有価証券報告書-第121期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 13:35
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
当社は、「私達は、技術と誠意で社会に役立つ価値を創造し、豊かな未来に貢献します。」という企業理念のもと、株主・顧客・取引先・地域社会・職員をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に誠実に応え、経営の健全性、透明性、効率性を確保していくことが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠であると認識し、経営上の重要課題としてコーポレート・ガバナンスの充実を図っていくことを、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としている。
①企業統治の体制
当社は監査役制度を採用しており、取締役会は、取締役10名で構成され、法令で定められた事項のほか業務執行、経営の基本方針をはじめとする重要事項の決定ならびに業務執行の監督を行っている。また、業務執行取締役と部門長からなる経営戦略会議を設置し、経営に関する基本戦略・重要事項について審議を尽くし、的確な経営判断ができる体制をとっている。さらに、事業運営に関する事項は経営戦略会議で事前審議のうえ、取締役会において決定することとしている。また、当社では執行役員制度を導入し、取締役の業務執行機能の一部を執行役員に委譲することにより、取締役の監督機能強化と業務執行の迅速性確保の両立を図っている。
当社では、取締役10名中の3名を社外取締役、監査役4名中の2名を社外監査役とすることで経営への監視・監督機能を強化しており、また、取締役会において、社外取締役及び社外監査役による中立的な立場からの意見等を最大限尊重して意思決定を行うことで、実質的な経営監視・監督機能の実効性の確保が可能になることから、現状の体制としている。
取締役会は、毎月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要事項の決定ならびに業務執行の監督を行っている。また、内部統制システムの整備に関する基本方針を決定するとともに、基本方針に基づく内部統制の実施状況を監督し、必要に応じて、基本方針の見直しを行っている。
経営戦略会議は、毎月2回程度開催し、経営に関する基本戦略・重要事項について審議を行っている。
各監査役は、取締役会に常時出席するなどして、取締役の業務執行を監督するとともに、監査役会を開催し、各監査役の監査意見の集約を図っている。また、内部統制システムの整備状況、運営状況を監視・検証し、必要に応じて取締役に助言、勧告等の意見の表明その他必要な措置を講じている。
監査室(内部監査グループ)では、定期的に内部監査を行い、会計、業務管理・手続、事業リスク、コンプライアンス等に関する内部監査を継続して実施している。
監査室(内部統制グループ)では、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制を、全社横断的な各部門の協力体制のもと、定期的にその整備・運用状況を評価し、改善を図っている。
このほかに、法令遵守をはじめとするコンプライアンスの徹底を図るため、コンプライアンス委員会(委員長:取締役社長)を設置し、本委員会のもと、企業活動全般にわたって、定期的に法令・企業倫理面からのチェックを行っている。コンプライアンス委員会では、役職員が遵守すべき倫理行動指針をまとめた「Hitzグループ倫理行動憲章」を役職員全員に配布し、啓蒙・教育することにより、コンプライアンス意識の向上、企業倫理遵守の徹底を図るとともに、社外の独立した監視部門への相談・通報を可能とする内部通報制度を設置し、法令違反行為等を予防・早期発見し、迅速かつ効果的な対応を図っている。
大型受注案件のリスクについては、当社経営企画部の中にリスク管理グループを設け、案件の技術・商務条件等についてのリスクの抽出、評価及び回避策の検討等を実施するとともに、必要に応じてリスク検討会を開催し、様々な角度からのリスクを検討したうえで、受注意思決定会議において受注を決定している。また、受注後のモニタリング体制強化のために、当社経営企画部の中にプロジェクト管理グループを設け、採算面における目標と実績の乖離の極小化を図っている。
グループ会社の経営については、その自主性を尊重しつつ、当社から取締役、監査役を派遣することにより業務の適正を監督・監視し、グループ経営のもとでのガバナンス機能、監督機能の強化を図っている。グループ会社を管理・指導する主管部門として関連企業部を設け、グループ会社の管理・運営基準に則り、経営上の重要な事項について付議・報告を受け、必要に応じて助言・指導を行うとともに、グループ会社における内部統制システムの整備のための支援を行っている。また、内部統制システムの整備に関する協議、グループ経営方針その他情報の共有化を図るため、当社取締役及びグループ会社取締役社長による連絡会議を定期的に開催している。
当社における会社の機関・内部統制の関係の概要は以下のとおりである。
0104010_001.png②内部監査及び監査役監査の状況
