有価証券報告書-第71期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:46
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)におけるわが国経済は、政府・日銀による経済対策・金融政策の効果により、前半は円安基調、原油安の影響もあって企業収益の改善や雇用環境の改善、設備投資の緩やかな増加傾向を受けて回復基調で推移しました。後半は、中国の景気減速に端を発する新興国経済の減速への警戒感や年明け以降の株価下落や為替が円高方向に推移するなど、金融市場の動向が不安定となり景気の減速感が強まり、先行きは予断を許さない不透明な状況で推移いたしました。
世界経済におきましては、米国では、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費を中心とした拡大基調が続き景気は底堅く推移し、欧州ではイギリスやドイツが堅調に推移する一方で、フランスやイタリアは減速傾向など景気の回復力に乏しい状況で推移いたしました。また、中国では、内需・外需共に厳しい環境で景気減速感がさらに強まり、他の新興国市場においても中国経済の減速、原油安、米国利上げの影響等、外部環境の影響を強く受け、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
設備投資については、企業業績を背景に底堅く推移してきた米国を除き、欧州やその他地域では景況感の後退に伴う投資の先送りなどの懸念が強まり、設備投資意欲は力強さに欠ける状況で推移いたしました。
こうした環境下にあって当社及び連結子会社(以下「当社グループ」)は、発売前より大変好評を博した新世代大判型カラープリンタを新製品として10月より販売を開始いたしました。顧客が要望する作業の効率化や迅速化に加え、新たな付加価値の追加による顧客満足度の向上にも注視した新製品は、好調な受注を獲得しており、業績が堅調な米国販売を中心に新規顧客の開拓、既存顧客への買替え等、需要の喚起を促し積極的な営業活動を実施してまいりましたが、販売の開始が下期であったため、開発費等コストの負担はあったものの、大きな売上げの貢献までには至りませんでした。また、欧州に加えてアジア圏の特に中国、ロシアなど新興市場においての販売の低下も、売上げ減少の要因の1つとなりました。
このような結果、新製品は販売開始したものの、売上高は前連結会計年度を上回ることが出来ませんでした。
当連結会計年度の売上高は前年同期に比べて3.9%減少し、106億40百万円(前連結会計年度は110億81百万円)となりました。
利益面につきましては、経費削減等の施策効果もありましたが、販売低下による売上げの減少に加え、国内外での企業間競争の激化による販売価格の下落や欧州市場の販売体制の再構築に向け時間と費用を要していること等による販売費及び一般管理費の増加などが利益を圧迫する要因となり、当連結会計年度の営業損益は5億54百万円の営業損失(前連結会計年度は32百万円の営業損失)、経常損益は営業外費用に円高による為替差損1億13百万円を計上したこと等により6億49百万円の経常損失(前連結会計年度は2億50百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損益は8億4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は73百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の状況は次のとおりであります。
( 画像情報機器事業 )
画像情報機器事業におきましては、欧州等での売上げの減少、価格競争の激化による販売価格の低下等、売上高及び利益面で総じて厳しい状況が続き、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度より減収となりました。
当連結会計年度の売上高は104億50百万円(前連結会計年度は109億4百万円)で、前連結会計年度に比べて 4.2%の減収となり、営業損益は5億41百万円の営業損失(前連結会計年度は33百万円の営業損失)となりました。
( その他事業 )
その他事業のモーションデバイス事業におきましては、量産品のモーターの受注が堅調に推移し、特殊仕様等の小ロット注文にも対応し販路の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は1億90百万円(前連結会計年度は1億76百万円) で、前連結会計年度に比べて7.5%の増収となりましたが、量産品は販売価格競争の影響を受け、また高付加価値モーターの販売割合が低下したこと等により、営業損益は13百万円の営業損失(前連結会計年度は1百万円の営業利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比して11億61百万円減少して29億81百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、資金は6億55百万円の減少(前連結会計年度は4億85百万円の増加)となりました。この主な要因は、減価償却費3億55百万円、売上債権の増減額1億10百万円等の減少による資金の増加はありましたが、税金等調整前当期純損失6億49百万円、たな卸資産の増減額1億97百万円等の増加による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、資金は2億89百万円の減少(前連結会計年度は1億58百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出2億85百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金は1億13百万円の減少(前連結会計年度は2億10百万円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出84百万円、配当金の支払額76百万円等の支出によるものであります。