有価証券報告書-第64期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:18
【資料】
PDFをみる
【項目】
56項目

コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
1.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「人間尊重」「顧客第一」という基本理念に立脚し、株主や投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高め、「社会からその存在を認められ、期待される企業」となるため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題の一つと認識し、その取り組みを行っております。
組織運営においては、世界各地のお客様の要請に応える事業運営を、迅速かつ適切に展開しながら、効果・効率の高い体制を構築しております。
また、内部監査部門である業務監査室が各組織の業務活動全般の適法性、遂行状況について、効果的な監査を実施していくほか、各組織が自律性を高めながら、コンプライアンスやリスク管理に取り組んでおります。
経営の監視を客観的に行うため、社外取締役及び社外監査役をおき、取締役会、監査役会において監督、監査を行っております。また、当社は、経営の監督機能と執行機能の分離、取締役会の機動性向上及び経営の意思決定の迅速化を狙いとし執行役員制度を採用しております。取締役については、経営環境の変化に対する機動性を高めるために、任期を1年としております。
株主や投資家の皆様に対して、決算や経営政策の迅速かつ正確な公表や開示を基本とし、企業の透明性を今後も高めてまいります。
2.コーポレート・ガバナンス体制の概要

<取締役会>取締役会は、取締役7名(うち社外取締役1名)で構成され、重要な業務執行その他法定の事項について決定を行うほか、業務執行の監督を行っております。
<監査役会>監査役会は、監査役4名(うち社外監査役3名)で構成され、各監査役は、監査役会が定めた監査役監査基準、監査の方針、業務の分担等に従い、取締役会への出席や業務、財産の状況の調査等を通じ、取締役の職務遂行の監査を行っております。
<役員候補者の決定>取締役の候補者は、取締役会の決議によって決定しております。監査役の候補者は、監査役会の同意を得て、取締役会の決議によって決定しております。
<組織運営>業務執行においては、事業・機能別に本部長等を配置し、情報の共有や連携を図ることにより迅速な経営判断を行い、効率の良い職務の執行を行っております。
<業務執行体制>当社は、主要な組織の長に取締役や執行役員をおき、機動的に業務執行ができる体制を構築しております。
<経営会議>当社は、取締役会から選定された取締役をもって構成される経営会議をおき、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しております。
<責任限定契約の概要>当社は、社外取締役及び社外監査役に広く適任者を招聘し、期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第427条第1項の規定により、社外取締役及び社外監査役との間に、同法第423条第1項の賠償責任に関し、法が定める最低責任限度額を限度とする契約を締結することができる旨を定款に定めており、当社と社外取締役1名及び社外監査役3名は、当該責任限定契約を締結しております。
<現状の体制を採用している理由>当社は、社外取締役を含む取締役会と、社外監査役を含む監査役会が、取締役の業務執行の監督、監査を行い、経営会議で取締役の決議事項について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議するなど、経営の監視及び内規に基づく分権化を行っております。
なお、社外監査役による実効性、専門性の高い監査のほか、平時における経営者の説明責任の確保については、定期的な自己検証結果の経営会議への報告、有事における社外の視点を入れた判断の担保については、コンプライアンスオフィサー、リスクマネジメントオフィサー及び社内関連部門等が連携して社外有識者等の意見を事前聴取の上、取締役会において判断する体制をとっております。また、監査役連絡会を開催し、監査役間での情報共有及び意見交換を定期的に実施しております。
これにより、業務の適正が担保されるものと考え、現在の体制を選択しております。
3.内部統制システムに関する基本的な考え方及び整備状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社の業務の適正を確保するための体制(以下「内部統制システム」という。)の整備に関する基本方針を以下のとおり定めております。
① 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
コンプライアンスを確保するための体制は、以下のとおりとする。
a 当社役員及び従業員が共有し実践に努める「ヤチヨ行動規範」を制定し、周知徹底を図る。
b 各部門が担当取締役の主導の下で、法令の遵守に努め、その状況を定期的に検証するなど、コンプライアンスについて体系的に取り組む仕組みを整備する。
c コンプライアンスに関する取り組みを推進する担当取締役をコンプライアンスオフィサーとして任命し、企業倫理やコンプライアンスに関する事項を審議する「企業倫理委員会」を設置し、企業倫理に関する問題について提案を受け付ける「企業倫理改善提案窓口」を設置する。
② 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報については、当社の文書管理規程に基づき、保存及び管理を行うものとする。
