有価証券報告書-第56期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 9:30
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
①企業統治の体制
イ、企業統治の体制の概要
当社グループは、創業以来の社訓であります“和”の精神の下、所属する自動車事業分野の発展に貢献し持続可能な企業を実現するために、全てのステークホルダーの皆様との協働を通じて、有意義な目的と明確な価値観と未来を共有し、イノベーションとチャレンジを続けて参ります。
そのために、当社グループの企業価値・株主価値の最大化に努めるとともに、企業としての社会的責任を果たし、企業価値の持続的向上を図ることを経営の基本としております。
変化の激しい自動車産業界において、自動車部品メーカーとしてグローバルな競争が一層激しさを増すことが予想されることから、「規範の遵守」・「透明性」・「説明責任」・「企業倫理の浸透」をコーポレート・ガバナンスの根幹とし、内部統制の整備・強化と経営の客観性と迅速・果断な意思決定に努めて参ります。
・ 社内体制図
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・ 当社は監査役会設置会社です。また、取締役の人事と報酬について、社外取締役、社外監査役等で構成する任意の諮問委員会を構成し、適切な助言と関与を求め、統治機構の充実を図っております。
・ 取締役会は、現在取締役9名(内社外取締役1名)の体制のもと、執行役員も参加して定例取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要な意思決定と業務執行に関する案件の協議、監督をしております。
・ 取締役会に次ぐ重要な意思決定機関として「経営会議」を設け、毎月一回定例開催し、業務遂行状況の管理をはじめ、リスク管理等々協議し、統制活動の実効性を高めております。
・ 執行役員制度は、経営機能と業務執行機能を分離・強化する目的で、2003年1月より導入しており、現在執行役員は4名であります。
ロ、企業統治の体制を採用する理由
上記のとおり、取締役会に次ぐ機関として経営会議を設け、また社外役員による独立した立場で監督・監視・監査し牽制機能を果たすため、本有価証券報告書提出日現在、社外取締役1名及び社外監査役2名を選任し、加えて内部監査室に専任の管理担当者をおき、各部門及び子会社の監査を行う体制をとっており、現体制で機能していると判断しております。
ハ、内部統制システムの整備の状況
・ 内部統制システムに関する基本的な考え方
当社は、取締役会において「内部統制システムの構築に関する基本方針」を次のとおり決議しております。この基本方針に基づき、業務の適正を確保してまいります。
なお、当社製品の一部に関する不適切な行為に関して特別調査委員会の調査を継続しております。今後は再発防止のため、具体的な改善策を講じ実施推進していき、その有効性の確認と進捗のフォローを行っていく所存です。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)当社は、企業理念・事業目的に沿った経営活動が取締役により実践されているかを牽制・監督する組織として監査役・監査役会を設置している。
(b)当社の企業風土や内部環境の整備として、「企業行動指針」及び社員の守るべき規範「社内行動規範」を制定し、法令順守と社会倫理の遵守を代表者が、その精神を取締役、全従業員に対し周知徹底を図るため継続的に啓蒙する。
(c)コンプライアンス体制は、統括部署を総務部に置き、総務担当役員が統括を行い、社内にコンプライアンス委員会を設け、各所属部署長がコンプライアンス担当者となり、職員への啓蒙活動、指導相談等周知徹底を図る。
(d)反社会的勢力に対しては、企業行動指針に基づき一切関係を遮断し、全社一体の毅然とした対応を徹底する。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理は「文書取扱規程」に基づき、当該情報を文書または電磁的媒体に記録し、適切に保存および管理を行う。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a)コンプライアンスに係るリスク管理は、総務担当役員が委員長となりコンプライアンス委員会を設け、「コンプライアンスマニュアル」を作成し、全社員への周知徹底を図る。また、リスク管理状況をコンプライアンス委員会及び経営会議・取締役会へ報告し、未然防止に努める。
(b)各業務に関するリスクに対する管理体制は、各業務部門で内部統制システム上での体制を敷き、経営管理室が総合的に統括し未然防止に努める。
(c)代表取締役社長の直轄する部署としての内部監査室を充実し、監査機能で牽制し、各部門のリスク管理を強化する。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)取締役会は、原則月1回毎月初に定期的に開催し経営の意思決定を行うとともに業務の執行を監督する。
(b)戦略や目標を定めた中期経営計画を定め、その目標を達成するため、各部門で諸施策と年次経営計画を策定し、月次の取締役会で取締役の業務執行状況の監視・監督を行う。
(c)取締役会に次ぐ重要な意思決定機関としての「経営会議」を設置し、事業計画の遂行状況のチェックをはじめ、内部統制に関する報告、フォローアップ、リスク案件の協議を行い、統制活動の実効性を高める。
