有価証券報告書-第188期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:23
【資料】
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【項目】
129項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
当期の当社グループの業績は、連結売上高は鉄道車両が減少したことなどから前期比8.9%減少の1,010億93百万円となりました。
利益面につきましては、海外向け鉄道車両案件における損失引当の計上などにより、営業損失は51億4百万円、経常損失は51億49百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は51億24百万円となりました。
詳細については、1 業績等の概要(1)業績をご参照ください。
(2)財政状態
①流動資産
前連結会計年度末に比べ2.6%減少し750億54百万円となりました。これは、主に海外向け鉄道車両に係るたな卸資産が減少したことによるものであります。
②固定資産
前連結会計年度末に比べ2.0%減少し541億39百万円となりました。これは、主に有形固定資産の売却や減価償却の進捗によるものであります。
③流動負債
前連結会計年度末に比べ11.2%増加し703億79百万円となりました。これは、主に一年内に返済する長期借入金の振替に加えて、海外向け鉄道車両に係る受注損失引当金が増加したことによるものであります。
④固定負債
前連結会計年度末に比べ13.7%減少し307億5百万円となりました。これは、主に一年内に返済する長期借入金の振替によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
「1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フロー」を参照願います。
(参考)キャッシュ・フロー関連指数の推移
第184期第185期第186期第187期第188期
自己資本比率(%)43.044.735.425.221.7
時価ベースの
自己資本比率(%)
45.443.734.230.233.1
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率(年)
-4.3-11.5-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-35.7-12.3-

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.第184期、第186期および第188期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオについては記載しておりません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グル-プの主要製品は、鉄道車両や橋梁など受注生産品がその多くを占め、それぞれの受注単位も比較的大きいことから、各年度により製造ないし売上の製品構成は大きく変化します。このため、操業度の平準化や製品毎に異なる仕様への効率的な対応が恒常的な課題となります。また、受注から納入まで時間を要する案件が多いため、原材料価格の変動や為替変動が経営成績に大きく影響します。このため、原材料については、適時調達や歩留まりの向上、材質の変更等を進めてコスト上昇の抑制に努め、為替変動については、為替予約等のヘッジを行ってリスク低減に努めてまいります。
(5)財務政策
当社グループは、健全な財務バランスを保ちつつ、事業活動に必要な資金の安定的な確保および流動性の維持に努めております。また、当社は親会社(東海旅客鉄道㈱)グループが運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参画しております。これにより、資金調達については、設備投資資金および運転資金等の必要資金は内部資金を充当するほか、親会社との連携強化により当座必要となる資金をCMSから機動的に調達できる状態としているため、資金流動性については、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。また、当連結会計年度末日後に、工場資産の親会社への譲渡および非事業用資産の譲渡を実施し、これで得た資金を充当して取引金融機関に対し当連結会計年度末にあった長期借入金全額の繰上げ返済を行いました。これにより、経営資源の有効活用および財務状況の改善を図っております。
(6)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消、改善するための対応策
当社グループは、「4.事業等のリスク(13)重要事象等について」に記載した重要事象等に対処するため、以下の対応策を実施しております。
北米事業については、大きな損失が発生している米国向け大型鉄道車両案件に関して、設計部門における専任体制強化など当該案件の安定的かつ着実な遂行に向けた取組みを行ってまいりましたが、設計の見直しに対応する中で技術的な課題に直面し、当該案件を予定通り遂行することが困難になった旨を客先に申し入れ、現在協議を行っております。このため、今後案件を適切に遂行していくための方向性について引き続き客先と協議を行ってまいります。また、インドネシア向け大型鉄道車両案件については、プロジェクト推進体制の見直しを図るなど、これ以上損失が拡大しないよう取り組んでまいります。
一方、主力の国内事業については、安定的に利益を計上し、鉄道車両や橋梁は新規受注が増加するなど底堅く推移しておりますので、引き続き受注獲得に努めていくとともに、好調な建設機械事業においては他事業の生産設備の活用などにより高水準な売上の維持を図ってまいります。同時に、原価低減および経費の削減を一層推し進め、利益体質の強化を図ってまいります。これらの施策については当社グループの総力を挙げて取り組み、業績改善に繋げてまいります。
資金面については、「(5)財務政策」に記載のとおり、資金計画に基づき想定される資金需要に十分対応できる資金を確保しております。