有価証券報告書-第98期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 13:10
【資料】
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【項目】
164項目

研究開発活動

当連結会計年度の研究開発活動は、自動車、船舶用等の内燃機関の性能向上に寄与する動弁系部品を主要製品と位置づけ、地球環境保護に対するエンジンの低燃費化、排気ガス規制、及び、燃料多様化に対応した製品や、グローバル展開に繋がるコスト低減のための開発を継続しています。EVシフトに備えて着手した開発は、サンプル評価を実施し構造の熟成を図っております。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は5億円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 小型エンジンバルブ
エンジン用バルブとして、軽量化と高耐熱化を両立し、燃費改善に貢献する冷媒封入中空バルブは、採用拡大に応えるため中国に新規生産拠点を設立し、既存中国工場を含め量産を開始しました。
また、様々な顧客ニーズに応えるため、新たな工法開発に着手いたしました。さらに、グローバル複数拠点での量産立上げに向け取り組んでおります。
四輪向け・二輪向け・汎用エンジン向け問わず、多種多様な顧客ニーズに応える体制を構築し、顧客開発期間の合理化に対応した製品開発、試作・評価への取組みを継続し、拡販活動を強化してまいります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は176百万円であります。
(2) 舶用部品
顧客ニーズである「バルブとバルブシートの長寿命化」をコンセプトとして、耐摩耗盛金材、耐腐食表面処理などの長寿命化技術を組み合わせた高付加価値技術の開発・提案を進めており、エンジン使用環境変化に起因する課題の対策に貢献しています。
また、今後更に厳しくなる環境規制に対応する次世代エンジンに向け、当社中空バルブのコア技術を活かし、個性的で高性能な舶用中空バルブの開発に取組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は142百万円であります。
(3) 可変動弁・歯車・PBW
歯車は、素材投入量の削減、使用電力削減やスクラップ削減等の観点から、ニアネット鍛造や金型長寿命化を見据えたものづくり開発を継続しています。また、新規顧客受注に向けた活動も進めております。
PBWは、生産性向上やコストダウンを目的とした冷間鍛造によるニアネット素材の開発が完了いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は42百万円であります。
(4) その他
リフター事業では、国内外顧客向けHLA(油圧ラッシュアジャスタ)及びRRA(ローラーロッカーアーム)拡販の取組みを継続しております。また、過去の経験を活用し、舶用エンジン用のHLA開発を顧客と共同で継続しております。
工作機械関連では、当連結会計年度はAI技術や双腕ロボットを活用した外観検査装置の開発、IoTソフトを活用した工場情報管理に取り組み、一部の技術については2019年内での工場導入を実現させました。今後は、その技術の熟成に力を入れて行きたいと考えております。また、設備の小型化、サイクルタイム短縮、チョコ停改善、不良削減に対して継続して取り組むことで、生産性の向上、設置スペースの削減、サイクルタイム短縮による製品コスト削減を目標としてまいります。特に当社独自技術である自動盛金技術のデータ管理化による不良削減に新たに取り組む計画としております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は185百万円であります。