有価証券報告書-第39期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 15:12
【資料】
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【項目】
173項目

研究開発活動

研究開発につきましては、技術革新と市場環境変化の激しい半導体、FPD、LED、太陽電池製造装置業界にあって、各ユーザーとの情報交換・技術交流を通して今後の技術発展動向とユーザーニーズを先取りすることを重視し、研究開発をすすめております。
現在の研究開発は、当社の技術担当部門が中心となり、日本・米国・欧州・アジアの各拠点で進めております。
当連結会計年度の研究開発費は3,418百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に表示することは困難であるため総額で表示しております。
その主な成果は次のとおりであります。
(1)半導体等装置関連事業
①真空シール
新磁性流体の評価及びデバイスの改良設計を行い、従来品と比較してシール性能の長寿命化及び低トルク化に取り組んでおります。さらに、耐薬品性能にも着目し、シール性能が大幅に向上するように製品設計を行っており、顧客より好評を得ております。さらなる顧客満足度を向上させるべく、顧客の要望を取り入れた設計にも積極的に取り組んでおります。
②セラミックス製品
ファインセラミックス事業については、半導体製造装置部品用の高性能素材を開発、客先認定に向けてサンプル出荷を推進しております。マシナブルセラミックス事業では、半導体検査装置部品用素材の高性能化、レーザー加工技術の高度化を進めており、試作品の出荷ならびに量産受注件数を着実に増やしております。いずれの事業につきましても昨年開設いたしました開発センターを中心拠点として従来以上に積極的な研究開発活動を展開しております。
CVD-SiC事業については、半導体装置用部品の量産技術の開発に取り組み、大型装置での量産化を進めました。また、航空、エネルギー、自動車用途向けの製品展開を開始いたしました。
③真空蒸着装置
Temescal事業においては、あらたに開発した大型装置でのプロセスに対応するため、蒸着材料を装填する100cc×14ポケットを装備したXLシリーズを開発しました。従来型は25cc×6ポケットでしたが、これにより、大型装置で蒸着材料補充のためのプロセス中断回数を大幅に削減し、生産性の向上に飛躍的に寄与させることが出来ます。
(2)太陽電池関連事業
石英坩堝については、半導体用途に使用できるよう品質を安定化させるため、積極的な改善を実施しております。さらに、半導体向け大口径型の石英坩堝の需要に対応するため、製造設備についても積極的に改善作業に取り組んでおります。
(3)電子デバイス事業
①サーモモジュール
熱電材料の性能改善を引き続き実施しており、モジュール接合技術にも取り組みました。さらに、当社サーモモジュール製品にファンやフィンを組み合わせたアッセンブリ商品の開発を実施しており、医療分野、オートモビル分野の市場にて評価を頂いております。これまで販売してまいりましたモジュールについても、引き続きアジア各国市場向けに堅調に推移しており、品質維持と技術改良に積極的に取り組んでおります。
②磁性流体
真空シールやリニアバイブレーションモーター等に使用するための新製品の開発を進めました。当社コア技術であるナノ材料をもって、中長期の当社事業成長を支えるため、自動車・医薬・精密機器など、多岐分野での新たな応用に関して、社内外の協力を得ながら、次世代技術の実用化を目指しております。これまでの開発成果を随時リリースしていく予定であり、顧客のニーズを汲み取るため、試供品や試作品の提供にも注力しています。
③パワー半導体用基板
日本及び欧州の顧客の要求仕様を満たすために、パワーデバイス向けアルミナ基板の性能向上及び品質改善に取り組んでおり、顧客より好評を得ております。さらに、新たなパワーデバイス用セラミック基板の開発にも積極的に取り組んでおり、顧客より好評を得ております。