e.当社企業グループにおける業務の適正を確保するための体制
(a)当社の企業理念・行動指針・社内行動規範を指導し周知徹底を図る体制をとり、当社及び当社グループ各社間で協議、情報の共有化、指示・要請が効率的に行われる体制を構築する。
(b)内部監査室は、当社及び当社グループ各社の内部監査を実施し、その結果を当社及び当社グループ各社の取締役会及び監査役会に報告する。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及びその使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、取締役会は監査役と協議の上、内部監査室員から監査役を補助すべき使用人として指名することができる。監査役が指定できる補助すべき期間中は指名された使用人への指揮権は監査役に委譲されたものとし、取締役及び所属部署責任者等の指揮命令はうけないものとする。
g.取締役及び使用人が監査役に報告するための体制、その他の監査役への報告に関する体制
取締役、使用人は、監査役に対して、当社及びグループ会社に重大な影響を及ぼす事項、コンプライアンスの相談窓口への通報状況及びその内容を速やかに報告する体制を「内部通報規程」に制定し整備する。
h.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、監査機能を適切に果たせるよう、取締役会等の重要会議に出席している。また、監査役は、経営トップ、監査法人、内部監査室とそれぞれ定期的に、また随時に意見交換を行い、経営業務執行の課題を共有した上で、独立した外部からの視点で監査牽制機能を果たし監査報告を取締役会を通じて報告する。
・ 内部統制システムの体制図
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ニ、リスク管理体制の整備の状況
・ 各業務のリスクに対する管理の体制は各業務部門で内部統制システム上での体制を敷き、経営管理室が総合的に統括し未然防止に努めております。
また社長直轄である内部監査室による監査機能で牽制し、リスクに対する管理をより強化しております。
・ 全社のリスク案件を把握協議し、より管理の実効性をあげるため、経営会議を月1回開催し、管理強化に努めております。
・ 品質に関するリスク
ISO9001、IATF16949といった外部認証を取得し、それに基づいた品質管理システムを運用することで品質向上に努めております。
また、ISO14001を取得し、環境方針を定め、循環型社会・低炭素型社会形成に応えていくため、全社的に取り組んでおります。
・ 法令に関するリスク
当社の経営理念を具現化するため、コーポレート・ガバナンスの考え方に基づき「企業行動指針」・「社内行動規範」を制定しております。また、社内により浸透させるため、規範順守のためのマニュアルをもとに周知徹底と社内体制の充実に取組んでおります。
社内通報体制として、「内部通報規定」を制定し、当社及びグループに重大な影響を及ぼす事項、コンプライアンス等の相談窓口として、外部の通報窓口を設け、その内容を速やかに報告する体制をとっております。
ホ、当社グループ各社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
・ 当社は、「関係会社管理規程」に基づき海外事業部を所管部署とし、グループ各社の適切な管理を実施しております。
・ グループ各社では、コンプライアンス規程を定め、体制の構築と整備に努め、業務の適正性を確保しています。
・ 内部監査室は、グループ各社の内部統制の状況及びその適正な運用状況について、監査計画に基づき監査を実施し、定期的に取締役会に報告するとともに、監査役会にも適宜報告を実施しております。
ヘ、反社会的勢力排除に向けた整備状況
・ 当社の行動指針のひとつとして「反社会的勢力との関係遮断」を誓い、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切関係を遮断し、全社一体で毅然とした対応を徹底しております。
・ 当社職員のための「社内行動規範」の中に、「反社会的勢力との取引禁止」を設け、全社員に反社会的勢力に対しては、断固たる毅然とした対応をとることの周知徹底を図っております。
・ 奈良県企業防衛対策協議会に加入し、毎年同協議会の総会時に「反社会的勢力との関係遮断」を、県警察本部に対し誓い、また各警察所属署の所管部との連絡を密にし、情報の収集や管理徹底を図っております。
②内部監査及び監査役監査の状況
・ 内部監査室は、代表取締役直轄のもと、専任者1名と、必要に応じて代表取締役の選任した補助者により、各業務執行部門及び子会社の監査を定期的に実施しております。
・ 監査役は、常勤監査役1名に加え、グループ全体のリスクマネジメントの監視を含む経営の監査をより透明性を確保するために、2名の社外監査役の3名体制をとっております。外部からの視点で監視、監査機能を果たし実効性を高め、より公正な監査ができる体制を整えております。
・ 内部監査室、監査役及び会計監査人は、監査計画、実施状況、リスク対応等について必要の都度相互の情報交換・意見交換を行うなどの連携を密にして、監査機能の向上を図っております。
③社外取締役及び社外監査役
・ 社外取締役1名及び社外監査役2名は、当社との間には特別な利害関係はなく、独立した立場で株主利益を配慮し、また他業種での豊富な経験を活かし、外部の視点で経営陣にアドバイスを行うことができるものと考え選任しております。
