臨時報告書

【提出】
2019/10/23 11:30
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である日本化薬株式会社(以下「日本化薬」又は「特別支配株主」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、2019年10月21日開催の当社の取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2019年10月21日
(2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号日本化薬株式会社
本店の所在地東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
代表者の氏名代表取締役社長 涌元 厚宏

(3) 当該通知の内容
当社は、日本化薬より、2019年10月21日付で、日本化薬が、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(当社及び日本化薬を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その有する当社の普通株式(以下、当社の株式を「当社株式」といい、本売渡株主が有する当社株式を「本売渡株式」といいます。)の全部を日本化薬に売り渡すことの請求を行う旨の通知を受けました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
日本化薬は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき993円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2019年11月12日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
日本化薬は、本売渡対価を、日本化薬が保有する当座預金により支払うことを予定しております。日本化薬は、本売渡対価の支払のための資金に相当する額の銀行預金を保有しております。直近の現預金残高や負債等につきましては、日本化薬の第163期第1四半期報告書に記載された日本化薬の貸借対照表をご確認ください。日本化薬の現預金残高や負債等は、当該貸借対照表から本売渡対価の支払いに影響を与えるような重大な変化はございません。また、日本化薬は、日本化薬が2019年8月28日から2019年10月10日までを買付け等の期間として実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)の公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。)に添付した残高証明書及び融資証明書に記載された金額の資金を本公開買付けの決済時において確保しており、当該資金について、本売渡対価の支払いに必要な金額が依然として確保されております。
⑥ 上記の他、本株式売渡請求に係る取引条件を定めるときは、その取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。
ただし、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付について日本化薬が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)本売渡株主に対して本売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2019年10月21日
(2) 当該決定がされた年月日
2019年10月21日
(3) 当該決定の内容
日本化薬からの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った経緯
本公開買付けに関して当社が提出した2019年8月28日付意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付けの結果、日本化薬が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったものの、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、日本化薬が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったため、当社株式の全て(ただし、日本化薬が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を日本化薬の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2019年8月27日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。なお、上記取締役会決議は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
当社は、本取引を通じて、次のメリットが生じ、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。
ア.研究開発体制の一体化・効率的かつ迅速な製品開発の実現
当社は現在1ヶ所の研究開発拠点を所有している他、当社が日本化薬に研究委託をして供給を受けている原料に関連して、日本化薬社内においても当社向けの研究開発拠点があり、当社製品に関連して2ヶ所の研究開発拠点が共存している状況です。本取引を通じて当社が日本化薬の完全子会社となることにより、上記研究委託に限定せず、人材交流も含めて幅広く研究開発における両者の協力関係を強化し、また2ヶ所に分散している当社製品の研究拠点を有機的に連動させることで、研究開発体制の一体化が実現され、効率的かつ迅速な製品開発を実現し、当社顧客ニーズに対するより迅速かつきめ細かな対応が可能となると考えております。
イ.両者の技術を活用した新製品開発
前項記載のとおり、本取引を通じて、研究開発体制の一体化を実現することが可能になると考えております。その結果として、当社の特徴である高い耐久性を持った機能性偏光フィルムの加工技術と、日本化薬の特徴である液晶及びナノ粒子を用いた光制御フィルムに関する技術を従来以上に相互活用することにより、当社の事業において競争力のある製品開発が実現可能になるものと考えております。
ウ.効率的な生産体制の構築
当社及び子会社7社(総称して、以下「当社グループ」といいます。)並びに日本化薬、子会社35社及び関連会社10社(総称して、以下「日本化薬グループ」といいます。)は現在それぞれ独立した生産設備を有しており、当社グループにおいては現在一部製品を日本化薬グループから仕入れておりますが、当社が日本化薬の連結子会社に留まっており、両者間で連携を図る際に一定のプロセスが必要となるため、その協力関係は必ずしも密なものではございません。本取引を通じて当社が日本化薬の完全子会社となることで、当社グループ及び日本化薬グループ両者にとって効率的で最適な生産体制が実現できると考えております。
エ.日本化薬グループのグローバル販売チャネルの活用
当社は現在香港に販売子会社を有しておりますが、欧米をはじめとする各地域に存在する日本化薬グループの販売チャネルを活用したり、日本化薬グループ及び当社のグローバル販売を担当する部門がより効率的に販売活動を実施できるよう組織を再編成するなど、より柔軟に活用することが可能となり、現在中国向けが中心である光学フィルム事業において欧米をはじめとする各地域への販売拡大が可能になると考えております。
オ.経営資源の効率的活用によるコスト削減
本取引を通じて当社及び日本化薬グループは、より活発な人的交流を実現することができ、中長期的には両者の不足機能を相互に補完したり重複機能を削減したりすることにより、グループとして最適な人員配置が可能になるものと考えております。また、当社は兼ねてより、上場において必要とされる管理部門の費用等、上場維持による経営負担について問題認識を有しておりましたが、本取引によって非上場化を実現することにより、その負担を解消し、事業成長への経営資源の集中を図ることが可能になると考えております。
