有価証券報告書-第72期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/19 15:01
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では景気拡大が持続しているものの、中国及び新興国では緩やかな景気減速となりました。また、英国のEU離脱問題や米国新政権の予測困難な政策動向などにより、為替相場は不安定な状態が続きました。
一方、日本経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、緩やかな回復基調となりました。
当社グループが関連する自動車産業におきましては、2016年の世界のライトビークルの新車販売台数は、前年度比4.6%増の9,320万台となりました。地域別で見ると、特に米国と中国の販売が好調で過去最高を更新、西欧市場も回復が進み、ブラジルやロシアの落ち込みをカバーしております。一方、日本の2016年度の新車販売台数は、2015年の軽自動車税増税の影響が大きく、軽自動車は3年連続で減少しましたが、登録車が好調で、2年ぶりに500万台を回復しました。輸出については、中近東やアフリカ向けの商用車輸出は前年割れが続いていますが、北米や欧州向けの乗用車輸出の伸びが補い微増となりました。
このような状況下におきまして、当社グループの売上高は、タイ、インドネシアを除く海外拠点の現地通貨ベースでは増加したものの、円高の影響により前年度比2.9%減の167,723百万円となりました。
利益面では、米国の景気拡大に伴う労働市場の逼迫に起因する労務費の増加などにより、営業利益は前年度比36.8%減の6,327百万円、経常利益は、前年度比14.8%減の6,265百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は税負担の減少などにより、前年度比7.6%増の3,980百万円となりました。
なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、108.77円/ドル(前連結会計年度は、121.10円/ドル)であります。
セグメントの状況は、以下のとおりであります。
①日本
2016年の新車販売台数は、前年度比2.8%増の508万台となり、3年ぶりにプラスとなりました。登録車は、ハイブリット等の新型車が好調で前年度比7.5%増の336万台となりましたが、軽自動車は前年度比5.1%減の172万台で3年連続のマイナスとなりました。 生産台数は、前年度比1.9%増の936万台となりました。
こうした中、日本における当社グループの売上高は、金型・設備売上の増加に加え、主要得意先である日産向けの北米輸出車ローグが増産となったこと、ノート及び新型セレナの販売が好調に推移したこと、ホンダ向けの軽自動車N-BOXの生産が増えたことなどにより、前年度比15.6%増の57,136百万円となりました。
営業利益は、円高による海外からのロイヤルティの減少などにより、前年度比5.6%減の4,255百万円となりました。
品質面では、日産からグローバル品質賞を4年連続で受賞したことに加え、トヨタ自動車東日本からも品質賞を受賞いたしました。
②米州
米州における当社グループの売上高は、米国及びメキシコでの生産増の影響により、現地通貨ベースでは増加したものの、円高の影響により、前年度比3.8%減の78,014百万円となりました。営業利益は、米国での労働市場の逼迫に伴う離職者の増加とそれに伴う生産性の低下による労務費の増加などにより、前年度に比べ3,999百万円減の1,863百万円の営業損失となりました。
米国においては、2016年の新車販売台数が、前年度比0.4%増の1,755万台で2年連続過去最高を更新いたしました。生産台数は前年度比3.7%増の1,230万台とリーマンショック前の水準となっております。
ヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)は、ホンダオデッセイ向けに2017年4月から、またスバルインプレッサ向けに2016年11月からそれぞれ生産を開始しております。
ヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、当初計画より1年以上前倒しして、2017年1月より工場を稼動しております。
メキシコにおいては、2016年の新車販売台数は前年度比18.6%増の160万台、生産台数は前年度比2.0%増の347万台と共に過去最高となりました。
こうした中、ヨロズメヒカーナ社(YMEX)は、ダイムラーとルノー日産の生産合弁会社であるCOMPAS社のインフィニティSUV車向け部品を受注し生産準備をしております。また、日産から7年連続となる品質賞を受賞いたしました。
ヨロズオートモーティブグアナファト デ メヒコ社(YAGM)では、新規にフォルクスワーゲン及びトヨタ向け部品の受注が決定しております。
ブラジルにおいては、2016年の新車販売台数は前年度比19.8%減の199万台、生産台数は前年度比11.0%減の208万台となりました。
ヨロズオートモーティバ ド ブラジル社(YAB)は、ホンダWR-V 向けに2017年3月から、ルノーダスター向けに2017年5月からそれぞれ生産を開始しております。
③アジア
アジアにおける当社グループの売上高は、中国、インドは生産増加となりましたが、タイの低迷や円高の影響により、前年度比9.3%減の52,218百万円となりました。営業利益は、中国、タイ、インドの現地通貨ベースでは増加したものの、円高の影響により、前年度比0.5%減の3,545百万円となりました。
中国においては、2016年の新車販売台数は、小型車減税策により、前年度比13.7%増の2,803万台、生産台数は、前年度比14.5%増の2,812万台と大幅な伸びを見せ、2013年以来の2ケタ成長となっております。
广州萬宝井汽車部件有限公司(G-YBM)は、ホンダアキュラ向けに2016年10月から、更に武漢萬宝井汽車部件有限公司(W-YBM)では、ルノーコレオス向けに2016年10月から生産を開始しております。また、中国でのSUV車販売は益々拡大しており、W-YBMで生産している日産エクストレイル及びキャシュカイ向けは、好調な販売を維持しております。
タイにおいては、2016年の新車販売台数は、前年度比3.9%減の77万台と4年連続の減少となったものの、生産台数は前年度並みを維持しております。
タイ国内市場は依然としてピックアップの需要が高く、ヨロズタイランド社(YTC)で生産しているいすゞD-MAX向け及び、ワイ・オグラオートモーティブタイランド社(Y-OAT)で生産しているトヨタハイラックス向けは堅調な販売を維持しております。
インドにおいては、2016年11月の高額紙幣廃止の影響で、11月、12月に販売・生産共に大きく減少いたしましたが、最終的に2016年の新車販売台数は、前年度比10.4%増の367万台、生産台数は前年度比7.9%増の449万台となりました。
ヨロズJBMオートモーティブタミルナドゥ社(YJAT)は、ホンダWR-V向けの生産を2017年1月から開始いたしました。更に2017年末にもホンダ新型車向けの生産を開始する予定であります。
インドネシアでは、国内の景気回復が緩やかに続いており、新車販売も堅調に伸びました。2016年の新車販売台数は、前年度比4.7%増の106万台となり、生産台数も前年度比7.2%増の118万台となりました。
ヨロズオートモーティブインドネシア社(YAI)では、クボタ及びトヨタグループの新型車向けの生産を2017年5月から開始しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,695百万円増加し、25,197百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は17,191百万円であり、前連結会計年度と比べ1,543百万円
(8.2%)の収入減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
「法人税等の支払額」に伴う支出減少 2,290百万円
「為替差損益」の増減に伴う収入減少 1,528百万円
「その他の負債の増減額」に伴う収入減少 1,515百万円
「その他の資産の増減額」に伴う収入減少 1,348百万円
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は22,627百万円であり、前連結会計年度と比べ7,581百万円
(50.4%)の支出増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
「有形固定資産の取得による支出」の支出増加 9,527百万円
「定期預金の預入による支出」の支出減少 885百万円
「定期預金の払戻による収入」の収入増加 749百万円
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は10,075百万円であり、前連結会計年度と比べ9,814百万円
(38倍)の収入増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
「長期借入れによる収入」の収入増加 14,294百万円
「短期借入れによる収入」の収入増加 4,733百万円
「長期借入金の返済による支出」の支出増加 7,299百万円
「自己株式の取得による支出」の支出増加 1,591百万円