取締役及び監査役は、常時、これらの文書等を閲覧できるものとする。
③ 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
事業を運営する上で想定される様々なリスクの適切な管理及び危機発生時における関連する組織・従業員の取るべき行動を定めた「リスクマネジメント方針」及び「リスクマネジメント規程」を制定する。
リスクマネジメントに関する取り組みを推進する担当取締役をリスクマネジメントオフィサーとして任命するなど、リスクマネジメント体制を整備する。
④ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、取締役会及び監査役会により、業務執行の監督及び監査を行う。
取締役会は、重要な業務執行その他法定の事項について決定を行うほか、業務執行の監督を行う。
監査役会の各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、業務の分担等に従い、取締役会への出席や業務、財産の状況の調査等を通じ、取締役の業務遂行の監査を行う。
業務執行体制については、主要な組織の長に取締役や執行役員をおき、機動的に業務執行ができる体制を構築している。また、取締役会から選定された取締役をもって構成される経営会議をおき、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議する。さらに、海外においては、世界各地のお客様の要請に応えるために世界の主要な地域に拠点を置き、テレビ会議を中心としたICT(情報通信技術)の積極的な活用により、当社と各拠点間のダイレクト・コミュニケーションを促進し、経営会議から委譲された権限の範囲内で、迅速な意思決定を図っている。
⑤ 当社及び当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社グループにおいて共有し実践に努める「ヤチヨ行動規範」を制定し、周知徹底を図る。
a 当社のグループ各社は、ヤチヨ行動規範に基づき事業運営に関連した法令・社内規則が遵守されるコンプライアンス体制、想定される様々なリスクの適切な管理及び危機発生時の対応に関するリスクマネジメント体制を整備する。
b 当社のグループ各社は、コーポレートガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス・企業倫理を主な対象として、定期的な自己検証を実施し改善に努める。
c 社長直轄の独立した内部監査部門である業務監査室が、当社の各部門の業務遂行状況について監査を行うほか、内部監査機能を持つ子会社については、内部監査の品質評価を行うことにより内部監査の充実に努め、その他の子会社に対しては、直接監査を行う。
d 当社は、グループ各社の経営の重要な事項に関して社内規程に基づき、当社への事前承認又は報告を求め、業務の適正性を確認する。
⑥ 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役又は監査役会からその職務を補助すべき使用人を置くことを求められた場合には、業務監査室から使用人を選任する。
⑦ 前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
業務監査室で監査役を補助する使用人の人事異動及び人事評価について、取締役は、事前に監査役の意見を聴取の上、決定し、また、補助すべき使用人に対して取締役は指揮命令をしないものとする。
⑧ 監査役の職務を補助すべき使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役は必要に応じて、職務を補助すべき使用人に対して、調査及び情報収集等の権限を与える。
⑨ 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
当社グループの取締役及び使用人は、監査役に対して法定の事項に加え、以下の事項を報告する。
a 会社に重大な影響を及ぼす事項
b 内部統制システムの整備状況
c コンプライアンス、リスクマネジメントに係る自己検証の結果
d 「企業倫理改善提案窓口」の運用状況
⑩ 監査役への報告者が不利な取扱いを受けないことを確保する体制
社内規程において、企業倫理改善提案窓口への報告・相談者に対して、不利益な取扱い(解雇、降格、減給、配置転換、不当な人事評価等の処分の他、職場におけるいやがらせ等)を禁止している。
⑪ 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の監査にかかる諸費用については、監査の実効を担保するための予算を確保し、監査のために支出した費用については、事後、会社に償還を請求するものとする。
⑫ その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、監査の実効性を確保するために以下の事項を定期的に実施する。
a 業務監査室との連携
b 代表取締役との意見交換
c 経営会議その他の重要な会議への出席
d 会計監査人との意見交換
4.内部監査、監査役監査及び会計監査状況
当社の内部監査及び監査役監査は、業務監査室が監査役を補助し、監査役と業務監査室が、単独ないしは連携して、当社及び国内外の子会社に対し、業務監査を実施しております。また、業務監査室は、金融商品取引法等に関する内部統制の評価を実施し、監査役にも結果を定期的に報告しております。
監査役への報告を適時・的確に実施するため、「監査役への報告基準」を整備し、当該基準に基づき、監査役に対して、各担当部門から当社や子会社などの営業の状況、内部統制システムの整備及び運用の状況などを定期的に報告するほか、会社に重大な影響を及ぼす事項がある場合には、これを報告することとしております。また、監査役は経営会議その他の重要な会議に出席することとしております。
