有価証券報告書-第60期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/23 9:00
【資料】
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【項目】
125項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年3月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
①経済動向に係るリスク
当社グループでは事業拠点を世界各地域に分散させ、特定地域に偏らない事業展開を進めるとともに、特定の取引先への依存度を過度に高くすることなく、幅広い分野の顧客向けに事業展開し、各国の景気変動の影響を最小限にとどめるようにしております。また顧客からの要請に対しては迅速な設計、原材料調達先の多様化、部材の内製化、輸送手段の効率化などを進め、顧客からの信頼性や品質・機能の要求を満たす製品を提供していく体制を作っております。しかし、当社グループが属するエレクトロニクス業界は世界経済の影響を受けやすい、変化の激しい業界であります。世界各国の急激な景気変動の影響を受け、急激な需要の変化により、当社グループを取り巻く経営環境が直接あるいは間接的に影響を受けることがあります。また、エレクトロニクス市場は今後も拡大していく市場であり、市場の拡大は参入企業の増加、潜在的な競業企業の増加も考えられ、厳しい競争の中、製品に対する顧客の要求も厳しくなる可能性があります。
②為替動向に係るリスク
当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループでは、売上とコストの通貨バランスを図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、通貨のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生ずる為替換算差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する為替換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、インハウス・バンクを中心にグローバルに取引通貨の相当部分を相殺しており、為替予約を行う等、為替変動による連結業績への影響を最小限にとどめるように努めておりますが、連結財務諸表作成のため外貨建て財務諸表を日本円に換算した際に、為替変動より財政状態および経営成績は影響を受けることがあります。
③金利動向に係るリスク
当社グループでは、金利動向を的確に把握し機動的な資金調達を行う一方で、調達方法の多様化を図る等金利動向の影響を最小限にとどめるべく対応しておりますが、借入金等に係る金利動向によっては、当社グループの収益に影響を与える場合があります。
④有利子負債に関するリスク
当社グループでは、当事業の運営のため取引銀行からの借入金等の確保は不可欠であります。当連結会計年度末における有利子負債(借入金および社債)の総資産に占める割合は49%となっております。そのため、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢等が厳しくなり、当社グループの資金調達に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
⑤税務に係るリスク
当社グループを構成する事業法人は世界十数カ国に存在し、それぞれが各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。当社グループとしては、各国制度法令解釈の相違により生じ得るリスクにも充分に留意し、各国の諸規則を遵守しつつ、グループとしての最適なタックス・プランニングを検討、実施すべく対応に努めております。しかしながら、近年各国はそれぞれの立場から移転価格等で適正税額を主張するスタンスをとっており、各国での制度運用・解釈の結果が事業、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥繰延税金資産に係るリスク
当社グループは、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態や経営成績に影響をもたらす可能性があります。なお、繰延税金資産の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合にも影響を受ける可能性があります。
⑦技術革新および価格競争に係るリスク
当社グループは変化の激しいエレクトロニクス業界において、常にリーディングカンパニーであることを目指し、顧客に対しより良い製品を満足できる価格で提供し、顧客の支持を拡大できるよう努力を積み重ねております。当社グループでは他社との製品上の競業関係において、より有利な地位を占めるため積極的な研究開発投資を続け、製品の差別化を図り、価格面でも競争力のある製品を提供し続ける所存です。
しかしながら、エレクトロニクス業界では当社グループと競業企業との間で技術面・価格面における競争は年々ますます激しいものとなっております。特に近年においては中国・台湾および韓国における現地競業企業の台頭がめざましいものがあり、今後の業績に影響を与える可能性があります。
⑧原材料等の調達に係るリスク
当社グループは多くの原材料を外部調達しており、またその価格は国際市況に連動していることから、市況の変動に伴い業績に影響を与える可能性があります。また、供給元における事故等の事由による原材料の供給不足、供給中断により業績に影響を与える可能性もあります。
⑨在庫リスク
当社グループはお客様の短納期要求に対応して製品在庫を保有しております。生産拠点では受注生産を基本に、リードタイム短縮を図り棚卸資産の削減に努めておりますが、顧客の需要予測の変動等によっては、当社グループが在庫リスクを負うことになり、業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
⑩顧客に対する信用リスク
当社グループの顧客の業績は、景気動向、個人消費動向や季節性、新製品導入、新しい仕様・規格に対する需要予測および技術革新等の事業環境に影響を受けます。そのため、当社グループの顧客の事業環境が悪化し、財務上の問題に直面した場合には、売上債権の一部が回収不能となることも想定され、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪海外展開に伴うリスク
当社グループの製造拠点はほぼ海外(中国、ドイツ等)であり、中でも中国が中心となっております。また、当連結会計年度の連結売上高の約80%が海外売上となっております。
各国・各地域の政治、社会、経済状況等の情報把握には万全の努力を払っております。特に各地域における各種関連法規制に関しましては、法令遵守の観点から適切な対応を図ってきておりますが、他方、近年、経済のクロスボーダー化の一層の進行の中で、制度変更あるいは各国間での制度対応の差異等が事業に影響を及ぼすケースも散見されており、経済合理性の観点から一段と海外事業展開を図る一方で、制度法令解釈の相違・変更により生じ得るリスクにも充分に留意しつつ対応に努めております。また、海外の国または地域における労働市場を取り巻く社会環境・労働環境の変化等に起因する労使関係の変化にも充分に留意しつつ対応に努めております。
