有価証券報告書-第188期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:23
【資料】
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【項目】
129項目

業績等の概要

(1)業績
当期のわが国経済は、各種政策の効果などにより雇用情勢が改善している一方、新興国経済の減速の影響などから、生産や輸出に鈍さがありましたが、海外景気の緩やかな回復を背景に持ち直しが進んでいます。
このような経営環境のもと、当期の当社グループの業績は、鉄道車両の売上が減少したことなどから、売上高は前期比8.9%減少の1,010億93百万円となりました。利益面につきましては、海外向け鉄道車両案件における損失引当の計上などにより、営業損失は51億4百万円(前期は営業損失101億71百万円)、経常損失は51億49百万円(前期は経常損失101億73百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は51億24百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失161億29百万円)となりました。
セグメント別状況は以下のとおりです。
① 鉄道車両事業
JR向け車両は、JR東海向けおよびJR西日本向けN700A新幹線電車などの売上があり、売上高は218億21百万円となりました。公営・民営鉄道向け車両では、東京メトロ向け銀座線1000系電車、名古屋市交通局向けN3000形電車、名古屋鉄道向け2200系電車、3150系電車および3300系電車、東京都交通局向け大江戸線12-600形電車、横浜市交通局向け3000形電車、京成電鉄向け3000形電車などがあり、その売上高は124億78百万円となりました。海外向け車両では、米国向け二階建て電車および客車、米国向け気動車などがあり、売上高は142億53百万円となりました。この結果、鉄道車両事業としましては、売上高は485億53百万円となり、海外向け車両が減少したことなどにより、前期に比べ26.3%減少となりました。
② 輸送用機器・鉄構事業
輸送用機器におきましては、コンテナ貨車が増加したほか、LPGタンクローリなどが堅調に推移し、売上高は133億78百万円となり、前期に比べ26.8%増加しました。
鉄構におきましては、東日本高速道路向け白竜大橋、中日本高速道路向け福士川第二橋などの橋梁製作、常葉川跨線橋、富士川第一跨線橋などの架設工事の売上がありました。また、東海道新幹線大規模改修工事などの売上が
あり、売上高は86億4百万円となり、前期に比べ1.0%増加となりました。
以上の結果、輸送用機器・鉄構事業の売上高は219億83百万円となり、前期に比べ15.3%増加となりました。
③ 建設機械事業
建設機械におきましては、国内向けで東日本大震災復興工事や東京オリンピック関連工事の需要などにより、大型杭打機などが増加したほか、海外向けでは韓国向け大型杭打機などを輸出しました。この結果、売上高は192億81百万円となり、前期に比べ9.2%増加しました。
発電機におきましては、国内向けが増加しましたが海外向けが減少し、売上高は31億37百万円となり、前期に比べ9.7%減少しました。
以上の結果、建設機械事業の売上高は224億19百万円となり、前期に比べ6.1%増加となりました。
④ その他
JR東海向けリニア用機械設備などのほか、車両検修設備、各地のJA向け営農プラントの改修工事、家庭紙メーカー向け製紙関連設備、レーザ加工機、鉄道グッズ販売などの売上がありました。その結果、車両検修設備が増加したことなどにより、その他の売上高は81億36百万円となり、前期に比べ64.6%増加となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ15億33百万円減少し、117億13百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
23億38百万円の資金の使用(前連結会計年度は23億34百万円の資金の獲得)となりました。これは、売上債権が減少した前連結会計年度に比べ、当連結会計年度は主に国内向け鉄道車両に係る売上債権が増加したため、資金の使用が多いことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
5億53百万円の資金の使用(前連結会計年度は16億16百万円の資金の使用)となりました。これは、当連結会計年度は有形固定資産を売却したことから、前連結会計年度に比べて資金の使用が少ないことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
11億75百万円の資金の獲得(前連結会計年度は94億68百万円の資金の獲得)となりました。これは、主に前連結会計年度に比べて借入による資金調達が減少したため、資金の獲得が少ないことによるものであります。