有価証券報告書-第60期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/23 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の世界経済を見ますと、欧州では景気が持ち直す動きが見られたものの、回復の動きは緩慢であり、低迷から脱しきれませんでした。中国等新興国の中には景気減速が見られ、成長率の鈍化が懸念される状況でした。また、日本経済は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動もあり、回復に力強さは見られませんでした。一方、米国では年初寒波の影響により経済活動が一時的に低迷したものの、その後持ち直し、堅調な景気回復が続きました。
電子機器市場におきましては、パソコンやテレビ等の生産台数が伸びなかったものの、スマートフォンやタブレット端末が堅調に生産台数を伸ばしました。また、自動車の生産台数増加やハイブリッド車、電気自動車等を含めた電装化の進展などに加え、中国の設備投資需要等から産業機器関連も堅調に推移し、電子部品の需要は増加しました。
このような環境の下、当社グループは家電製品関連では、スマートフォン向け、タブレット端末向け需要が好調に推移しました。車載の電装化が進展する中、世界的に自動車販売が好調に推移し、特に高級車が堅調であったことから車載関連の需要が拡大を続けました。また、インダストリー分野では、産業機器関連向け等設備投資関連の受注が堅調に推移しました。
こうした中、当社グループは車載関連では拡大する需要に対応するため、当連結会計年度にメキシコ等工場の拡充を進めました。また、インダストリー分野においては産業機器、エネルギー、メディカル・ヘルスケア向けの市場開拓、売上拡大を目指し、その戦略の一つとして新たにスミダパワーテクノロジー株式会社を設立し、今後成長が期待できる医療機器関連向けの強化を進めました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、スマートフォン、タブレット端末向け以外の家電製品関連は依然として伸び悩んだものの、安全・環境・快適のための電装化の進展や高級車生産の好調を受け車載関連が欧州、北米等で堅調であったこと、インダストリー分野ではFA機器、産業機器向け伸びたことに加え前年同期に比べ円安/米ドル高・ユーロ高に推移したこと等から前連結会計年度を13,669百万円(21.4%)上回る77,563百万円となりました。
営業利益は増収効果に加え、生産性向上、原材料価格低減を進めたことで前年同期比97.0%増の3,345百万円となりました。
営業外で支払利息524百万円等の費用があり、経常利益は同152.8%増の2,799百万円となりました。
特別損益では、平成25年6月に発生したドイツの洪水被害に伴う損失303百万円、中国の社会保険料追加負担金310百万円等を特別損失に計上したものの、ドイツの洪水被害等に伴う受取保険金として495百万円、洪水被害に係る政府補助金359百万円、洪水被害を受けたドイツの連結子会社の建物について前連結会計年度に実施した減損損失の国際財務報告基準に基づく戻入益として137百万円等の特別利益があったことから税金等調整前当期純利益は同286.6%増の3,162百万円となりました。
当期純利益は1,346百万円(前連結会計年度はドイツでの洪水被害の影響や繰延税金資産の回収可能性を見直したこと等から2,008百万円の当期純損失)となりました。
(報告セグメントの状況)
当連結会計年度における報告セグメントの状況は次のとおりであります。
1)アジア・パシフィック事業
アジア・パシフィック事業では、スマートフォン、タブレット端末向け以外の家電製品関連は伸び悩んだものの、インダストリー分野では産業機器向けが堅調に推移しました。また、ABS/ESCに加え、北米等でスマートエントリー向け等車載関連の需要が好調に推移したこと、前年同期に比べ円安に推移したこと等から、当連結会計年度の売上高は前年同期比15.6%増の47,061百万円になりました。セグメント利益は同50.2%増の3,443百万円となりました。
2)EU事業
EU事業では、家電製品関連、インダストリー分野では大きな動きが見られなかったものの、スマートエントリー、HIDランプ向け等車載関連が好調であったことに加え、前年同期に比べ円安で推移したこと等から、当連結会計年度の売上高は前年同期比31.6%増の30,501百万円となりました。セグメント利益は同42.1%増の1,985百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比181百万円増加し、3,713百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,512百万円(前連結会計年度は4,313百万円の収入)となりました。税金等調整前四半期純利益3,162百万円、減価償却費による3,430百万円等の資金流入があったものの、売上債権の増加による2,853百万円、たな卸資産の増加による2,179百万円等の資金流出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は6,279百万円(前連結会計年度は2,912百万円の支出)となりました。投資有価証券の売却による91百万円等の流入があったものの、有形固定資産の取得による6,109百万円等の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4,719百万円(前連結会計年度は1,197百万円の支出)となりました。短期借入金が6,341百万円純減し、社債の償還770百万円、配当金の支払額463百万円等の支出があったものの、資金調達により長期借入金が12,329百万円純増となったこと等によるものです。