有価証券報告書-第78期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 15:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

研究開発活動

当社グループは、経営理念にある「お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」のため、製品開発・技術開発・工法開発を促進しております。そして、お客様価値は「良品廉価」にあると受け止め、これを実現する新事業・新商品を開発するため、研究開発活動に注力しております。
具体的には、メカニカルな認証技術を深耕するのみならず、生体認証技術を含む非接触認証技術を用いた新商品開発を行うとともに、新しいビジネスモデルの創出活動を行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,453百万円となっております。
(1) 自動車部品事業(日本・北米・アジア)
当社製品開発はグローバルで迅速に対応するとともに、コア技術を基盤とした新製品開発の継続的な展開に取り組んでおります。
先々の新製品開発については、コア技術である認証技術/センサー技術/防盗技術やメッキ/塗装に代表される加飾技術の知識を基に、新たな市場と顧客情報を収集し、新たな要素技術を構築する為の実用化研究に取り組んでおります。
先行開発においては、ドアアクセスのためのセンサー応用製品に取り組み、赤外線式キーレスリモコンで培ってきた赤外線技術・認証技術に光学技術を組み合わせ、世界初となるハンド式バックドアセンサーを2013年に市場投入以降、サイドドア/スライドドア含めた開き物への応用製品の開発にも着手しております。
加えて、軽量化・スタイリッシュデザイン・剛性感・衝突安全性を備えたアルファユニークな次世代のドアハンドル製品は、グローバル各主要拠点で実車に搭載し同時に製品評価を実施している段階に来ております。
また、加飾技術領域においては高級車市場動向を見据えた”艶消しメッキ製品”の設備も整い始め量産準備が整うと共に、その技術を活用しドアハンドル以外の外装製品への加飾製品の市場投入も広がりを見せております。
各開発製品は、年次で市場と顧客価値を判断し、より一層お客様のニーズに即した先行開発・実用化研究テーマを選定し、お客様にとって価値のある商品を提供してまいります。また本部制導入3年目を迎える2016年は、日本国内の開発とモノ造りの連携に加え、海外子会社の設計・技術・品質部門との連携を基盤とし、その専門性を生かすことで、よりロバスト性が高く、安価で高品質な製品を提供してまいります。
今後も、上述した新製品の市場投入に向けて、多様なアクセス製品を開発し、”Innovation for Access”を実践してまいります。
なお、自動車部品事業の当連結会計年度研究開発費は、1,148百万円となっております。
(2) セキュリティ機器事業(日本・海外)
① 住宅・産業用ロック部門
「鍵=識別」を基本コンセプトに、従来の技術を更に高めたメカ・シリンダーと、エレクトロニクスによる識別技術を組み込んだメカトロニクス商品を開発しております。
これまでの開発の成果として、普及タイプとして開発した電気錠は、YKKAP㈱様の主力玄関ドアに標準採用され、2012年4月からカード仕様(YKK AP㈱様名称「ピタットKey」)、2012年6月からパッシブ仕様(YKK AP㈱様名称「ポケットKey」)を市場投入しております。2013年度は、カード仕様とパッシブ仕様を統合させた上位機種の開発を行い、2014年5月に発売を開始しました。ホームオートメーションシステムへの接続や、携帯電話での施解錠状態の確認等の機能を備えています。
これらのYKKAP㈱様採用製品はAC100Vを電源として動作しますが、2015年度はAC100Vの配線を不要とし乾電池で駆動することができる製品(カード式 及び カード+パッシブ併用式)を開発、市場投入し、また高断熱仕様の厚扉への対応では、特殊塗装を用い高級感ある意匠の電気錠を開発、3月に量産を開始するなど製品バリエーションを広げています。
このように、電気錠のシステム化と2014年度にフルモデルチェンジした電池錠「edロックPLUS」を含む乾電池駆動式製品をラインナップしている事が特徴であり、この乾電池駆動方式を支える超低消費電流回路技術は、コア技術として継続的に開発活動を進めてまいります。
これからも国内で培った認証技術、超低消費電流回路技術を信頼性のあるメカ機構に織り込み、グローバルな視点で開発を進めてまいります。
② ロッカーシステム部門
国内市場及び及びアジア市場を中心とする海外市場を視野に入れた商品開発に取り組んでおります。新たな取り組みとして、近年ネット通販市場の急拡大にともないユーザーのニーズに対応するとともに、宅配物の再配達削減に貢献する取り組みとして、当社が鉄道駅に展開しているコインロッカーで受け取りを可能とする製品を物流会社、鉄道関連会社と開発し、2016年2月より京王線6駅で荷物の受け渡しサービスの実証実験を開始しました。今後早期にビジネスモデルを構築し、当社の新事業として確立させたいと考えております。
また今後は、上記新事業のほかお客様が必要とするニーズに応える新商品の開発や新規事業に関わる開発、改善改良を行うと共に、いっそうの品質向上に向けて取り組んでまいります。
なお、セキュリティ機器事業の当連結会計年度研究開発費は、304百万円となっております。