有価証券報告書-第59期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 11:39
【資料】
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【項目】
113項目

研究開発活動

当社では、食の安心・安全と美味しさの提供による食文化の向上と、地球環境に優しい省資源・省エネを考慮した製品の研究開発を企業の使命として取り組んでいます。機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の研究開発を推進しています。
当事業年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
なお、当社は、冷凍冷蔵冷熱機器に係る事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(1)業務用冷凍冷蔵庫の分野
①当社独自のスライド扉冷蔵庫シリーズにおいて、手動スマート開閉機構の全8機種への展開を完了いたしました。スペースを有効活用できるスライド扉冷蔵庫は2013年市場投入以来、常に進化を重ね使い勝手を向上してまいりましたが、これからの業務用冷蔵庫を切り拓く製品と位置づけ、継続して商品力を高めてまいります。
②たて型業務用冷蔵庫では3G回線を利用したデータ収集システムの開発に取り組んでいます。周囲温度や凝縮温度異常等のアラームを検知し、故障の未然防止でお客さまに安心と安全を提供する製品を2020年8月から順次サービス開始いたします。また、食品衛生法が改正され市場からは温度管理の見える化が求められる中、冷蔵庫内温度管理のトレーサビリティ及び温度帳票出力可能としHACCPに対応しています。さらに運転モニターにより機器の状態を把握することにより、迅速なサービス対応を可能とし、お客さまとの信頼関係を強化してまいります。
③よこ型業務用冷蔵庫奥行450mmの超薄型タイプのフルモデルチェンジを行い、2020年1月より順次販売を開始いたしました。前カバーや表示部、扉ハンドルの意匠をシリーズで統一、よりシンプルにお客さまの使いやすさにこだわったデザインとメンテナンス性を考慮した製品になっております。
④海外輸出モデルとしてたて型・よこ型と合わせ全64機種の業務用冷蔵庫・冷凍庫を開発完了し、ラインアップ拡充を図っております。香港・マカオとともに、東南アジア市場へ販売展開を行い事業拡大してまいります。
今後も国内・海外のお客さまの要望に応えるべく、省エネ性の向上と共に使い勝手に配慮した、快適な厨房環境を提供する製品の開発を進め、市場競争力を高めてまいります。
(2)ショーケースの分野
①飲料陳列の他、飲食店でのデシャップエリアや厨房内での食材一時保管等、幅広く導入される小型ショーケース10機種のフルモデルチェンジを行い、2019年7月より順次販売しております。省エネ性能に加えLED照明の標準装備等、商品力の高い新製品として好評いただいております。
②2018年に販売開始した省エネインバータ制御平型オープンショーケースに、2019年3月より製品幅900mm機種を市場投入し、シリーズの充実を図っております。設定温度範囲を-25~+18℃に切替可能とし、2020年4月には製品幅1,800mm機種も発売開始する予定で、多様な店舗でアイスクリームから弁当まで、季節や陳列場所に応じた様々なニーズに適応することが出来ます。
③冷温切替ショーケースを開発し、2019年4月から販売しております。社員食堂・ホテル等の給食施設の他、人手不足の昨今、昼食時セルフ配膳を採用している居酒屋や食堂に配膳作業の省力化を提案しております。また、季節のメニュー変動に対応できる冷温切替式を採用し、きめ細かなお客さまのニーズに対応できる製品となっております。
(3)その他の分野
①製氷機においては、製氷能力340kgクラスのフレークアイス製氷機を2019年7月より販売開始しております。新たに開発した独自のオーガ機構で低コストで大量のフレークアイスを素早く製氷でき、不定形の粒状氷は隙間なく敷き詰めることができる為アイスベッド(鮮度保持)に最適で、また、大容量ストッカーを装備しており、スーパーマーケットや鮮魚店等の大量に氷が必要なシーンで活躍しております。
②2019年11月よりハッチタイプの業務用食器洗浄機をフルモデルチェンジし、販売開始しております。すすぎ水量は2リットル以下と従来の節水設計は継続し、本体2重構造、吸音材採用、ウォーターシール構造により静音性、断熱性(保温性)を大幅に向上した製品となっております。また、扉を閉めても自動運転が開始されない休止モードを追加し、埃の侵入防止や、タンク水温の保温効果アップでき使い勝手が向上しました。
③様々なメニューの調理が可能なスチームコンベクションオーブンシリーズに、自動洗浄機能付き製品を新たに2019年4月から販売しております。カンタン操作で洗浄から乾燥まで自動洗浄でき、日々のお手入れ作業の省力化を実現し、人手不足解消・生産性向上に効果的な製品となっております。
④真空パックすることで食材の酸化を防止する真空包装機に引出しタイプをラインアップ追加し2019年9月より販売を開始しております。引出式なので省スペース、2段積や作業台としても使用でき限られた作業空間を有効活用できます。また、別置き式なので真空ポンプを本体から離して設置することで、作業空間の静音化を図ることができます。なお、ポンプ1台につき本体を2台まで接続可能で、少ない投資で機器を増設することができるよう配慮しております。
食の安心・安全、作業効率の向上、美味しさへの追求といった幅広いお客様のニーズに応え、様々な厨房オペレーションに対応できる機器開発を推進し、市場開拓に努めております。
(4)当事業年度の成果
顧客ニーズに応えるべく省エネ性を追求し地球環境に配慮した製品を市場投入するとともに、一層の使い勝手の向上や省スペース化による商品力強化、新規需要先の要求に合致した開発に取り組んでおります。
以上の研究活動を行った結果、当事業年度の研究開発費は400百万円となりました。