当期において、監査役と会計監査人との間で会合を9回開催し、会計監査人が監査役に対し、会計監査の計画や結果などについて説明・報告を行ったほか、相互に意見交換を実施いたしました。
当社は、会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査人として、有限責任 あずさ監査法人を選任しております。
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、有限責任 あずさ監査法人に所属する足立純一及び福原崇二の2名であります。なお、継続監査年数は、足立純一が4年、福原崇二が1年であります。また、会計監査業務に係る補助者は、公認会計士7名、その他16名が監査業務に従事しました。
5.社外取締役及び社外監査役
当社は、経営の監視をより客観的に行うため社外取締役1名及び社外監査役3名を置き、取締役会、監査役会において監督、監査を行っております。
当社は、社外取締役及び社外監査役の会社からの独立性に関する基準、方針は定めておりませんが、会社法及び会社法施行規則の基準を満たすとともに、対象者の当社からの独立性や出身分野の実績と見識等を勘案し、選任の判断をしております。
社外取締役に関しては、豊富な経験と高い見識を経営に生かし、当社の経営陣から独立した中立的な立場で経営判断を行う観点から、グローバル企業での豊富な実務経験が有り、複数の大学で教壇に立ってきた学識を持つ横瀬勉を選任し、同氏を独立役員として指定しております。
社外監査役に関しては、経験、見識に基づいた監査と経営監視の実効性、専門性の観点から、法曹界における長年の経験を有する弁護士である山室惠、公認会計士及び税理士として豊富な知識・経験を有する富永和也及び村松昌信を選任し、各氏を独立役員として指定しております。
なお、社外取締役1名及び社外監査役3名と当社との間には、特別の利害関係はありません。
6.定款の定め
当社は、株主総会決議の内容、要件等に関して、以下の内容を定款で定めております。
・当社の取締役は、12名以内とする。
・取締役の選任の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う。また、取締役の選任の決議は、累積投票によらない。
・株主への機動的な利益還元をできるようにするため、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)をすることができる。
・機動的な資本政策をできるようにするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる。
・定足数の確保をより確実にするため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う。
7.会社のコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みの実施状況
当期において、取締役会7回、経営会議を24回開催し、重要な業務執行の決定や経営の重要事項についての審議を行いました。
監査役会では、監査方針、業務の分担等を決定いたしました。また、監査役と社長直轄の独立した内部監査部門である業務監査室が、単独ないしは連携して、当社の国内外の子会社に対し、業務監査を実施いたしました。なお、当期において、監査役会を10回開催いたしました。
企業情報の開示については、決算説明会の実施、投資家向けの企業説明会の実施、当社ホームページにおける各種の企業情報の公開など、決算や経営政策の迅速かつ正確な公表や開示を基本として、積極的に取り組みました。
8.役員報酬等
(イ) 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の人数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
基本報酬賞与
人数
(名)
金額
(百万円)
人数
(名)
金額
(百万円)
取締役
(社外取締役を除く)
1689155514
監査役
(社外監査役を除く)
27227
社外役員31431

(注) 「役員報酬」については、当期の支給額であり、「役員賞与」については、当期の役員賞与引当金の繰入額であります。
(ロ) 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針は、「取締役報酬基準」又は「監査役報酬基準」で定めております。
役員の報酬は、取締役については報酬と賞与によって構成されており、監査役については報酬のみで構成されており、それぞれ株主総会で決議された年額報酬枠の範囲内において支給されております。
取締役については取締役会で決議された方法により、監査役については監査役の協議により決定することとしております。
各役員の月額報酬については、同業他社役員の報酬相場などを勘案して決定することとしております。
取締役の賞与については、業績等を勘案して取締役会の決議により決定することとしております。
9.株式の保有状況
(イ) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
該当事項はありません。
(ロ) 保有目的が純投資目的である投資株式
前事業年度
(百万円)
当事業年度
(百万円)
貸借対照表計上
額の合計額
貸借対照表計上
額の合計額
受取配当金
の合計額
売却損益
の合計額
評価損益
の合計額
非上場株式33833723(注)
上記以外の株式51352317342

(注) 非上場株式については、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、「評価損益の合計額」は記載しておりません。