当社の内部監査及び監査役監査の組織は、内部監査担当部門として監査室(内部監査グループ)(人員6名)を設置し、内部監査規程に基づき、当社グループの経営活動全般について、会計、業務管理・手続、事業リスク、コンプライアンス等に関する内部監査を継続して実施し、業務改善に向けた具体的な助言等を行っている。また、監査役監査については、監査役4名(うち社外監査役2名)が監査役監査基準に基づき実施し、監査役の職務を補助するため、取締役その他の業務執行者から指揮命令を受けない独立した使用人(人員1名)を専属で配置し、監査役監査の実効性を確保する体制をとっている。監査役と会計監査人との連携については、監査役監査基準等に基づき、適宜、監査計画、監査結果等について、定期的な情報交換を行うとともに、監査役は、会計監査人の適切な監査の実施について監視・検証を行うこととしている。また、監査役と内部監査部門との連携については、当社内部統制基本方針、監査役監査基準及び内部監査規程に基づき、内部監査に係る監査計画、監査報告、監査によって得た必要な情報等を監査役に提供するほか、定期的な情報交換を実施するなど、緊密な連携を保ち、効率的な監査を実施する体制を整備している。なお、常勤監査役森方正之は、過去に当社経理部長を務めており、また、社外監査役高島健一は、過去に本田技研工業㈱の財務部長及び経理部長を務めている。両氏はこれらの経験をはじめとして、経理・財務部門における長年の経験を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有している。
③社外取締役及び社外監査役
当社の社外取締役は3名、社外監査役は2名である。なお、社外取締役及び社外監査役の当社株式保有状況は、「第4 提出会社の状況 5.役員の状況」に記載のとおりである。
社外取締役伊東千秋は㈱ゼンショーホールディングス及び㈱オービックビジネスコンサルタントの社外取締役であり、また、過去に㈱富士通総研の代表取締役を務めていたが、これらの会社と当社との間に取引関係はなく、同氏が2010年6月まで取締役を務めていた富士通㈱と当社との間には営業取引関係があるが、その取引関係は、当社及び同社の事業規模に比して僅少である。社外取締役髙松和子は(公財)21世紀職業財団の業務執行理事兼事務局長であり、同財団と当社との間には業務委託等の関係があるが、その取引関係は、当社及び同財団の事業規模に比して僅少であり、また、同氏はデクセリアルズ㈱の社外取締役であるが、同社と当社との間に取引関係はなく、同氏が過去に代表取締役を務めていたソニーデジタルネットワークアプリケーションズ㈱、VP(理事)を務めていたソニー㈱及び顧問を務めていたYAMAGATA INTECH㈱との間にも取引関係はない。社外取締役リチャード R.ルーリーは米国弁護士であり、当社米国子会社と法律顧問契約を締結しているが、その取引関係は、当社独立性判断基準額以内であり、同氏が2015年1月に退職するまでパートナーを務めていた大手米国弁護士事務所と当社との間には当社米国子会社を通じて取引関係があるが、同氏の退職後3年以上が経過している。その他3氏と当社との間に、人的関係をはじめ、重要な資本的関係その他の利害関係はない。
社外取締役伊東千秋及び社外取締役髙松和子は企業経営に関する豊富な経験と幅広い見識を有しており、また、社外取締役リチャード R.ルーリーは国際的な企業法務に関する豊富な経験と専門知識を有している。3氏については、コーポレート・ガバナンスの強化、事業のグローバル化、新事業・新製品の開発、ICT技術の活用及びダイバーシティ経営等を推進する当社において、社外取締役として独立した立場から適切な意見、助言を行い、業務執行の監督機能の強化に十分な役割を果たすことが期待できる人物であると判断している。
社外監査役土井義宏は関西電力㈱の取締役副社長執行役員であり、同社と当社との間には営業取引関係があるが、その取引関係は、当社及び同社の事業規模に比して僅少である。社外監査役高島健一はマックスバリュ中部㈱の社外取締役であるが、同社と当社との間に取引関係はなく、同氏が過去に取締役を務めていた本田技研工業㈱と当社との間には営業取引関係があるが、その取引関係は、当社及び同社の事業規模に比して僅少である。その他両氏と当社との間に、人的関係をはじめ、重要な資本的関係その他の利害関係はない。
社外監査役土井義宏及び社外監査役高島健一については、企業経営に関する豊富な経験と幅広い見識をもとに、社外監査役として独立した立場から、当社経営・事業運営等に対する適切な意見、助言を行い、コーポレートガバナンスの強化、監査体制の充実に貢献することが期待できる人物であると判断している。
当社は、社外取締役及び社外監査役の独立性に関して、㈱東京証券取引所が定める独立性基準を参考に当社独自の判断基準を以下のとおり定めている。
(当社社外役員の独立性判断基準)
当社は社外役員が以下の事項に該当しない場合、独立性を有すると判断している。
1.当社の主要な取引先または当社を主要な取引先とする会社の業務執行者
(*) 主要とは、過去3事業年度平均の年間取引額が、当社または取引先の売上高の2%以上の場合をいう。
2.当社から多額の寄付または助成を受けている団体の業務を執行する者
(*) 多額とは、過去3事業年度平均で年間1,000万円以上かつ当該団体の総収入の2%以上の場合をいう。
3.当社から役員報酬以外に多額の金銭等を得ている法律、会計もしくは税務の専門家またはコンサルタント
(*) 多額とは、過去3事業年度平均で年間1,000万円以上の場合をいう。
4.以下に該当する者の2親等以内の近親者
(1) 上記1~3に該当する者(重要でない者を除く)
(2) 過去3年間において、当社グループの取締役、執行役員または重要な使用人であった者
社外取締役は、取締役会において、内部監査部門、会計監査人その他内部統制関係部門から、内部監査報告やコンプライアンス、リスク管理その他内部統制システムの整備・運用状況等について報告を受けて適宜意見を述べ、また、監査役と情報交換を行う等緊密な連携をとることにより、より実効的な監督機能を発揮することとしている。
また、社外監査役は、監査体制の独立性及び中立性を一層高めるために、積極的に監査に必要な情報の入手に心掛け、得られた情報を他の監査役と共有することに努めるとともに、他の監査役と協力して監査の環境の整備に努めているほか、「②内部監査及び監査役監査の状況」に記載のとおり、他の監査機関とも緊密な連携をとっている。
④会計監査の状況
