有価証券報告書-第55期(平成26年12月21日-平成27年12月20日)

【提出】
2016/03/17 13:23
【資料】
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【項目】
114項目

事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると当社が認識している事項を記載しております。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項及びそれ以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行う必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業又は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご注意ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの事業内容について
当社グループの最近2連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び構成比、セグメント損益並びにセグメント別の事業概況は以下のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成25年12月21日
至 平成26年12月20日)
当連結会計年度
(自 平成26年12月21日
至 平成27年12月20日)
売上高
(千円)
構成比
(%)
セグメント利益
又は損失(△)
(千円)
売上高
(千円)
構成比
(%)
セグメント利益
又は損失(△)
(千円)
電子基板事業2,846,53370.6489,5273,040,60264.0438,926
基板検査機事業447,68011.1△31,319351,3997.4△11,556
検査システム事業180,9584.513,677248,0535.27,855
鏡面研磨機事業96,1452.4△39,093251,4095.334,047
産機システム事業203,8075.1△9,120539,08511.322,842
報告セグメント合計3,775,12593.7423,6704,430,55193.2492,115
その他255,9716.3△51,026322,5246.8△28,990
調整額--△452,936--△440,737
合計4,031,097100.0△80,2924,753,075100.022,386

(注)当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていた「産機システム事業」について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しており、前連結会計年度は変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
(電子基板事業)
FPCの製造については、当社グループは特許権・実用新案権等の知的財産権を保有しておらず、従来工法により製造を行っていることから、新規参入企業の出現や画期的な新工法発明により競争が激化する可能性があり、その結果、当社グループの収益力が低下し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、FPCの試作のユーザーは、主としてセットメーカーの研究・商品開発部門であり、直接受注する場合とFPCメーカーを経由して受注する場合がありますが、セットメーカーの研究・商品開発部門が海外移転した場合には、当社グループは海外生産拠点を有していないため、短納期への対応について他社と比較して優位性を失い、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの顧客であるFPCメーカーが、多品種・少量生産で売上規模が小さいわりに人手がかかる等のために本来なら避けたい手間のかかるFPC試作を、自社生産ラインの手隙感から自社内で行い当社グループへの発注を手控えた場合や、FPC試作を量産受注獲得のために低価格で受注する営業攻勢を強め当社グループと競合した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本の電子基板・FPC生産額の推移は以下のとおりであります。
[電子基板・FPCの生産額の推移]
会計年度平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
電子基板(億円)9,838.78,081.07,651.86,458.36,342.2
対前年比(%)+17.6△17.9△5.3△15.6△1.8
FPC(億円)1,278.71,001.21,055.4811.4748.8
対前年比(%)+0.2△21.7+5.4△23.1△7.7

