有価証券報告書-第26期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/30 13:31
【資料】
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【項目】
76項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度におけるわが国の経済は、政府による経済政策及び日銀による金融緩和を背景とした円安や株高傾向が継続し、企業業績にも改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。また、広告業界における総広告費についても、ワールドカップ ブラジル大会などにより緩やかに成長を続け、通年では3年連続で前期実績を上回り、6年ぶりに6兆円を超える市場規模となりました。媒体別では、新聞広告費が若干減少となりましたが、テレビメディア広告費、ラジオ広告費は増加となり、マスコミ四媒体広告費としては微増となり、インターネット広告費は引き続き高い成長率を示しました。屋外広告費についても、イベントでの展開やデジタルサイネージにおいて増加しております。
このような環境の下、当社は安定的な収益が確保できる体制を強化するため、ローコスト体質を維持しながら、ix-boardやDPS-150といった小型表示機を中心とした機器リース事業を中心に展開を図ってまいりました。
当事業年度における事業別の活動と業績は以下の通りです。なお、当事業年度より、事業内容を明確に表示するため、従来の「アセット事業」から「機器リース事業」へと名称を変更するとともに、事業の表記順を変更致しました。この結果、事業区分は従来の「情報機器事業」「運営事業」「アセット事業」から、「機器リース事業」「運営事業」「情報機器事業」に変更しております。
また、当社は電子広告看板の製造、販売、運営及びアフターサービスを主な事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の区分に重要な変更はありません。
① 機器リース事業
ix-boardおよびDPS-150につきましては、昨年に引き続きパチンコホール業界にて普及が進んだことに加え、飲食店やドラッグストア、小売店など他業種での導入により堅調に推移しました。
これは、DPS-150に多言語表示機能を付加したことで、外国人観光客へのPRが奏功し、大手飲食チェーン店等での設置が急増したことによるものです。
さらに、当事業年度末には、室内専用の軽くて薄く、簡単に設置ができるモデルのDPS-150Lightを市場投入し、工事などを伴わず気軽に導入できるようになったことから、さらに幅広い業界でも展開が期待できます。
当事業年度におけるix-boardおよびDPS-150の売上高は、97,443千円と前事業年度と比べ18,942千円の増加となりました。増加額としては、上記の通りですが、すべての契約が複数年契約となっておりますので、次期以降も引き続き売上計上が見込まれます。
レンタルにつきましては、前期より大型LED表示機の長期レンタルでの提供を始めたことにより、安定的に推移し、当事業年度における売上高は80,284千円と前事業年度に比べ8,034千円の増加となりました。
以上により、ix-board、DPS-150および大型表示機レンタルを合わせた機器リース事業と致しましては、売上高177,728千円と前事業年度と比べ、26,977千円の増加となりました。
② 運営事業
映像コンテンツにつきましては、重要なマーケットのひとつであるパチンコホール業界における広告規制の影響により、映像コンテンツが制限されてしまうという厳しい環境が続くなか、映像配信の総契約数は、微減となりました。しかしながら、映像制作ソフト「TemPo,iTemPo」が飲食店などを中心に契約数が伸びていることや、SNSを活用した新規ビジネスの立ち上げも順調であることなどから、映像コンテンツおよび関連ビジネスの売上高は175,985千円と前事業年度と比べ6,324千円の増加となりました。
メンテナンスにつきましては、保守契約件数およびスポットメンテナンス件数については、ほぼ横ばいにて推移しましたが、年に数件見込まれる大規模メンテナンスが当事業年度は無かったことから売上高は167,782千円と前事業年度と比べ、34,781千円の減少となりました。
以上により、映像コンテンツ、メンテナンスを合わせた運営事業と致しましては、売上高373,477千円と前事業年度と比べ、25,279千円の減少となりました。
③ 情報機器事業
当事業年度においては、当社製品を長期に亘りご利用頂いているお客様へのリニューアル提案を中心に前事業年度に引き続き展開してまいりました。また、パチンコホール業界以外においても、サッカースタジアムなどで大型LED表示機の受注があったことから、当事業年度の売上高は、315,986千円と前事業年度と比べ65,349千円の増加となりました。
次に当事業年度の販売管理費および一般管理費につきましては、人件費は226,365千円と前事業年度と比べ5,096千円の減少となり、その他経費につきましては、232,863千円と前事業年度と比べ8,777千円の減少となりました。これは、全社で取り組んでいる業務効率化に伴う経費削減が主な要因と考えられます。
販売管理費および一般管理費の合計と致しましては、459,229千円と前事業年度と比べ、13,873千円の減少となりました。
当社は前事業年度より映像看板の分野を新たな販促戦略に位置づけたいという方針のもと、展開を進めてきました。その結果、お客様の意識が月額の利用料で、映像看板サービスが受けられるというように変化し、当社においては、今後数年間に亘り見込める売上高が年々蓄積されております。これにより当社の業績は安定的に推移していくことになるため、今後も安定収益ビジネスを中心に展開、開発してまいります。
これらの結果、当事業年度における業績は、売上高867,192千円(前期比67,047千円増)、営業利益19,839千円(前期は営業損失17,884千円)、経常利益11,569千円(前期は経常損失33,325千円)、当期純利益10,233千円(前期は当期純損失34,275千円)となりました。

(2)財政状態に関する分析
(資産、負債及び純資産の状況)
当期の財政状態の分析は、以下の通りです。
① 流動資産
当期末における流動資産の残高は、1,325,872千円(前期末比158,437千円増)となりました。これは、当期末に計上した売上による売掛金の増加(前期末比92,140千円増)と金融機関からの資金調達により現金及び預金が増加(前期末比65,434千円増)したことによるものです。
② 固定資産
当期末における固定資産の残高は、218,027千円(前期末比14,760千円減)となりました。これは、工具、器具及び備品の減少(前期末比11,300千円減)とレンタル資産の減少(前期末比2,969千円減)及び、ソフトウエアの減少(前期末比4,218千円減)によるもので、いずれも減価償却費の計上によるものであります。
③ 流動負債
当期末における流動負債の残高は、417,429千円(前期末比49,177千円増)となりました。これは、支払手形の減少(前期末比11,737千円減)と買掛金の減少(前期末比11,166千円減)があったものの、金融機関からの資金調達により1年内返済予定の長期借入金が増加(前期末比53,280千円増)したことによるものです。
④ 固定負債
当期末における固定負債の残高は671,031千円(前期末比84,265千円増)となりました。これは、事業に必要な運転資金を手厚くするために行った長期借入金が増加(前期末比140,564千円増)したことによるものです。
⑤ 純資産
当期末における純資産の残高は、455,439千円(前期末比10,233千円増)となりました。その要因は、当期純利益の計上によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金および現金同等物の当期末残高は757,210千円で前期末と比べて65,434千円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期純利益11,569千円の計上と減価償却費56,158千円の計上があったものの、売上債権の増加額91,932千円や、棚卸資産の増加額56,016千円等の影響により、74,909千円の支出(前年同期は774千円の支出)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出1,222千円と、ソフトウエアなど無形固定資産の取得による支出1,060千円等により、994千円の支出(前年同期は20,642千円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済による支出156,156千円及び社債の償還による支出60,000千円等があったものの、長期借入による収入350,000千円により、141,339千円の収入(前年同期は225,136千円の支出)となりました。