有価証券報告書-第55期(平成26年12月21日-平成27年12月20日)

【提出】
2016/03/17 13:23
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114項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、米国の金融政策が正常化に向かう中、中国経済をはじめとした海外経済の下振れ懸念は存在するものの、政府の積極的な金融政策を背景とした企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループが属する電子基板業界は、引き続きスマートフォンや車載機器向けの需要が堅調を維持いたしました。また、更なる活性化を求めウエアラブル機器、IoT(Internet of Things)製品や医療機器向けの新市場を開拓していく動きは本格化に向かっております。
このような経済環境の下、基板検査機事業において売上高は減少したものの、当社グループの主力事業である電子基板事業をはじめ、産機システム事業等において売上高が増加いたしました。
これらの結果、連結売上高は4,753百万円(前年同期比17.9%増)と、前連結会計年度に比べ721百万円の増収となりました。
損益については、電子基板事業における売上原価率の上昇に伴う利益減少要因はあったものの、鏡面研磨機事業の黒字転換及び販売手数料の減少や残業時間の抑制により販売費及び一般管理費が減少したことから、営業利益22百万円(前年同期は80百万円の営業損失)、保険解約返戻金の計上がなくなったことから、経常利益42百万円(前年同期比24.9%減)、当期純利益12百万円(同41.1%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていた「産機システム事業」について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しており、以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
(電子基板事業)
セットメーカーの一部であるカメラメーカー向けの売上は減少いたしました。一方、従来のFPC試作に加え、中小型量産案件の受注獲得により、スマートフォンや車載機器等に搭載される中小型ディスプレイ向けの需要が引き続き堅調に推移したことから、主としてセットメーカー向けの売上が増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響はあったものの、労務費の増加及び委託量産案件の受注増に伴う売上総利益率の低下により、減益となりました。
その結果、売上高3,040百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益438百万円(同10.3%減)となりました。
(基板検査機事業)
スマートフォンの需要が旺盛なことや自動車の電装化の進展を背景に、FPCを対象とした検査機の販売促進に注力した結果、外観検査機及び通電検査機の販売は増加したものの、連結子会社を経由したセグメント間内部売上が増加したことから、売上は減少いたしました。損益については、売上高材料費率の上昇等に伴う売上総利益の減少要因はあったものの、販売手数料等の減少により、損失が縮小いたしました。
その結果、売上高351百万円(前年同期比21.5%減)、セグメント損失11百万円(前年同期は31百万円のセグメント損失)となりました。
(検査システム事業)
医療業界向け視覚検査装置等の受注が好調に推移したことから、売上高が増加いたしました。損益については、検査システムの高精度化対応に伴う売上高外注加工費率の上昇により、減益となりました。
その結果、売上高248百万円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益7百万円(同42.6%減)となりました。
(鏡面研磨機事業)
研磨に使用する消耗品等の売上は減少したものの、グラビア印刷向け及び産業機械向け等の研磨機の受注が獲得できたことから、売上高は増加いたしました。損益については、顧客仕様に沿った製品の製造により売上高外注加工費率は上昇したものの、売上高増加に伴う影響により、黒字転換いたしました。
その結果、売上高251百万円(前年同期比161.5%増)、セグメント利益34百万円(前年同期は39百万円のセグメント損失)となりました。
(産機システム事業)
需要が旺盛な中小型ディスプレイ向けの液晶モジュール検査システム等の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により、黒字転換いたしました。
その結果、売上高539百万円(前年同期比164.5%増)、セグメント利益22百万円(前年同期は9百万円のセグメント損失)となりました。
(その他)
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、商社事業及びエレクトロフォーミング事業で構成されております。主として商社事業において、連結子会社を経由した基板検査機等の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により、損失が縮小いたしました。
その結果、売上高322百万円(前年同期比26.0%増)、セグメント損失28百万円(前年同期は51百万円のセグメント損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により使用した資金が21百万円、投資活動により獲得した資金が2百万円、財務活動により獲得した資金が139百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ118百万円増加し、当連結会計年度末には556百万円(前年同期比27.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、21百万円(前年同期は43百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益49百万円に加え、減価償却費129百万円及び仕入債務34百万円の増加により資金が増加した一方、売上債権175百万円の増加、たな卸資産59百万円の増加により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、2百万円(前年同期は45百万円の獲得)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出102百万円により資金が減少した一方、定期預金の純減少額82百万円、投資有価証券の売却による収入30百万円により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、139百万円(前年同期は44百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出268百万円及び長期未払金の返済による支出74百万円により資金が減少した一方、長期借入れによる収入390百万円及び短期借入金の純増加額110百万円により資金が増加したことによるものであります。