有価証券報告書-第106期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 15:58
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
当社は、企業理念「我々は、常に誠意と熱意を持って、優れた技術と創造力を発揮し、豊かで快適な人間環境の実現に貢献します」を踏まえた企業活動を実践し、当社を取り巻くステークホルダーの皆様とも信頼関係を構築し、共存共栄を目指した企業経営に努め社会的責任を果たすとともに、会社の持続的成長、企業価値の最大化を図ることを重要な課題と認識しております。そのため、公正かつ透明性が確保された経営体制の確立が不可欠との観点から、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。
① 企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社であり、取締役会、監査役会を設けております。
取締役会は、取締役が13名(うち社外取締役4名)で構成されており、定例で年間8回及び必要に応じて臨時に開催され、法令並びに定款で定められた事項及び取締役会付議基準に定められた重要事項を審議、決定するとともに、業務執行に係る重要な報告を受け、取締役の業務執行に対する監督を行っております。
また、毎週1回、常勤の取締役及び監査役、理事並びに子会社社長等から成る経営会議を開催し、業務執行の効率化と課題や情報の共有化に努めるとともに、こうした定例的な会議に加え、重要事項と考えられるテーマについては、適宜、戦略会議を開催して対応を検討するなど企業統治の実効性向上を図っております。
監査役は、4名全員が社外監査役で、各監査役は法務や財務及び会計に関する相当程度の知見等それぞれの有する専門的見地から充実した経営の監査を行っております。また、監査業務を補助し実効性を維持するため、監査役会及び監査役の指揮を受ける専任スタッフを1名配置しております。
なお、会社法第427条第1項並びに定款第26条及び第35条の規定により、社外取締役及び非常勤の社外監査役の全員との間で会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。
こうした当社の体制は、経営に対する監督、監査機能の十分性を備えており、公正かつ透明性が確保された企業統治を確立するうえで、有効であると考え採用しております。
② 企業統治に関する事項(内部統制システムの整備状況及びリスク管理体制の整備状況)
・取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
役員及び社員の行動の拠り所となる「経営方針」において、規範の遵守が経営の根幹であるとの信念を明示するとともに、具体的指標となる「企業倫理行動規範」を制定し、これを周知するための処置をとります。
また、法令及び企業倫理に則った企業行動を推進するため、「コンプライアンス(企業倫理)委員会」を設置するとともに、「コンプライアンス(企業倫理)統括チーム」を設け、具体的な仕組み作りや社内研修などを実施します。更に、法令や企業倫理、社内規定に反する行為が発生した場合に、これを早期に発見、是正するため、「コンプライアンス社内通報規則」を設け、社員からの通報や相談を受け付ける体制を整備します。
内部統制を整備・運用する部門が定期的な点検を実施する一方、内部監査機能を強化するため、「監査部」を設置しております。
・取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
法令及び定款で定められている事項に加え、対象、担当、期間、管理方法などを明記した「文書取扱規定」などの社内規定を整備し、これらに則った適切な保存、管理を実施するとともに、担当部署が定期的な保存、管理状況の点検などを実施します。
・損失の危険の管理に関する規程その他の体制
事業などのリスクを適切に管理するため、リスク管理に係る諸規定類を整備し、各部署における内部牽制を図るとともに、重要な案件については、必要に応じて取締役会及び「経営会議」などの会議体において、個別のリスクの管理について審議を行います。
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会は中長期経営計画を策定し、会社として達成すべき目標を明確化します。
社長が業務の執行を統括するとともに、適正な業務組織と分掌事項を設定します。また、経営環境の変化に迅速に対応できるよう、取締役相互の経営監視の観点に配慮しつつ、担当業務を明確に定め、取締役による迅速な意思決定を図っていきます。
役員間の情報の共有と効率的な意思決定を図るため、「経営会議」など当社独自の会議体や、個別の経営課題毎の委員会組織を状況に応じて設置します。
・企業集団における業務の適正を確保するための体制
子会社毎の責任経営を原則としたうえで、適正な統治を図るため、「関係会社管理内規」に基づき、経営上の重要な事項に関しては当社の事前承認または当社への報告を求める体制を構築します。
また、子会社との間での取引の公正を確保するため、通例的でない取引については、法令で定める特段の審査手続を設けるとともに、「コンプライアンス社内通報規則」の通報窓口を子会社にも開放し、それぞれの会社に周知することで、企業集団におけるコンプライアンスの実効性を確保します。
「監査部」は、法令に定めのある場合のほか、必要に応じて子会社の監査を実施します。
・監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
取締役及び取締役会は、監査役及び監査役会の監査に関する事務を処理するため、監査役付の職務を設けます。「監査役付」の社員は、専ら監査役の指揮を受け、その評価については、常勤の監査役が行います。また、その異動については予め常勤の監査役の同意を得ます。
・当社の監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
当社の取締役及び社員並びに子会社の役員及び社員は、コンプライアンスに違反する事実及び会社に著しい損害を及ぼす事実並びにそのおそれのある事実を知った場合、適時適切な方法で当社の監査役に報告します。
監査役は取締役会、さらに、常勤の監査役は「経営会議」などの重要会議に出席することができます。また、業務執行に係る文書その他重要な文書の回覧を受け、必要に応じて子会社から営業の報告を求めることができる体制を確保します。
「コンプライアンス(企業倫理)統括チーム連絡会」に常勤の監査役が出席し、当社及び子会社のコンプライアンス上の諸問題について報告を受ける体制を確保します。
・監査役へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
通報者は、「コンプライアンス社内通報規則」に基づき、当該報告をしたことを理由として、会社及び他の社員等からいかなる不利益をも受けない権利を有することを保証します。