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、川井一男、辰巳幸久、三井孝晃であり、有限責任 あずさ監査法人に所属している。当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士12名、その他15名である。
⑤役員報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬賞与
取締役
(社外取締役を除く。)
263253911
監査役
(社外監査役を除く。)
6161-2
社外役員5050-6

(注)取締役の報酬等の総額には使用人兼務取締役の使用人としての職務に対する報酬は含まれていない。なお、使用人兼務取締役の該当者はいない。
ロ.提出会社の役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していない。
ハ.役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
ⅰ)取締役の報酬
取締役の報酬は、定額報酬と業績連動型賞与で構成され、株主総会決議による総額(年額550百万円以内(使用人兼務取締役の使用人としての職務に対する報酬を除く。))の範囲内で決定される。定額報酬は役位別に支給額が設定されており、業績連動型賞与は取締役会で承認された業績指標に基づき支給額を算定し、取締役会から委任を受けた会長兼社長が、社外取締役の意見を踏まえてその妥当性を十分確認したうえで、最終決定している。ただし、社外取締役は、独立性確保等の観点から定額報酬のみとしている。なお、2012年6月22日開催の第115回定時株主総会終結の時をもって、役員退職慰労金制度を廃止した。
ⅱ)監査役の報酬
監査役の報酬は、独立性確保等の観点から定額報酬のみとし、株主総会決議による総額(年額100百万円以内)の範囲内で、各監査役の職務内容に応じて監査役の協議により決定することとしている。なお、2012年6月22日開催の第115回定時株主総会終結の時をもって、賞与及び役員退職慰労金制度を廃止した。
⑥株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
94銘柄 14,343百万円
ロ.保有目的が純投資以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
関西電力㈱200,000273取引関係維持・強化のため
新日鐵住金㈱100,000256取引関係維持・強化のため
㈱ナガオカ300,000195取引関係維持・強化のため
㈱名村造船所245,480163取引関係維持・強化のため
Southern Petrochemical Industries Corporation Limited500,00020取引関係維持のため
グローリー㈱3,37912取引関係維持・強化のため

みなし保有株式
みなし保有株式はない。
当事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
㈱ナガオカ300,000445取引関係維持・強化のため
関西電力㈱200,000273取引関係維持・強化のため
新日鐵住金㈱100,000233取引関係維持・強化のため
㈱名村造船所245,480147取引関係維持・強化のため
Southern Petrochemical Industries Corporation Limited500,00027取引関係維持のため
グローリー㈱3,60513取引関係維持・強化のため

みなし保有株式
みなし保有株式はない。
ハ.保有目的が純投資目的である投資株式はない。
⑦取締役の定数
当社の取締役は3名以上とする旨定款で定めている。
⑧責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結している。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める最低責任限度額を限度としている。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または当該監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られる。
⑨取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めている。
また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらないものとする旨定款に定めている。
⑩自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得できる旨定款に定めている。これは、機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものである。
⑪取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって同法第423条第1項に定める取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めている。これは、職務の遂行にあたり期待される役割を十分発揮できることを目的とするものである。
⑫中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議をもって中間配当を行うことができる旨定款に定めている。これは、機動的な配当政策の遂行を可能とすることを目的とするものである。
⑬株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めている。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものである。