有価証券報告書-第78期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/23 16:46
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、中国及び新興国の経済成長の減速など一部に緩慢さを残しつつも、米国をはじめとした先進国を中心に景気は回復基調に推移いたしました。
国内におきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動がみられましたが、政府の各種経済対策により円安・株価上昇が進み、輸出産業を中心として企業収益の改善のもと、景気は緩やかながらも回復基調に推移いたしました。
当社グループが関連する自動車業界におきましては、海外における自動車生産は、北米市場及び中南米地域における販売が堅調に推移したことから前年度を上回りました。一方、国内における自動車生産は、海外現地生産への移管や消費税増税による販売不振等の影響により5年ぶりに前年度を下回る結果となりました。
このような経営環境の中で当社グループにおきましては、中期経営計画である「Dream2020」フェーズ1の最終年度として重点展開方針に沿った活動を展開してまいりました。
重点展開方針である「研究開発の強化」、「グローバルでの事業拡大」の取組みといたしましては、グローバルでの開発・設計強化を図ることを目的として中国広州市の現地法人に設計部門を新設いたしました。また、拡大するインドネシア市場に迅速に対応するため、インドネシア国内に販売会社を8月に設立いたしました。さらには、欧州市場参入の足がかりとして、ドイツに欧州初となる拠点の設立を決定いたしました。欧州における先進自動車技術、医療福祉関連技術、航空関連技術の情報収集により、魅力ある商品開発と、迅速かつタイムリーな営業活動を行うことを目的としております。
いずれの拠点におきましても現地得意先のニーズや最新情報をいち早く入手し、製品設計・開発に反映できる体制の構築に努めております。
「国内事業の再編」では、縮小する国内市場においても安定した利益をあげることのできる体質づくりを構築することを目的に国内工場を一部再編いたしました。
「非自動車領域の事業開発」では、福祉機器関連事業を営む株式会社今仙技術研究所と名古屋工業大学が産学連携で無動力歩行支援機「ACSIVE」を開発し、9月より販売を開始しております。
当社グループにおきましては、重点展開方針に全社を挙げて取り組むとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できるよう国内外の各拠点において総原価低減活動に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高につきましては、タイにおいて自動車部品の生産が大幅に減少したものの、為替の影響と北米における自動車部品の生産が増加したことから111,998百万円(前期比1.6%増)となりました。利益面につきましては、タイの減収に加え、北米での港湾問題による物流費の増加及び立ち上げロスの影響などにより営業利益は、3,298百万円(前期比29.2%減)、経常利益は、4,024百万円(前期比34.1%減)となりました。当期純利益は、米国子会社において減損損失を1,356百万円計上したことから、927百万円(前期比80.2%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、前連結会計年度まで自動車販売関連事業を営んでおりました名北自動車株式会社は、平成26年4月に清算したため、連結範囲から除外しております。
(a) 自動車部品関連事業
タイにおいて大幅に生産が減少したものの、為替の影響や北米での生産が増加したことから、売上高は107,410百万円(前期比1.3%増)となりました。営業利益は、タイの減収に加え、北米での港湾問題による物流費の増加及び立ち上げロスの影響などから3,129百万円(前期比31.4%減)となりました。
(b) ワイヤーハーネス関連事業
航空機関連、工作機械関連向けともに受注が増加したことから、売上高は3,320百万円(前期比18.5%増)となりました。営業利益は、受注増加に対して生産性改善が追いつかず人件費等が増加したことから56百万円(前期比5.3%減)となりました。
(c) 福祉機器関連事業
無動力歩行支援機「ACSIVE」の販売効果などにより売上高は1,266百万円(前期比15.5%増)、営業利益は91百万円(前期比243.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、主に税金等調整前当期純利益、減価償却費などにより、7,113百万円(前期比15.9%減)となりました。
投資活動に使用した資金は、主に有形固定資産の取得による支出により、4,460百万円(前期比27.0%減)となりました。
財務活動の結果減少した資金は、主に長期借入金の返済による支出により、592百万円(前期比222.5%増)となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は13,473百万円と前連結会計年度末に比べ3,014百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、7,113百万円の増加となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が2,629百万円、減価償却費が5,993百万円、減損損失が1,356百万円であったのに対し、たな卸資産の増加額1,187百万円、法人税等の支払額が1,334百万円であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,460百万円の減少となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が4,751百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、592百万円の減少となりました。これは主として、長期借入れによる収入が2,384百万円であったのに対し、長期借入金の返済による支出が1,585百万円、リース債務の返済による支出が1,416百万円であったことによるものであります。