(注)電子基板・FPCの生産額:出所「国内の電子回路基板の生産額の歩み」(一般社団法人日本電子回路工業会)
(基板検査機事業)
基板検査には検査方法の標準がなく、採用する検査方法はそれぞれのメーカーの考え方によって異なっており、検査機メーカーも様々な検査方法を用いた検査機を市場に投入しております。今後、当社が志向する検査方法と異なる方法の検査機が主流となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子基板メーカーが不良品率の低下等により一部の検査を省略した場合、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、メーカーによっては検査機を自社で内製しており、このようなメーカーが今後増加した場合にも、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(検査システム事業)
検査システムは、顧客仕様による受注販売が中心であり、顧客の要求に沿った製品をいち早く開発・製造することにより、競合他社の製品との差別化を図っております。また、競合を優位に進めるためには、顧客との緊密な関係を保つことが重要であり、その結果、顧客の要求に沿った製品をいち早く納入することが可能となります。このような顧客との緊密な関係が維持できない場合や、顧客企業の業績不振、競合他社との価格競争を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(鏡面研磨機事業)
円筒鏡面研磨機は、大手企業が進出していない10億円未満の市場規模であると当社グループは推定しておりますが、新規参入企業の出現等により競争が激化した場合、当社グループは当該事業での特許権・実用新案権等の知的財産権を保有していないため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(産機システム事業)
産機システムは、メーカーの産業機械及び産業資材に係わる様々なハイエンド製品を販売・サポートする商社ビジネスを展開しております。また、各メーカーの製品を組み合わせた商品を提案する営業を展開することで差別化を図っております。このようなメーカーとの協力関係が維持できない場合や、技術革新に伴う商品の陳腐化、設備関連需要の減少局面では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保について
当社グループは、電子基板事業、基板検査機事業を中心とした製品の技術改良・研究開発を常に行っていく必要があり、そのための優秀な人材確保は事業展開上極めて重要であります。しかしながら、当社グループが必要としている技術に精通している人材の獲得、育成及び確保が可能であるとは限らず、当社グループが必要とする人材の獲得及び育成ができない可能性、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性があります。当社グループが必要とする人材の獲得、育成及び確保に失敗した場合には、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
(3)知的財産権等について
① 特許権等の出願状況について
当社グループは、当社グループの事業分野に関する特許等を出願し、積極的にそれらを取得していく方針であり、新規技術の開発、大学等との共同開発についても同様の方針であります。当連結会計年度末現在、基板検査機事業において1件の特許を出願中、2件の特許権を取得済み、鏡面検査機事業において1件の特許を出願中であります。
② 知的財産権に関する訴訟、クレームについて
当社グループに対して、第三者からの知的財産権に関する訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループの事業分野については、多数の特許・実用新案等の出願がなされているため、今後とも上記のような問題が発生しないという保証はありません。
仮に当社グループが第三者との間の知的財産権に関する法的紛争に巻き込まれた場合、当社グループは弁護士や弁理士と相談の上、個別に対応していく方針でありますが、解決に多大な時間及び費用を要する可能性があります。
(4)自然災害等について
当社グループは、地震等の自然災害により、重大な被害を受ける可能性があります。特に、当社グループの本社工場は、東南海・南海地震防災対策推進地域に含まれていることから、順次地震対策を推進しているものの、実際に大規模な地震が発生した場合には、多額の復旧費用の発生や、営業、生産機能等が著しく低下することが想定され、当社グループの業績と財務の状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)経営成績等の変動について
当社グループの最近5連結会計年度における業績等の推移は、以下のとおりであります。
回次第51期第52期第53期第54期第55期
決算年月平成23年12月平成24年12月平成25年12月平成26年12月平成27年12月
売上高(千円)3,961,4893,765,3143,850,3524,031,0974,753,075
うちFPC売上高(千円)2,866,0482,649,0862,867,4852,938,2693,096,326
経常利益又は経常損失(△)(千円)6,149△136,545△91,03157,23942,990
当期純利益又は当期純損失(△)(千円)6,708△184,708△108,89921,85912,881
利益剰余金(千円)1,708,4711,506,2121,379,7631,384,0731,379,406
純資産額(千円)3,420,9023,242,8643,154,6783,191,9703,215,923
総資産額(千円)5,179,2394,932,8064,991,0275,167,6375,618,612

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.「うちFPC売上高(千円)」については、新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
当社グループの各期の業績の主な変動要因は、以下のとおりであります。
(第51期)
受注単価の下落及びセットメーカーの事業縮小等により電子基板事業の売上高減少、スマートフォン向けなど旺盛な需要を背景に電子基板メーカーにおけるアジア諸国を中心とした設備投資の拡大等により基板検査機事業の売上高増加、並びに受注単価の下落に伴う相対的な売上高外注加工費率の上昇等により、増収減益となりました。
(第52期)
受注単価の下落及び取引先の事業停止等に伴い電子基板事業の売上高減少、主要顧客における設備投資抑制の動き等により基板検査機事業の売上高減少、並びに海外への販路開拓による販売手数料等の増加により、減収・損失計上となりました。
(第53期)
海外向けの外観検査機及び新機種の通電検査機の受注が低調に推移したこと等により基板検査機事業の売上高減少、スマートフォン市場が活況を呈していること及びデジタル一眼レフカメラの市場においてユーザー層の拡大や買い替え需要が堅調であること等に伴い電子基板事業の売上高増加、並びに支払手数料の減少等により、増収・損失縮小となりました。
(第54期)
車載用基板対応の製品や海外向けの販売促進に取組んだことにより基板検査機事業の売上高増加、中小型ディスプレイの需要増等に伴い電子基板事業の売上高増加、並びに残業時間の抑制及び養老保険の解約による保険解約返戻金の影響等により、増収・黒字転換となりました。
(第55期)
需要が旺盛な中小型ディスプレイ向けの液晶モジュール検査システム等の販売が増加したことから産機システム事業の売上高増加、従来のFPC試作に加えて中小型量産案件の受注獲得により電子基板事業の売上高増加、並びに電子基板事業における売上原価率の上昇に伴う影響及び保険解約返戻金の計上がなくなったこと等から、増収減益となりました。
以上のとおり、当社グループの業績は、電子部品業界の動向やFPC等の電子基板の技術革新等で、電子基板に対する需給が変調を来した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。