有価証券報告書-第63期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 9:23
【資料】
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【項目】
99項目

対処すべき課題

(1)中長期的な会社の経営戦略
加速するグローバル、ボーダーレス時代の中で勝ち残るため、中期経営計画「Accomplish 100」において「産業用スイッチの分野で、世界で最も知られ、世界で最も好まれ、世界で一番に選ばれるスイッチサプライヤー」となることを掲げており、以下の5項目を最重要課題として、グループ一丸となって推進してまいります。
① ネット戦略
より加速するグローバル競争に勝ち残るため、今以上にインターネットを活用し、当社グループが提供するインターネット環境を進化させ、国や市場に関係なく全世界のエンドユーザーが、「いつでも・どこでも・簡単に」当社グループの情報を取得し、商品を購入できる環境を実現すべく取り組んでまいります。
② カタログディストリビューター(以下CD)戦略
当社グループの既存セールスネットワークでは届かない多種多様な市場・業種に、インターネットを活用した販売網を持つCDとの取り組みを強化することで販売体制の拡充を図り売上を拡大するとともに、新規顧客の開拓と新規デザインの採用を獲得することにより当社グループのセールスネットワークでの量産受注へ繋げてまいります。
③ 研究開発・商品戦略
ものづくりメーカーとしての大きな使命は、市場ニーズを先取りした独創的な高付加価値商品をタイムリーに市場へ提供することと考えます。当社グループは、「より良い商品をより早く」をコンセプトに、今まで以上に「ものづくり」に執着心を持って取り組み、新商品開発・M&A・OEM・技術提携なども視野に入れ、明日の売上のための独創的な新商品と今日の売上のための戦略的な新商品を開発してまいります。
④ 生産構造改革
当社グループのグローバル市場における競争力を確固たるものにするために、品質、納期、コスト、サービスといったすべての生産に関するバリュー・チェーンを抜本的に見直し、重複業務の廃止、現場への権限移譲、原価低減、品質向上、生産拠点の再構築等を行ってまいります。また第三の生産拠点としてフィリピン・マクタン島に設立した新工場を早期に軌道に乗せ、生産や管理効率を低下させずリスクを最小限に留めてまいります。
⑤ タッチパネル
瞬く間に市民権を得たタッチパネルを、マンマシンインターフェイスの重要な商品と位置づけ、市場軸・販売軸・商品軸等のあらゆる角度からタッチパネル事業を見直し、NKKグループの売上の第二の柱とすべく強化してまいります。
(2)会社の対処すべき課題
当社を取り巻く環境が大きく変化する中で、グローバル化・ボーダーレス化対応を推進しておりますが、環境適応業として従来の仕組みを今の時代そして将来を見据えて変化させていくことも重要な課題と考えております。
中長期的な経営戦略を推進する上で主な課題は以下のとおりです。
① ネット環境
企業活動でITの重要性がますます高まっている中で、その活用が企業の成長に大きな格差を生むと言っても過言ではありません。当社グループの販売体制の中核であるローカルディストリビューター、グローバルディストリビューター、カタログディストリビューターの販売網をさらに拡大するためグローバルeコマースを拡充し、全世界のユーザーが「いつでも・どこでも・簡単に」情報を取得し商品を購入できる環境を進化させてまいります。
② 販売網
当社グループの販売体制は、過去からのローカルディストリビューターをベースに、時代の変化に順応した販売網の拡大を図ってまいりました。今後とも当社グループの強みでもある販売網の拡充を図るため、カタログディストリビューターとのさらなる関係強化を図ることにより、全世界での認知度を向上させ、新規顧客と新規デザインへのNKK製品採用を増加させてまいります。
③ 生産体制
QCDS (品質・コスト・納期・サービス)に関する顧客からの要望は年々高まっており、過去と同じことをしていて顧客満足度を得られるような時代ではありません。グローバルでの競争力を確固たるものにするためにもQCDSといった全ての生産に関するビジネスモデルを抜本的に見直し、対応してまいります。
④ 納期
市場におけるスピード化の波は留まることを知らず、それに対応すべく、平成18年、当社は受注生産から計画生産に仕組みを大きく変更しました。そして平成25年5月、6年間の経験を活かし計画生産としては第二弾となる新基幹システム「ANSWER」を導入し、大きなトラブルを発生することもなく、現在安定的に運用を行っており、納期における一定の成果は得られていると思っております。今後はさらに当社が考える「納期改革」のあるべき姿の実現に向けて変革を推し進めてまいります。
⑤ 開発体制
世の中のニーズをいち早く察知し、それを製品化し、タイムリーに市場へ投入することはメーカーにとっての使命です。過去と違いそのニーズは多様化し、また変化も早く、迅速にそして正確に捉えていかなくてはなりません。そのためにはマーケティング力を高めていかなくてはなりません。また製品化に際して開発期間を短くするためにも、3Dプリンターや解析ソフトなど今の世の中の技術を駆使した開発環境を整備し、ひとつでも多くの市場から必要とされる製品を開発してまいります。
⑥ 製品群
当社が取り扱っている製品点数は年々上昇の一途をたどり、システム上では300万種類以上にも及ぶ状況となっております。今後、日々の製品保守、品質維持にかかる手間は毎年増大し、お客様にご迷惑をおかけしかねない状況が想定されます。品質のNKKとして品質保証体制、製品供給体制を維持するためにも製品の統廃合を推進してまいりたいと考えます。