・ 社外取締役及び社外監査役は、監督・監視機能を適切に果たすため取締役会に出席し、必要に応じ外部の視点で意見を述べ、また経営トップとの意見交換を行い、経営・業務執行の課題を共有した上で、独立した外部からの視点で監督・監査を実施し牽制機能を図っております。
・ 社外取締役又は社外監査役の独立性に関する基準・方針については、設けておりませんが一般株主と利益相反の生じる恐れがなく、異業種の経験を活かし独立した立場で経営層にアドバイスができる社外取締役及び社外監査役を独立役員として選任します。当社は社外取締役1名及び社外監査役2名を選任し東京証券取引所に届け出ております。
④責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役梁亨恩氏、社外監査役浜本章氏及び中川雅晴氏との間に、同法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく賠償責任限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としています。
⑤会計監査の状況
会計監査につきましては、有限責任監査法人トーマツに委託し、会社法監査及び金融商品取引法監査を受けております。
業務を執行した公認会計士の氏名、所属する監査法人及び継続監査年数については、次のとおりであります。また、監査業務に係る補助者は、公認会計士5名、会計士試験合格者等4名、その他2名であります。
業務を執行した公認会計士の氏名所属する監査法人継続監査年数(注)
指定有限責任社員・業務執行社員 美馬 和実有限責任監査法人トーマツ-
指定有限責任社員・業務執行社員 石原 伸一有限責任監査法人トーマツ-

(注)継続監査年数については、全員7年以内であるため記載を省略しております。
⑥取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めております。
⑦取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議について、累積投票によらない旨定款に定めております。
⑧株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑨株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
・自己株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応し財政政策等を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
・中間配当及び基準日
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
⑩役員報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く。)
204,150177,45026,70011
監査役
(社外監査役を除く。)
6,5006,500-1
社外役員8,4508,450-4

(注)1. 退職慰労金には、取締役10名に対する、当事業年度に係る役員退職慰労引当金として計上した引当金繰入額17,400千円が含まれております。
2. 対象となる役員の員数には、2017年6月23日開催の第55期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役2名および社外監査役1名ならびに2017年10月2日付で退任した取締役1名を含んでおります。
ロ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
基本報酬は役職、職責、世間水準及び従業員とのバランスを勘案し、株主総会で承認された範囲内において、その額及び配分を取締役については、取締役会、監査役については、監査役会の協議により決定しています。
なお、基本報酬については、定額報酬を採用し、役員賞与は廃止しております。
⑪株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
6銘柄 79,206千円
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
前事業年度
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表
計上額
(千円)
保有目的
パナソニック(株)42,00052,836地域振興等への貢献のため
(株)T&Dホールディングス7,00011,312取引金融機関、取引深耕のため
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ7,0004,897取引金融機関、取引深耕のため
(株)南都銀行6002,445取引金融機関、取引深耕のため
(株)第三銀行570946取引金融機関、取引深耕のため

当事業年度
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表
計上額
(千円)
保有目的
(株)T&Dホールディングス7,00011,819取引金融機関、取引深耕のため
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ7,0004,879取引金融機関、取引深耕のため
(株)南都銀行6001,720取引金融機関、取引深耕のため