有価証券報告書-第113期(平成25年12月1日-平成26年11月30日)

【提出】
2015/02/26 15:31
【資料】
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【項目】
149項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国は順調な回復過程にあり、欧州も緩やかな回復が続いております。他方で、中国やブラジル等の新興国経済の成長鈍化や、タイの政治・社会情勢の混乱による経済低迷といった不透明な要素も見られました。
国内経済については、政府・日銀による金融・財政政策の効果を背景に、企業業績や雇用・所得環境の改善、設備投資の持ち直しが見られました。また、株式市場の活況等に伴って資産価格の上昇効果も出て来ました。他方で、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要と増税後の反動減が景気動向に影響いたしました。
このような経営環境の下、当社グループは、平成25年5月に実施したValeo社からのアクセスメカニズム事業の買収を受けて、営業、生産、経営管理をはじめとする様々な面での統合作業に注力しました。また、米州地域における中核拠点として建設したメキシコ工場が、本稼働を開始いたしました。
このような取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は1,559億85百万円(前期比43.8%増)となりました。タイ拠点が社会混乱に伴う需要減の影響を受けたものの、国内及び中国をはじめとする海外拠点の生産・出荷が概ね好調であったことに加え、平成25年5月に実施したアクセスメカニズム事業の買収に伴う増収効果が、当期は期首より寄与いたしました。
営業利益は、30億75百万円(同71.7%増)となりました。自動車部門の国内・中国等好調な拠点における利益増加に加えて、欧州拠点で生産効率の改善が進んだこと、産業機械部門の業績が堅調に推移したことが主な要因です。
経常利益は、10億57百万円(同31.2%減)となりました。前年度のような円高修正に伴う為替差益(29億48百万円)がなかったことに加え、新興国通貨に関する為替差損の発生や、事業買収に伴う支払利息・通貨スワップ費用といった金融費用が増加したことが主な要因です。
当期純損益については、純損失4億33百万円(前期は純利益4億円)を計上しました。経常利益の減益に加えて、特別損益として、広島新工場に対する公的助成金収入、広島と中国(中山市)の旧工場不動産の売却益、受取保険金等を特別利益に計上する一方、Valeo社からのインド法人の株式取得中止に関する解決金、海外販売代理契約の解約金、製品補償引当金繰入額を特別損失に計上したことが、主な要因であります。
各セグメントの業績は、次の通りです。
(自動車部門)
売上高1,324億59百万円(前期比49.9%増)、営業利益36億90百万円(同88.0%増)となりました。アクセスメカニズム事業の買収による増収効果に加えて、国内・中国等好調な拠点において営業利益が増加したこと、また、欧州拠点で生産効率の改善が進んだことによります。
(産業機械部門)
売上高211億49百万円(前期比21.0%増)、営業利益24億74百万円(同25.8%増)となりました。農機関連が好調を維持し、建機関連でも欧州等の海外向けが伸びたことに加え、国内向けも復興需要の取り込みにより増加しました。さらに、機械受注の堅調を反映し、工作機械関連も堅調に推移いたしました。
(住宅機器部門)
国内住宅着工・販売が消費増税後の反動減の影響を受けたこともあり、売上高23億76百万円(前期比10.7%減)、営業利益1億32百万円(同42.6%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は274億14百万円と、前連結会計年度末より105億66百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は13億95百万円(前期は73億67百万円)となりました。税金等調整前当期純利益(4億63百万円)を計上し、減価償却費80億26百万円をはじめとする非資金項目を計上する一方、堅調な生産・出荷を反映して、売上債権やたな卸資産等の運転資金項目が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は64億95百万円(前期は248億70百万円)となりました。広島と中国(中山市)の旧工場不動産の売却に伴い有形固定資産の売却による収入(18億83百万円)を得る一方で、設備投資の実行に伴う有形固定資産の取得による支出(79億45百万円)を計上しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は67億83百万円(前期は201億24百万円の収入)となりました。良好な調達環境を活用し長期借入れによる収入(20億50百万円)や社債の発行による収入(50億円)を得る一方で、長期借入の返済(91億92百万円)等により有利子負債の圧縮に努め、また、株主還元策として自己株式の取得(21億41百万円)や配当金の支払(2億91百万円)を実施しました。