しかしながら、海外展開にあたっては、当社グループが事業展開を行っている地域での戦争・テロ等の政治的リスク、海外各国における予期せぬ法規制等の変更、社会環境・労働環境の変化、疾病の流行等の社会的リスク、景気動向、為替変動等市場要因による経済的リスク等、様々なリスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫知的財産権に係るリスク
当社グループでは、特許等知的財産権の管理を行う知財部門を強化し、当社グループの開発による新技術を確実に当社グループで権利化するとともに、製品の開発・販売に際し、第三者の特許権、意匠権、その他知的財産権との抵触が発生しないように事前調査を行い、抵触可能性が予見される場合は回避策をとるなど、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止できるよう、万全の注意を払っております。しかしながら、世界各国において特許が日々出願されており、意図せずに第三者の特許権・意匠権等と抵触するような事態を招き、法廷の内外で相当の損害賠償金またはロイヤルティーを請求される可能性があります。また、当社グループは自前のブランドの価値を高める努力をしておりますが、世界においては模造品が多数発生しております。当社グループは模造品撲滅に注力しておりますが、模造品の流通により当社グループの売上が減少する可能性があります。
⑬品質・製造物責任に係るリスク
当社グループは常に製品の品質向上に尽力し、製品の品質確保に万全を期しておりますが、当社グループ製品の要求仕様への不一致や欠陥により供給先である顧客の製造ラインが停止する事態や、欠陥を含んだ当社グループの製品を利用した電子機器に不具合が生じる事態も考えられます。欠陥またはその他の問題が発生した場合は、当社グループの売上高、市場シェア、当社グループブランドに対する信頼または評価、市場認知度、開発などに影響がでる可能性があり、また顧客からの法的手段による請求の可能性もあります。
⑭M&A等による事業拡大に係るリスク
当社グループは技術力の強化や販売網の拡充を目的に、当社グループ以外の会社との事業提携、合併および買収(以下M&A等)を行うことにより、中期経営計画の達成を目指しております。M&Aの実施にあたっては事前に相乗効果の有無を見極めてから実施を決定し、完了後は相乗効果を最大にするように経営努力をしております。しかしM&A等の完了後に、対象会社との経営方針のすりあわせや業務部門における各種システムおよび制度の統合等に当初想定以上の負担がかかることにより、予想されたとおりの相乗効果が得られない可能性があります。また、M&A等に係る費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
⑮情報セキュリティ
当社グループは、技術、営業、その他の事業に関する営業機密を多数有しています。当社グループでは、情報管理において万全の体制を構築しておりますが、予期せぬ事態によって情報が外部に流出し、これを第三者が不正に取得し、使用する可能性もあります。こうした事態が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。
⑯大規模災害などのリスク
大地震、洪水等の自然災害や内乱、疫病等により社会的に混乱がおきた場合、生産および販売活動に重大な悪影響をおよぼす可能性があります。
⑰人材の採用・確保について
当社グループの事業展開は、開発、生産、販売、財務、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に依存しています。特にグローバルな事業展開推進には、人材の確保が必要不可欠と考えています。しかし、優秀な人材に対する需要が高まる一方、優秀な人材は限られており、その確保のための競争が激しくなっています。これに対して当社グループでは、人材の確保に注力するとともに、適性を重視した配置など社員のモチベーションを高める諸施策により、社員の定着・育成に努めております。しかし、雇用環境の変化などにより当社が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑱公的規制とコンプライアンスについて
当社グループは、国内および諸外国・地域において、法規制や政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けております。こうした公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。当社グループでは、公的規制の対象領域ごとに主管する部門を決めて対応しております。また、公的規制に対応した社内ルールを定め、未然に違反を防止するための対応をとっております。これらの取組みに加え、当社ではコンプライアンス委員会を設け、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、遵守すべき倫理規範等を「スミダの経営の関する諸原則・行動規範」として制定し、当社および関係会社における行動指針の遵守並びに法令違反等の問題発生を全社的に予防するとともに、コンプライアンス上の問題を報告する内部通報制度を設けております。しかし、グローバルに事業を展開するなかで、国や地域において、公的規制の新設・強化や想定外の適用等により、当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動が制限されたり、公的規制の遵守に係る費用が増加したりする等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑲国内環境規制などのリスク
当社グループは、国内において地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、廃棄物処理、製品に含有する化学物質、土壌・地下水汚染などに関する様々な環境法令の規制を受けております。当社グループでは、これら法令を遵守し、事業活動を進めておりますが、地球環境保全の観点から、今後ますます規制が強化され、これに適応するための費用の増大が予想されます。また環境規制への適応が極めて困難な場合、想定を超える費用の発生や事業からの部分撤退、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑳事業運営に関するリスク
事業運営リスクには法令違反、ヒューマンエラー、役職員による不正、外部の者による詐欺、法令違反等を原因とする監督官庁の行政処分等が考えられますが、事業運営リスクが顕在化した場合、当社グループの社会的信用の低下または事業運営の効率の低下等により業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。