有価証券報告書-第71期(令和3年2月1日-令和4年1月31日)

【提出】
2022/04/27 14:54
【資料】
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【項目】
132項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢及び景気動向について
当社グループの主な販売先は、日本国内及び東アジアであり、その地域の経済情勢や製品需要動向による販売減少等により、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動について
為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格及び売上高等にも影響があり、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 販売価格について
当社グループが事業展開している電子部品業界は激しい価格競争に直面しております。先進技術の成果を反映させ、顧客ニーズに対応した製品をタイムリーに開発し、海外生産により製造コストを低減して有利な価格決定をすることに努めておりますが、これをもってしても対抗しがたい事態が生じる場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新素材及び製品開発投資について
当社グループは、成長性の確保を目的として、積極的に新素材及び製品開発のため必要な先行投資を行っております。先行投資に応じた結果、収益を確実に予測することは困難であり、需要が予測に比べて低迷する可能性を含んでおります。そのため、一定期間内で投資に応じた成果、収益が上げられなかった場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 原材料価格について
当社グループが提供する製品の原材料の主なものは酸化鉄並びに非鉄金属であります。非鉄金属は国際取引相場に影響を受け、近年としては上昇傾向にあります。当社グループでは、徹底したコストダウンにより極力吸収してまいりますが、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 保有有価証券について
連結貸借対照表に計上されている投資有価証券については、全て当社保有の有価証券であります。なお、これらの有価証券については保有意義や資産の健全化等を考慮しながら随時見直しを行っております。
また、時価のある有価証券については今後の経済環境や企業収益の動向により、時価が変動し、時価のない有価証券については、当該株式の発行会社の財政状況が変動することにより、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損会計について
当社グループは、事業用不動産として複数の土地及び建物を所有しております。固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針を適用し、所有する固定資産に減損損失が発生した場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害や停電等について
当社グループは、大規模な自然災害や新型コロナウイルス等の感染症の流行、あるいは長時間にわたる停電により、国内外の製造拠点及び製造体制が深刻な被害を被った場合、販売活動に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
現在、新型コロナウイルス感染症に対し、「予防・対策ガイドライン」及び「在宅勤務就業規則」に従い日常的な対策と同時に、在宅勤務や時差出勤の実施、オンライン会議の活用などの感染対策を行っております。しかしながら、今後の感染拡大、長期化などの状況変化により、大きな影響を受ける可能性があります。
(9) 生産体制について
当社グループの提供する製品は日本国内でも生産しておりますが、主な生産場所は中国の子会社並びに委託先であります。中国政府による法律、税制、規則等の変更や地方政府による最低賃金の改定により、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
当社グループとしましては、全ての拠点における政府・自治体から発表された方針を基に新型コロナウイルス感染症防止に取り組んでおります。感染防止対策に関する社内ガイドラインを策定し、事業所内においてはマスク着用とアルコール消毒の利用を促進しており、オンライン会議やウェブツールの積極的な活用を進めるなど、顧客ならびに従業員の健康と安全を優先した対策を行っており、通常稼働の維持に努めた結果、現時点での当社グループの業績に与えるコロナ影響は軽微であり、当期末以降も特に重要な影響はないものと予測しております。
しかしながら本感染症の収束時期は不透明であり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があるため、今後の推移状況を注視していきます。
(11) 重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において営業損失1億2千9百万円及び経常損失1億1千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失9千7百万円となりました。また、当連結会計年度においては、営業利益1億2千8百万円及び経常利益1億3千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億6百万円を計上する結果となり、当社グループの業績は改善傾向にありますが、前連結会計年度まで3期連続で営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。そのため、過去の業績も考慮し、継続企業の前提に関する注記を開示するまでに至りませんが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当該重要事象等を解消し、経営基盤の安定化に向け以下記載のとおり取り組んでおります。
・当社グループは、国内外の経済動向を注視しつつ、5G基地局、EV等車載バッテリー・システム、産業用製造機器、半導体製造装置、医療機器等を主体とする情報通信機器並びに産業機器における国内外市場での新規開拓に向け、中国・香港・欧州営業窓口と共に販売拡大をはかりながら、海外生産工場の継続的な品質改善や経費削減に向けた取り組みを推進し利益重視の体制強化に努めてまいります。重点課題として以下の3点に取り組みます。
①5G基地局、EV等車載バッテリー・システム、産業用製造機器、半導体製造装置、医療機器等を主体 とする情報通信機器並びに産業用製造機器向けの新規受注を獲得
②原価低減に向けた品質改善と製造設備刷新、省力化、自動化の推進
③高信頼性、高効率化を目的とした材質開発の推進
・研究開発においては、フェライトに関しては、新材質開発、既存材質の改良を行い、フェライトコアの最適設計に採用し市場ニーズに即した優れた材質を提供しております。また、コイル・トランスは、回路の高密度化・高集積化に伴い小型・効率化に向け、自社製フェライトとの融合に取り組んでおります。今後の新製品、新技法については5G、EV、AI、RFID等の先端分野からIoT及び自動運転への応用、並びに電子機器の小型化・高機能化・高周波化に伴う高精度・高性能・広帯域温度特性フェライトコア、省エネ対応として更なる低損失・高飽和磁束密度・高透磁率フェライトコアの開発・改良等を進めております。また製造方法におきましても、フェライトコアの成型技術・焼成技術・精密加工技術の高度化、低コストの製品設計、試作期間の短縮等を図り顧客の開発スピードに寄与いたしております。
更に、これらの高性能フェライトコアを使用したコイル・トランスとその応用製品である車載用コンバータートランス、トランスポンダーコイル、センサーコイル、医療用電源トランス、産機用センサーコイル、各種SMDトランスの開発等、製品領域の拡大に取り組んでおります。
当社グループといたしましては、来期の利益計画において、連結営業利益の連続黒字化を見込んでおり、今後、利益重視の体制強化により、当該事象又は状況の解消を図ってまいります。以上を遂行することにより、継続企業の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えており、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。