・監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務を執行するうえで必要な費用について、毎年、適正な予算を確保し、前払等の請求があったときは、速やかに当該費用または債務を支払います。
・その他会社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
取締役及び取締役会は、監査役が何時でも取締役及び社員に対し必要な報告を求め、会社の業務及び財産の状況を調査し、日常の業務について意見を述べる体制を確保するほか、監査役の監査に関する体制の整備に当たっては、監査役及び監査役会の同意を得ます。
・財務報告の信頼性と適正性を確保するための体制
財務報告の信頼性と適正性を確保するため、金融商品取引法その他の関係法令等に基づき、財務報告に係る内部統制が有効かつ適切に行われるよう体制の整備及び運用を行います。また、その体制が有効かつ適正に機能することを継続的に評価し必要な是正を行います。
・反社会的勢力排除に向けた基本方針及び整備状況
反社会的勢力、団体に対しては、「企業倫理行動規範」に基づき、毅然とした態度で対応し、一切の関係を遮断することを基本方針としております。また、平素から所轄の警察署や顧問弁護士等の外部専門機関と関係を構築し、不当な要求には外部専門機関と連携して組織的に対応します。
③ 内部監査及び監査役監査、会計監査の状況
内部監査
内部監査部門として、監査部を設け、専任の社員4名を配置しております。監査部は「内部監査規則」、「内部監査実施要領」、「内部統制監査規定」などに従って当社や子会社の監査を実施し、業務が適正に遂行されているかを確認しております。
金融商品取引法に基づき、当社が実施した財務報告に係る内部統制の有効性評価に対する会計監査人の監査の概要は、取締役会や経営会議等において内部統制部門の責任者に報告されております。
監査役監査
監査役会は「監査役会規則」、「監査役監査基準」に従って監査方針、監査計画等を策定したうえで監査を実施し、監査報告書を作成しております。
監査役は取締役会に出席するほか常勤監査役は週1回開催される経営会議などの重要な会議に出席し、意見を述べております。監査役は各取締役から「取締役業務執行確認書」及び「内部統制システムの整備・運用に係る取締役の職務の執行状況報告書」の提出を受け、業務執行状況の確認を行っております。また、重要な文書の回覧を受けるほか、子会社についても事業の報告を求め、必要に応じ業務内容等の調査を行っております。さらに、監査部や会計監査人との意見交換を行うなど、相互に連携して取締役の業務執行の違法性、適法性を監査するとともに、代表取締役と定例的に会合をもち、会社が対処すべき課題、監査役監査の状況、監査上の重要課題等について意見を交換し、併せて必要と判断される要請を行うなど、代表取締役との相互認識を深めるよう努めております。
会計監査
会計監査については、有限責任 あずさ監査法人と監査契約を締結しており、平成30年3月期の会計監査業務を執行した公認会計士2名は、いずれも継続監査年数は7年以内であります。
監査役及び会計監査人は、監査計画、監査重点項目等監査業務に関して適宜情報・意見交換を行い、相互に連携をとり監査業務にあたっております。また、監査報告書を作成する際は、会計監査人は監査役に対して詳細に報告するほか、監査全般に対する意見交換及び情報交換を行い、効率的な監査を実施しております。
監査役及び監査部は、適宜、連絡の場を設けて互いの内部監査の進捗状況を確認するほか、日常的に情報、意見交換を行って、相互に連携をとり監査業務にあたっております。
④ 社外取締役及び社外監査役との関係
当社は、社外取締役4名(うち2名は独立役員)、社外監査役4名(うち1名は独立役員)を選任しております。社外取締役及び社外監査役は、豊富な経験と幅広い見識に基づく客観的立場からの経営に対する監督、監査と率直・活発で建設的な助言が期待できる方を選任し、経営の公正性・透明性の確保に努めております。さらに、客観性、中立性を一層高めるため、独立社外取締役及び独立社外監査役を選任しております。
なお、社外取締役及び社外監査役の独立性基準については、東京証券取引所の定める独立性判断基準を準用しております。
社外取締役
・社外取締役4名のうち2名は独立役員であります。
・社外取締役齊藤紀彦は、一般株主との利益相反が生じるおそれのない独立役員であります。経営者としての豊富な経験と幅広い見識に基づき、独立的立場から当社経営に客観的ご意見をいただいており、当社の社外取締役に相応しいと判断しております。
・社外取締役小森悟は、一般株主との利益相反が生じるおそれのない独立役員であります。学識経験者としての豊富な経験と幅広い見識に基づき、独立的立場から当社経営に客観的ご意見をいただいており、当社の社外取締役に相応しいと判断しております。
・社外取締役加藤千明は、鉄道システムに対する方向性などについて、近畿日本鉄道株式会社の経営に携わってきた豊富な経験と幅広い見地から当社経営にご意見をいただいており、当社の社外取締役に相応しいと判断しております。
・社外取締役松岡俊宏は、西日本旅客鉄道株式会社での経験に基づき、幅広い見地から鉄道に関する今後の課題など当社経営にご意見をいただいており、当社の社外取締役に相応しいと判断しております。
社外監査役
・社外監査役4名のうち1名は独立役員であります。
・社外監査役三浦均は、西日本旅客鉄道株式会社における豊富な経験と幅広い見識を当社の監査体制に活かしていただけるものと判断しております。
・社外監査役余部信也は、一般株主との利益相反が生じるおそれのない独立役員であります。日本生命保険相互会社における豊富な経験と財務及び会計に関する相当程度の知見を含む幅広い見識を当社の監査体制に活かしていただけるものと判断しております。
・社外監査役美根晴幸は、顧問弁護士であります。長年弁護士として培われた見識と経験を当社の監査体制に活かしていただけるものと判断しております。
・社外監査役三宅貞行は、近鉄グループホールディングス株式会社及びそのグループ会社における豊富な経験と財務及び会計に関する相当程度の知見を含む幅広い見識を当社の監査体制に活かしていただけるものと判断しております。
また、社外取締役及び社外監査役による監督・監査業務が円滑かつ実効的に遂行できるよう、総務部は、取締役会資料の事前配布と概要説明に努めるとともに、調査や追加情報の要請については、常勤の取締役と総務部、監査役またはその専任の社員が即座に対応する体制を整えております。
⑤ 役員の報酬等
イ 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数
(名)
基本報酬ストック
オプション
賞与退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く。)
113113---12
監査役
(社外監査役を除く。)
------
社外役員3131---8

