49億32百万円、減損損失41億82百万円、事業構造再編費用28億33百万円の計上などによる資金の増加、税金等調整前当期純損失の計上78億79百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、15億79百万円(前連結会計年度は27億89百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出30億75百万円による資金の減少などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、13億円(前連結会計年度は14億38百万円の減少)となりました。これは主に借入れによる収入319億71百万円、社債の発行による収入76億14百万円などによる資金の増加、借入金の返済による支出311億1百万円、社債の償還による支出45億円などによる資金の減少などによるものであります。
③ キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成24年3月期平成25年3月期平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月期
自己資本比率(%)53.357.154.956.451.4
時価ベースの自己資本比率(%)27.218.815.918.529.0
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
7.42.59.711.14.4
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
4.014.14.14.916.0

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。