また、日本化薬及び当社は、2019年6月上旬より本公開買付価格を含む本取引の諸条件についても具体的な協議・検討を開始し、継続的に協議・交渉を行いました。
上記の協議・検討を重ねた上で、(ⅰ)本公開買付価格993円が本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているフロンティア・マネジメント株式会社による当社株式の株式価値算定結果において、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果の範囲内にあること、(ⅱ)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日である2019年8月27日の前営業日である2019年8月26日の株式会社東京証券取引所の開設する市場であるJASDAQスタンダード市場における当社株式の終値511円に対して94.32%(小数点以下第三位四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1ヶ月間(2019年7月29日から同年8月26日まで)の終値単純平均値517円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して92.07%、過去3ヶ月間(2019年5月27日から同年8月26日まで)の終値単純平均値524円に対して89.50%、過去6ヶ月間(2019年2月27日から同年8月26日まで)の終値単純平均値536円に対して85.26%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっていること、(ⅲ)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置等の公正性を担保するための措置が取られていること等、少数株主の利益へ配慮がなされていると認められること、(ⅳ)上記措置が取られた上で、日本化薬と当社との間で、独立当事者間の取引における協議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(ⅴ)本公開買付けの開始に当たり設置された特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)が、本公開買付価格について、妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
その後、当社は、2019年10月11日、日本化薬より、本公開買付けに対して当社株式13,575,399株の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、日本化薬は、2019年10月18日をもって、当社の総株主の議決権に対する議決権所有割合(注)が90%以上となり、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注) 「議決権所有割合」とは、当社が2019年8月8日に公表した「第29期第1四半期報告書」(以下「当社第1四半期報告書」といいます。)に記載された2019年6月30日現在の発行済株式総数(41,450,000株)から当社第1四半期報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(115株)を控除した株式数(41,449,885株)に係る議決権数(414,498個)に対する割合(小数点以下第三位を切捨てしております。)をいいます。以下同様です。
このような経緯を経て、当社は、日本化薬より、2019年10月21日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、2019年10月21日開催の当社の取締役会において、(a)本株式売渡請求は、本取引の一環として行われるものであり、2019年8月27日開催の取締役会において、審議に参加した当社の取締役の全員一致で決議したとおり、当社が本取引により日本化薬の完全子会社となることが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(b)本売渡対価は、本公開買付価格と同一であり、本公開買付価格の決定に際しては、当社、日本化薬及び株式会社有沢製作所(以下「有沢製作所」といいます。)から独立した特別委員会の答申書を取得する等、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(c)日本化薬は、本売渡対価を、日本化薬が保有する当座預金により支払うことを予定しているところ、日本化薬の第163期第1四半期報告書に記載された貸借対照表により、現預金残高及び負債等を確認した結果、日本化薬による本売渡対価の支払のための資金手当がなされていること、また、日本化薬によれば、現預金残高や負債等は当該貸借対照表から本売渡対価の支払いに影響を与えるような重大な変化はなく、日本化薬が2019年8月28日に提出した本公開買付届出書に添付された残高証明書及び融資証明書に記載された金額の資金を本公開買付けの決済時において確保しており、本売渡対価の支払いに必要な金額が依然として確保されていること等から、日本化薬による本売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(d)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始日以降上記取締役会の開催日である2019年10月21日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(f)本特別委員会が、本売渡対価による本株式売渡請求についても検討をした上で、本取引は少数株主に不利益ではない旨の答申書を提出していることがそれぞれ認められると判断し、審議に参加していない渋谷朋夫氏、湯屋秀之氏及び葭原義弘氏を除く取締役全員の一致で、当社を日本化薬の完全子会社とすることを目的とする本取引を進めるべく、日本化薬からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
なお、日本化薬の取締役常務執行役員を兼務している渋谷朋夫氏、日本化薬の従業員の地位を有している湯屋秀之氏、及び本公開買付けの開始時点において当社の主要株主で第2位の大株主であり、かつ、日本化薬との間で本公開買付けへの応募に関する契約を締結している有沢製作所の上席執行役員を兼務している葭原義弘氏は、本公開買付けを含む本取引に関する当社の取締役会の意思決定における公正性、透明性及び客観性を高め、利益相反を回避する観点から、本株式売渡請求を承認した取締役会決議について、その審議及び決議には参加しておりません。上記取締役会の審議及び決議に参加した取締役のうち、﨑玉克彦氏は2010年に、白砂直典氏は2007年に日本化薬から当社に転籍しており、転籍後相当期間が経過しております。渡邊耕一氏及び笹川等氏は2005年に有沢製作所から当社に転籍しており、転籍後相当の期間が経過しております。また、 﨑玉克彦氏は転籍後当社管理本部総務部長や当社開発本部長を、白砂直典氏は転籍後当社営業本部管理部統括や当社物流本部生産管理部長等を、渡邊耕一氏は転籍後当社生産本部第一技術部グループリーダーや当社生産本部長等を、笹川等氏は転籍後当社生産本部第一製造部統括付品質担当グループリーダーや当社生産本部製造部長等をそれぞれ担当しており、当社固有の業務を継続して担当していることから、日本化薬及び有沢製作所との関係で利益相反のおそれはないものと判断しております。
また、本取引の公正性を担保する観点から、当社の監査役4名のうち、有沢製作所の常勤監査役を兼務している太田耕治氏及び日本化薬の従業員の地位を最近まで有していた弘津克巳氏は、上記取締役会の審議には一切参加しておりません。なお、上記取締役会においては、出席した監査役である長田啓子氏及び横田晃一氏はいずれも、上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
以上