(注) 期末日現在の取締役は13名(うち社外取締役4名)、社外監査役は4名であります。
ロ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
ハ 使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
該当事項はありません。
ニ 役員の報酬等の額の決定に関する方針
取締役の報酬は、株主総会で承認された限度額内において、月額報酬分と常勤役員については業績連動分を加え、職責と成果を反映したものとして取締役会の委任を受けた代表取締役社長が基準に基づき配分しております。
監査役の報酬は、株主総会で承認された限度額内において、監査役の協議で決定しております。
⑥ 株式の保有状況
イ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
銘柄数16銘柄
貸借対照表計上額の合計額78億5千8百万円

ロ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の銘柄、保有区分、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
(前事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
西日本旅客鉄道株式会社430,0003,113車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
東海旅客鉄道株式会社160,0002,902車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
東日本旅客鉄道株式会社120,0001,163車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
住友商事株式会社158,661237車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
三菱商事株式会社71,920173車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ184,000128金融取引基盤の安定を図るための政策上の目的
伊藤忠商事株式会社57,75091車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
三菱重工業株式会社200,00089車両事業の業務提携による政策上の目的
ナブテスコ株式会社16,00847車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
日本証券金融株式会社15,6009金融取引基盤の安定を図るための政策上の目的
KIホールディングス株式会社29,7008車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
朝日放送株式会社5,4004車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
株式会社神戸製鋼所1,7801車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
株式会社UACJ5,5811車両営業基盤を拡大するための政策上の目的

みなし保有株式
該当事項はありません。
(当事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
西日本旅客鉄道株式会社430,0003,195車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
東海旅客鉄道株式会社140,0002,818車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
東日本旅客鉄道株式会社100,000986車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
住友商事株式会社158,661284車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
三菱商事株式会社71,920205車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ184,000128金融取引基盤の安定を図るための政策上の目的
伊藤忠商事株式会社57,750119車両営業基盤を拡大するための政策上の目的
三菱重工業株式会社20,00081車両事業の業務提携による政策上の目的

みなし保有株式
該当事項はありません。
ハ 保有目的が純投資目的である投資株式
前事業年度
(百万円)
当事業年度
(百万円)
貸借対照表
計上額の合計額
貸借対照表
計上額の合計額
受取配当金
の合計額
売却損益
の合計額
評価損益
の合計額
非上場株式-----
上記以外の株式72971-81

ニ 当事業年度中に、投資株式の保有目的を変更したもの
純投資目的以外の目的から純投資目的に変更した投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)
ナブテスコ株式会社16,00865
KIホールディングス株式会社29,70013
日本証券金融株式会社15,60010
朝日放送株式会社5,4004
株式会社神戸製鋼所1,7801
株式会社UACJ5581

(注) 朝日放送株式会社は、平成30年4月1日をもって朝日放送グループホールディングス株式会社に商号を変更しております。
⑦ 会計監査の状況
会計監査人による監査については、有限責任 あずさ監査法人に委嘱しており、業務執行した公認会計士は指定有限責任社員業務執行社員中畑孝英、安井康二の2名であり、公認会計士9名、その他9名が監査業務の補助者となっております。